僕の大好きなあのK-POPガールズグループ、『少女時代』がついに復活!今年の8月でデビュー15周年となるが、それを記念してジェシカを除くオリジナルメンバー8人が再び集結し、前作となる6枚目のアルバム『Holiday Night』(2017年8月発売)から5年ぶりとなる全10曲入り7枚目のオリジナルフルアルバム『FOREVER 1』を8月5日にリリースしたのだ。これは感動的な出来事である。
少女時代と言えば、今のK-POPブームの草分け的な存在で、2007年8月、シングル「Into The New World」でデビューし、「Girls'Generation」、「Gee」、「Oh!」、「GENIE」など次々と大ヒット。日本でも2010年8月にシングル「GENIE」でデビュー、2011年は大みそかに『NHK紅白歌合戦』、2014年12月には東京ドーム公演を行うなど絶大な人気を誇ったし、僕もドーム公演はアリーナ席で観ることが出来た。現存するK-POPガールズグループでは最年長のグループがついに再始動となったのだ。
タイトル曲「FOREVER 1」は、エネルギッシュで希望に満ちたポップダンス曲。歌詞では、いつもどこにいても力を与えてくれる大切な人への永遠の愛を表現する。音源解禁と同時に、YouTubeではタイトル曲のミュージックビデオ(MV)も公開され、現在大きな話題を呼んでいる。
少女時代のメンバーは、近年はそれぞれがソロなどで活躍していたので、僕もイチオシのユナの活躍はドラマや映画などを見て頻繁にフォローしてきたし、テヨンが時々ソロアルバムなどを出していることは認識していた。しかし、その他のメンバーについてはどうしているかあまり掴めていなかった。『少女時代』は既に解散していると思っていたファンも多かった筈。でも少女時代は、正式には解散しておらず、“休眠期間”と言った方が正しいだろう。
しかし、状況はちょっと複雑で、現在もSMエンターテインメントに所属するのはテヨン、サニー、ヒョヨン、ユリ、そして僕が愛して止まないユナの5人。そして今回この5人に加え、2017年に契約満了で同社を離れたティファニー、スヨン、ソヒョンも含めた8人の完全体でカムバックしたのが凄い。SMエンターテインメントに在籍する5人が集結するのはたやすいと思うが、既に事務所を離れて独立している3人までが今回集結して、少女時代としてまたアルバムを出すというのは相当な調整・交渉や準備期間が必要だったと想像する。得てしてこの手の復活劇は事務所の契約関連でなかなか纏まらず、実現しないことも多い中、無事8人全員がアベンジャーズのように集結出来たのは感動である。もちろん、欲を言えば、かなり前から少女時代を脱退してしまったジェシカも加えたオリジナルメンバー9人全員が揃えばベストではあったが、8人が揃っただけでも奇跡的である。しかも、8人全員が変わらない美貌と美脚で復活してくれたのだ。いや、むしろ大人の色気も増してより一層美しくなっているかもしれない。
さて、早速ダウンロードして聴いた最新アルバム『FOREVER 1』に就いて少し紹介しておこう。ピンク色のジャケットは何ともポップで可愛く、最近のK-POP路線にも多く見られるキュートなデザインだ。GGをデザインしたハートのまわりを電子掲示板がくるくる回転しながら、アルバム名”FOREVER 1 GIRLS GENERATIONS”と表示されている。そしてアルバムに収録されているのは下記10曲。
少女時代 15周年記念アルバム『FOREVER 1』収録曲
- Forever 1
- Lucky Like That
- Seventeen
- Villain
- You Better Run
- Closer
- Mood Lamp
- Summer Night
- Freedom
- Paper Plane
まず1曲目、待望のタイトル曲『FOREVER 1』は、ダイナミックな展開とエネルギッシュなメロディーが際立つポップダンスナンバーだ。少女時代の持ち味でもある伸びのある歌唱が、まるでフェスティバルの会場か遊園地にでもいるかのような楽しい雰囲気にさせてくれる。歌詞には、いつでもどこでも力になってくれる大事な人たちに対する愛が盛り込まれている。
2曲目の『Lucky Like That』も明るいアップテンポな曲だ。ノリもいいし、1曲目と同じく、ダンサブルでカッコいい曲。どうやらメンバーが一番最初にレコーディングした曲らしい。僕はかなり好きな曲だ。
3曲目『Seventeen』と4曲目の『Villain』は、ティファニーとスヨンが作詞に参加した曲。『Villain』はティファニーが作曲も手がけている。今までより、アーティスティックな一面が押し出されている。5曲目の『You Better Run』は、ちょっとマイケルジャクソンを連想するような早いリズムが印象的なカッコいい曲。
僕がアルバムの中で一番気に入ったのは、6曲目の『Closer』。とてもライトで爽やかなポップになっており、それでいてどこか切ないメロディに心を打たれるのと同時に、どこか懐かしさを感じる曲だ。曲調からすれば80年代のJ-POPや、バナナラマの初期のユーロビートにも似た雰囲気があり、結構好きである。
その後に続くラスト4曲、『Mood Lamp』、『Summer Night』、『Freedom』、『Paper Plane』はいずれも似た雰囲気のある曲が続くが、どれも大人っぽい、しっとりした上質R&Bと言ったところで、たぶん聴いて貰えるとわかると思うが、まるで『Off The Wall』の頃のマイケル・ジャクソンのバラードを聴いているかのような心地良さに包まれるから不思議だ。『Freedom』がその色が一番強いかもしれない。どの曲もかなりおススメである。
アルバム全体で見ると、前半は明るく、カッコいいキャッチーな曲で構成されており、華々しく少女時代の復活を盛り上げている。一方、後半はとてもしっとり落ち着いたミディアムR&Bで構成されており、その意味では今の少女時代を象徴するかのような大人っぽい雰囲気が支配している。メンバー全員が30歳を超えてきた、“世にも美しいお姉さま集団”となった少女時代としては、他の若いガールズグループとは一線を画した、大人の女性だけが放つ色気を唯一表現出来るグループなのだということを改めて痛感した。その意味で、大人の魅力が増した少女時代の新たな魅力が詰まった、素晴らしいニューアルバムをファンに届けてくれたのである。これから久しぶりにまた少女時代を堪能したいが、凱旋ライブで来日してくれる日も楽しみにしたい!