皆さんこんにちは、長浜奈津子です🎐
7月18日(木)、梅雨が明けましたね。
本格的な夏がやってきます。
皆さん、どうかご無理をなさらないで、健やかにお過ごし下さい。
私の日々は、あっという間に過ぎていきます。
そんな中で…
生徒さんの朗読動画をYoutube 『朗読の中庭』にアップしました。
今回は、Yumikoさんの朗読動画です。
佐藤春夫の「あじさい」を練習して、録音を送って下さいました。
<佐藤春夫 の短編…私小説? >
…背中の冷んやりするお話です。
初出は、1922(大正11)年6月、梅雨の頃だったのでしょうか。
クーラーのない時代、小説や落語で、湿気や暑気を払ったのかもしれません。
あじさいは、「幽霊」というタイトルで書かれたとのこと。
…といいますか、この小説は、どうやら佐藤春夫の私生活に、重なっているようです。
自分の先輩(師匠)谷崎潤一郎の奥様、千代と一緒になり、娘も引きとったそうです。
谷崎は妻の妹が好きになり、千代を虐めていたとか(!)
同情した佐藤春夫が相談にのっているうちに、愛情に変わった。
ということは、この「幽霊」って…?
いえいえ、谷崎は1965年79歳まで生きました。
…現実世界の生きた人間の恨みや思いの方が…怖いですね。
こういう背景がわかった方が、もっと深読みできて、面白いです。
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昼下がりの仏間で。
障子を引くと庭、さみだれの晴れ間。
7年前に夫を亡くした女と、男が話しています。
そのそばには熱を出して寝込んでいる小さな娘。
なんとも意味深な会話、からはじまります。
Yumikoさんが、静かに語られる、佐藤春夫の小説。
皆さん、よろしければどうぞお聴きになってみて下さい。
<「あじさい」佐藤春夫 >
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――あの人があんなふうにして不意に死んだのでなかったら、仮にまあ長い患のあとででもなくなったのであったら、きっと、あなたと私とのことを、たとえばいいとか決していけないとか、何かしらともかくもはっきりと言い置いたろう……わたしはどうもそんな気がするのです。でも、あなたがあれから七年も経つのにどうして今日までひとりでいらっしゃるか、またわたしがどうして時々お説教を聴きに出かけたりするような気持になったか、そのわけをあの人は、口に出しては言わなかったけれどちゃんと知ってはいたのですものね。それならばこそ、私を一そうやさしくもしたのでしょう。そのことを思うとわたしは、それだけにまたどうしていいか心が迷うの。そうしてわたしとあなたとがこんな話をしていることも、またこんなことを思って見ることも気が引けてならないのですわ……
「あじさい」佐藤春夫:青空文庫
📚 Yumikoさんの朗読
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「化粧」神西清 / 語り手 Yumiko
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朗読の生徒さんの発表会を致します。
長浜奈津子リモート朗読教室
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最後までお読み頂きましてありがとうございました。
長浜奈津子より
<朗読の中庭*関連ブログ>
『朗読の中庭』Reading Garden 生徒さんの朗読チャンネル
長浜奈津子のHP =芝居と音楽と語り=