
宇都宮その2
大谷資料館から10分ほど歩くと
大谷寺があります。
大谷寺は天台宗の寺院ですが、日本屈指
の洞窟寺院として知られています。
創建・開基は不明ですが、810年空海
が千手観音を刻んで寺を開いたとの伝承
が残っています。

本尊は岩壁に彫られた約4.5メートル
の千手観音で、「大谷観音」の名で知ら
れています。
本尊の千手観音はじめ、脇堂の釈迦三尊
・薬師三尊・阿弥陀三尊の合計10躰の
石仏は、西の臼杵磨崖仏(大分県)に対
し、東の磨崖仏として知られ、美術的に
も貴重な石仏です。(撮影不可でした)

最新の研究では、バーミヤン石仏との共
通点が見られることから、実際はアフガ
ニスタンの僧侶が彫刻したとの説がある
そうです。
(バーミヤン遺跡群は1~13世紀に石
窟仏教寺院が開削され、1000以上の
石窟が発見されています)
大谷寺の洞窟はもともと縄文人の横穴式
住居であったものと考えられています。
1万1千年前の縄文人の人骨が、ほぼ完
全な形で出土しています。

(橋の向こうに弁天堂)
昔、旅人の難所とされた足柄山や箱根の
坂の東一帯は坂東と呼ばれ、坂東の武者
たちは源平合戦時には九州にまで進みま
した。

(御止山入口)
合戦の後、敵味方を問わない供養や平和
への祈願が盛んになりました。
源頼朝のあつい観音信仰と多くの武者が
見聞した西国三十三ヶ所観音霊場への思
いが結びつき、鎌倉時代初期に坂東三十
三ヶ所観音霊場が開設されました。
大谷観音は坂東十九番札所です。
大谷寺の門前にある、大谷石の石切り場
跡に平和観音像があります。

第二次世界大戦による戦没者の霊を弔い
世界平和を祈って彫刻された、高さ27
メートルの観音像。
昭和23年から6年の歳月をかけ、昭和
29年に完成しました。
大谷観音の御前立(おまえだて)として
彫刻されたものです。
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