漢字違いではあるものの、自分の名前と同じこの城に前からとても興味を持っていた。
ここは姫路の北に位置する朝来市にある山城だが、その美しく幻想的な景色から『天空の城』、または『日本のマチュピチュ』とも呼ばれている知る人ぞ知るマニアックな城なのだ。
城と言っても、立派な天守閣がそびえ立っているわけでは無い。標高353.7mの小高い山の山頂にある竹田城だが、1600年頃に廃城になっており、今は天守閣も櫓も塀なども無い。ただ、見事な石垣群を残すのみである。
しかし、ただの石垣が残る城址かと思っていたが、実際に行ってみて、その素晴らしさと人気の所以がわかった。
竹田城が『天空の城』と呼ばれているのは、
その見事な石垣群がある山頂が、地理的な特異性により、秋の早朝には低く雲海が山頂かかり、幻想的な姿を見せる。運が良ければ、下記写真のような、世にも美しい景色が拝めるのだ。
まず竹田城は、城の向かい側にある立雲峡というビューポイントから見るのが定番のようだ。多くの見物客が、夜明け前から立雲峡に車で上り、竹田城への雲などのかかり具合を
ウォッチしながら、ベストショットをカメラに収めようと長時間狙っている。
朝から雨が降ったり、止んだりしている不安定なスタートだったが、このおかげで、なんとも美しい虹が現れて、幻想的な竹田城周辺をより一層幻想的に飾った。
そして、日の出と共に竹田城にも太陽の光が当たり出し、石垣がより一層くっきりと浮かびあがる。
ひとしきり立雲峡から竹田城を眺めたら、
今度は車で竹田城に移動して、いよいよ山頂まで登ることに。竹田城の駐車場から山頂までは竹田城山門を抜けて、徒歩で15分程度。
そして山頂の石垣に到着してみた周囲の景色はまさに絶景!低い雲が立ち込め、また先ほど登った立雲峡も良く見える。この竹田城が、周りの小高い山々に囲まれた見事な地形であり、それが故にこの竹田城が要塞となりえた理由が良く理解出来た。
本丸にある天守台自体は、さほど大きな面積では無いものの、山頂全てを入れるとかなり面積が広く、今も石垣を見ると、如何に建設当時は立派な城であったかが想像出来る。
石垣は無造作に石垣を積んでいく野面積みの一種である『穴太積み』と呼ばれるその石垣はとても美しいのだ。
竹田城を後にして、その麓にある小さな駅、竹田駅を訪れた。ローカル単線の駅らしく、とても味のある小さな駅であった。
ここには竹田城に関する資料や、グッズを取り扱う小さなお店を駅構内に設けており、ここには竹田城の精密な模型展示により、当時の姿が再現されているが、とても貴重な展示である。
記念グッズとして、竹田城のクリアファイルと絵ハガキセットを購入した。
最初はただの山城跡かと思ってやや侮っていたが、その瞬間だけに見せる幻想的な美しさ、そして山城としてはかなり立派で迫力のある石垣群や、山頂からの美しい景色など、本当に見所満載の城であることを今回痛感した。一見の価値ある見事な城であった!
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