初期の松田聖子楽曲の作詞を多く手掛けた三浦徳子が、松田聖子に作詞提供した30曲を収めた企画アルバム、『Seiko My Love – Yoshiko Miura Works-』が明日リリースされる。僕は予約注文していたので1日早く今日受け取ることが出来た。三浦徳子は昨年の11月6日に亡くなられたので、明日はちょうど1年にあたる命日。追悼記念として、このアルバムが企画された。デジタルリマスタリングされているのも最高である。既に持っている曲ばかりではあるが、やっぱり聖子ちゃんファンとしてはどうしても買わずにはいられない。
三浦徳子と言えば、シティポップとして世界中でリバイバルヒットとなっている松原みきの「真夜中のドア~Stay With Me」、早見優「夏色のナンシー」、郷ひろみ「お嫁サンバ」、沢田研二「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」、田原俊彦「君に薔薇薔薇…という感じ」、八神純子「みずいろの雨」「パープルタウン ~You Oughta Know By Now~」、吉川晃司「モニカ」、杏里「Cat’s Eye」など、誰もが知っている80年代のヒット曲の作詞を多く手掛けたことでも有名。昨年75歳で亡くなってしまったが、その生涯で2,000曲以上の作詞を手掛け、80年代は間違いなく最も活躍した女性作詞家と言えるだろう。
松田聖子曲の作詞としては、どうしても松本隆が取り上げられることが多いが、このアルバムを聴くと、確かにデビュー間もない、まだ初々しい初期の松田聖子のシングル、アルバム曲の多くは三浦徳子によるものだったことが懐かしく思い出される。それにしても初期の松田聖子の声と容姿はなんと瑞々しくて可愛いのだろう~。今回のアルバムジャケットと裏ジャケットに選ばれた写真も、当時のまだ少し垢ぬけていない、瑞々しい原石の松田聖子だ。やっぱり可愛い(笑)。CDにはミニジャケットも付いており、またCDに付属のブックレットには、松田聖子による特別寄稿や、三浦徳子の作詞エピソードなどが掲載されたライナーノーツがおさめられているのも必見。
アルバムは2枚組のCDとなっており、収録されている30曲は下記の通り。いや~、久々に初期の松田聖子を改めて聴くと、かなり感動的である。しつこいが(笑)、なんとも可愛くて、初々しい響き・・。
<DISC1>
~南太平洋~サンバの香り
裸足の季節
RAINBOW~六月生まれ
トロピカル・ヒーロー
ブルーエンジェル
~オレンジの香り~Summer Beach
クールギャング
九月の夕暮れ
風は秋色
North Wind
冬のアルバム
Eighteen
花時計咲いた
愛の神話
Only My Love
<DISC2>
SQUALL
青い珊瑚礁
TRUE LOVE~そっとくちづけて
ロックンロール・デイドリーム
潮騒
夏の扉
Je t'aime
ナイーブ ~傷つきやすい午後~
チェリーブラッサム
しなやかな夜
白い恋人
ウィンター・ガーデン
スプーン一杯の朝
花びら
少しずつ春
この30曲は主に松田聖子のアルバムで言えば、初期のアルバム3枚 (『SQUALL』、『North Wind』、『Silhouette』)に収録されているものだ。これまで大概の松田聖子曲はもちろん聴いているのだが、こうして改めてこの30曲を聴くと、意外と初期の曲で忘れてしまっていたような曲もあって、とても新鮮な気持ちで観賞することが出来た。ちなみに、以前にもブログで取り上げているが、この3枚のアルバムの内、『North Wind』と『Silhouette』のジャケットは、聖子ちゃんアルバム史上の中でも1、2位を争う可愛らしさで、聖子ちゃんカットの最高峰でもある。
この30曲の中には、もちろん誰もが知るデビュー曲の『裸足の季節』や、シングルヒットの『風は秋色』、『青い珊瑚礁』、『夏の扉』、『チェリー・ブラッサム』などもしっかり収録されているが、アルバム曲やB面曲ながら松田聖子の曲の中でも人気の高い『Eighteen』、『Only My Love』、『SQUALL』、『True Love~そっとくちづけて』なども収録されている。個人的にはB面コレクション『Touch Me Seiko』にも収録された『True Love~そっとくちづけて』と『Eighteen』が特に好きな曲だ。そしてシングルで言えば、やっぱり『チェリー・ブラッサム』と『夏の扉』は、松田聖子の好きな曲ベスト5に入っており、今でもライブでは欠かせない名曲である。
この頃の作曲は、財津和夫が手掛けた『チェリー・ブラッサム』や『夏の扉』など、一部を除いて殆どが小田裕一郎によるものだ。最盛期を支えた松本隆/ユーミンの作詞作曲コンビよりも少し前の時代、何ともフレッシュで初々しい松田聖子をしっかり支え、スターダムに押し上げていたのは三浦徳子であったことを改めて思い知らされる。収録されている他のアルバム曲も、こうして改めてじっくり聴くと、三浦徳子の可愛い詞が爽やかでエバーグリーンな曲に乗ってとても心に染み渡るし、松田聖子の瑞々しい歌声が、美しい景色とそよ風の中にそっと蘇るような気がする。そんな作詞家三浦徳子の作品たちを堪能できる素晴らしい記念アルバムとなった。