このドラマの成功要因として、まずは浜ちゃん役の濱田岳が見事にマッチしていること。お人好しの釣りバカで、仕事は全くやる気が無い駄目新入社員ぶりがユーモアたっぷりに表現されており、オリジナルの世界観をうまく継承しながらも、新たな浜ちゃん像を作り出すことに見事成功している。一方でこれまで浜ちゃんの印象があまりにも強過ぎた西田敏行に、三国連太郎のスーさん役がはまるのかどうか不安視された見方も当初あったが、始まってみると、これまでずーっとスーさんをやっていたのではと思えるほどナチュラル且つとても絶妙なタッチで社長の悲哀と釣りバカとしてのめり込んで行くスーさんのユーモラスな姿を描くことに成功している。これもまさに見事な配役のトランジションを成し遂げたと言えよう。
そしてこの主役に絡む周辺の登場人物がまた実に多彩でユーモラスなのもドラマを魅力的にしている重要な要素だ。浜ちゃんのお母さん、とし子役には榊原郁恵。これまた面白い母ちゃん像を見事に描いており、第6話では田舎から上京してくるエピソードとなっている。そして浜ちゃんの上司で、ザ・中間管理職である佐々木課長を吹越満が好演、スーさんの息子で鈴木建設の常務でもある鈴木昌之には駿河太郎、鈴木建設経営幹部のメンバーも伊武雅刀、佐戸井けん太、名高達男など渋い俳優陣が脇を固める。スーさんの奥さんには昔“お嫁にしたい女優No.1”とも言われた市毛良枝、そしてなんといってもあの“みち子さん”役には、今人気急上昇中の広瀬アリスが扮しており、浜ちゃんがいつも通う定食屋かづさ屋の看板娘に。かづさ屋の店主にはきたろう(みち子さんの伯父)、そして店主の娘、薫ちゃんには田辺桃子と、周りには本当に個性豊かなキャラクターがたくさんいて、見る者を全く飽きさせないのだ。
ちなみに、みち子さんと言えば、やはり映画での初代みち子さん役、石田えりの印象が強いと思うが、本ドラマで広瀬アリスがとても良い味を出していて、僕はこのドラマで広瀬アリスのファンになってしまった。これまで妹の広瀬すずに対する話題が先行してきた感じもあるが、アリスもすずに目が似ているが、すずには無い色気と母性がアリスにはあり、なかなか魅力的である。その意味では、石田えりとも二代目みち子さんの浅田美代子とも少し違うキャラだが、新たなる浜ちゃんにもぴったりと違和感無く受入れられるみち子さんが誕生したと言える。
毎回ゲストが登場するが、こちらの顔ぶれも豪華でドラマを大いに盛り上げている。初回は武田鉄矢、第2話柄本明、第3話中越典子、第4話鈴木ちなみなど。最終回にはついにみち子さんの父役に石黒賢が登場するが、いよいよ浜ちゃんとみち子さんの恋の行方、そしてあの“合体!”があるのかどうか(笑)が注目だ。
そして新たな試みとしては、みち子さんのレシピと題して、ドラマの途中で魚料理のレシピを紹介するミニコーナーもあって、Cookpadとの連動によるこの企画も新生釣りバカならでかなり面白い。
このドラマは“釣り好き”にはたまらないドラマだろうし、釣りに興味の無い人も、釣りに興味が湧いてしまうような楽しい釣りシーンが盛りだくさん。浜ちゃんとスーさんが何とも楽しそうに毎回週末釣りに行く計画を立てているのが何ともほほえましく、つい自分も釣りに出鰍ッたくなってしまうようなドラマである。また、エピソードとしては毎回見切り/完結型なので、一回見逃しても問題無いが、根底では浜ちゃんとみち子さんの恋模様など、進行し続けている展開もあり、続けて見ることも面白さも味わえる。今週最終回を迎えてしまうが、今回好評ということも有り、恐らくこれからシリーズ化して定期的にまた放映されるのではないかと思うので、今後の展開が楽しみであるが、何とか浜ちゃん、スーさん、みち子さん等の主要メンバーは今の配役で固定して欲しいものである。
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