この5作品の中でも『蜘蛛島の冒険』は当時作成されたものの、お蔵入りになって未発表作品となっていたもので、今回初めて日の目を見たのは貴重である。
手塚治虫のオリジナル版と、横山光輝のリメイク版を比べるのも面白い。同じストーリーながら、それぞれが自分らしいタッチとコマ使いで描いており、それぞれの特徴が既に当時から鮮明に表れている。当時手塚治虫は既に大物漫画家として有名であったが、その後、横山光輝もメキメキと頭角を現し、ついに2人は『鉄腕アトム』と『鉄人28号』という永遠のライバルロボット漫画で対決することになるとは、当時まだ知る由もなかったのだ。しかし、躍動感のある見事なリメイクを描く横山光輝の作品を見て、手塚治虫もその才能に驚いたに違いない。
それにしても、最近横山光輝の作品が相次いで復刻されている。以前紹介した講談社の愛蔵版初期作品集に加え、先月は『鉄のサムソン』という作品も限定版BOXとして小学館から復刻された。この『鉄のサムソン』は『鉄人28号』に代表されるロボット作品だが、1956年に連載が始まった『鉄人28号』に遅れること6年、1962年から『鉄のサムソン』の連載が始まった。鉄人28号に比べるとスレンダーな体系のロボットで、当時はかなり人気を博したらしいが、やっぱり横山光輝の描くロボット漫画はストーリー性があって、丁寧に描かれており、また横山光輝のロボットの特徴は、アトムのように自ら心を持つロボットでは無く、操る人間によっては、悪のロボットにも善のロボットにもなるというところだ。また、自分の意思が無い分、持ち主の指示通り、忠実に動くという点が、当時多くの少年にうけた理由でもあろう。
6月下旬には、更にあの『伊賀の影丸』も限定版BOXとなって復刻される予定だ。横山光輝ファンとしては、本当に今から待ち遠しい限りである。
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