週末、何だかむしょうに『あしたのジョー』が観たくなり、持っている『劇場版 あしたのジョー2』のブルーレイを引っ張り出して観賞した。
『あしたのジョー』は僕の大好きだったアニメで、DVDにて『劇場版 あしたのジョー』と、ブルーレイで『劇場版 あしたのジョー2』を持っているが、こうして改めて久々に観てみるとかなり面白い。映画のパンフも持っているので、パンフを見ながらシネコンでの観賞さながら、自宅のリビングでゆっくり満喫することが出来た。
テレビアニメ版『あしたのジョー』は1970-1971年にかけて全79話で放送された。矢吹丈とカーロス・リベラとの対決までを描いているのだが、まだ僕も生まれて間もない時期だったので(笑)、当然この放送自体はリアルタイムでは観れていない。しかし、その後の再放送などで観た記憶がある。そして1980年に『劇場版 あしたのジョー』として、テレビアニメ版の51話まで(力石の死)までを劇場版として再編集した形で劇場公開され、当時大ヒットを記録したのを良く覚えている。確か前売り券を買って、渋谷の映画館まで観に行ったと思う。
そしてこの劇場版の大ヒット熱も冷めないうちに、1980年10月からは『あしたのジョー2』のテレビ放映が開始された。面白いのは、このテレビアニメ続編は『劇場版 あしたのジョー』の続編として企画されたもので、力石の死からカーロスとの対戦まではリメイクになっている。そして、ホセ・メンドーサと対戦し、灰になるまでをテレビアニメで放送し、こちらも大ヒットした。
今回ブルーレイで観直したのは、この『あしたのジョー2』の劇場版で、テレビ放送の後半がまだ続いている1981年から劇場公開されたこともあり、この頃はあしたのジョーが大きなブームとなっていたのが懐かしい思い出だ。
『劇場版 あしたのジョー2』は、力石の死から物語は始まる。力石の死によって、テンプルにパンチが打てなくなってしまったジョーだったが、ベネズエラから来日したカーロス・リベラとの対決によりこれをついに克服し、カーロスとの友情が芽生える物語を描く。しかし、その後カーロスがタイトル戦として対戦したホセ・メンドーサに1ラウンドで敗れたことを知ったジョーはショックを受ける。当初カーロスはジョーとの対決で既にダメージを受けてしまったことから、ホセにあっさり敗れたとの情報が出回る。その心理的優位性もあり、ホセとのタイトル戦が決まったジョーだったが、そんな中パンチドランカーとなってしまったカーロスがジョーの前に現れ、ジョーは変わり果ててしまったカーロスの姿に大きなショックを受ける。
そしてその後カーロスを診断した医師により、カーロスをパンチドランカーにしてしまったのはジョーではなく、ホセがカーロスのテンプルに放った“コークスクリューパンチ”によるものであったことが判明し、ホセが如何に恐ろしいボクサーであるかを思い知ることになる。そんなジョーに追い打ちをかけるように、ジョーにもパンチドランカーの前兆が出ており、このままホセと戦えば、間違いなく、カーロスのようになってしまうと、白木葉子に告げられる。自分の状態を薄々気づいていたジョーだったが、自分の全てをかけて、灰になるまで戦うことを白木葉子に伝え、ホセの待つリングへと向かうのであった・・・・。
今回久々に観賞したが、やっぱり何度観ても感動的で、熱い物語が展開される。テンプルを打てず苦悩するジョー、カーロスとの友情物語、ホセとの死闘も含め、実に見どころが多い作品であった。そして『あしたのジョー』は当時漫画でも結構夢中に読んでいた記憶がある。アニメ版よりもやや可愛いタッチだったちばてつやの原作漫画は味わい深く、かなり好きだった。
そして元々力石のプロモーターであった白木財閥の令嬢、白木葉子も忘れられないキャラクターだ。『あしたのジョー2』では力石の死後白木ジムの会長として、カーロスの招聘、ホセとのタイトルマッチのプロモーションなども手掛けていくが、次第にジョーに惹かれるようになり、そしてホセとの対戦前、ついにジョーに愛を告白するシーンがとても印象に残っていた。小学生の僕にはかなり刺激的に映ったのかもしれない(笑)。
今観ると画像のタッチがかなり粗削りで、今のアニメのようにキレイでは決してないのだが、この当時のアニメはどこか熱い魂が感じられたし、勢いもあった。もちろん、小学生として当時観ていた印象と、大人になって今観た印象では観ている方もその熱量が違うかもしれない。『宇宙戦艦ヤマト』もそうであったが、当時人気があってテレビアニメから劇場アニメなどに展開された多くのヒット作は、とても熱い魂が宿っていたものが実に多い。久しぶりに昔好きだった『あしたのジョー』を観て、改めて当時の熱気を懐かしく思い出すことが出来た。