精神障害者ソフトバレーボールの関東大会。私が所属する東京選抜チームが、優勝しました。それから1週間経ちましたが、まだ実感が沸かないのです。私達が優勝したの?本当に?何かメンバーチェンジのミスが後から見つかって、優勝を剥奪されるんじゃないの?
いやいや、大丈夫。本当に優勝したんです。私達。偉すぎです。決勝戦は、ものすごい接戦でした。第3セット24対24のジュースになった時、私はもうコートを見ていられませんでした。だから、コートに背を向けて、ケガをしたメンバーの足を一生懸命さすっていたのです。
そうしたら、まるで悲鳴のような歓声が背後から聞こえてきて、「わぁー」って皆が叫んでいて、(私達、勝ったんだ)って思いました。
皆、泣いていました。9年ぶりの優勝です。全国大会に行けるんです。あの、辛かった練習の意味が、やっとわかりました。あんなにスパルタに練習したって、まだ足りないくらい、関東大会の出場チームは、どのチームも強敵でした。
実は私は、関東大会が終わったら、バレーボールを引退しようと考えていたのです。だけど、キャプテンからこう言われました。
「さかなさん、やめないでね。一緒に日本一になろうね。」
この言葉は、心に刺さりました。(私を仲間だと思ってくれてるんだ)って思いました。嬉しかったです。だから、バレーボールを続けていくことにしました。
だけど、無理はしない。もう49歳という歳だし、練習中は、疲れたら正直に休む。私にできる範囲で、楽しく皆と練習をしていこう。
さぁ、次は日本一です。明日は、また練習日だから皆に会える。そしたら笑顔で挨拶しよう。私も仲間になれたんだ。これからもよろしく。やったね。優勝したんだ、私達。そして次は日本一だ。