ブログトップの写真は、永井荷風がよく通っていたという浅草の「アリゾナ」です。私が2016年に、荷風ゆかりの場所を訪ねて歩いたときに撮った写真です。
その前に、今年の荷風忌のことについてお話します。
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本番当日は、かねてから雨の予報で心配されましたが、雨はあがりお客様の足元の心配は無用となりました。(私は晴れ女)満席のお客様で嬉しい開演を迎えました。
第10回 荷風忌 の第一部は、言葉を選びつづけるー市川時代の荷風文学」多田蔵人先生のご講演です。楽しみにされている文学ファンの皆さまが楽屋にまで押しかけていました。
今年は3年目の出演。2016年の「濹東奇譚~大江匡とお雪」より、15分ほど絞った台本で同作品を上演させて頂きました。去年は「ひかげの花」。来年は永井荷風、没40周年だそうですので…職員の皆さまと考えてゆきたいです。
今年の1月に市川市文学ミュージアムで開催された『永井荷風展 ~荷風の見つめた女性たち~』でも「濹東奇譚~大江匡とお雪」を上演。こちらはヴァイオリンの喜多直毅氏と『おとがたり』というユニットで出演させて頂きました。ヴァイオリンでの様々な音の語りと朗読での上演で、大変好評を頂きました。男性の声が入りますので、ひとり語りとは違った表現、登場人物2人の気配を感じやすかったのではないでしょうか。
OTO-GATARI http://www.otogatari.net/
~朗読とヴァイオリンの世界~
「おとがたり」公演後ですので、声にしてみますとさらに場面のイメージが膨らんでおり、やはり公演を重ねるということは大切だと実感いたしました。また新たに見えてくることもあり、時間をおきながらこの作品を大切に語り続けたいと思ったのです。
照明がLEDになったということで、涼しいかと思いきや…!やはり舞台上というのは暑いものです(笑)かといってクーラーを入れると冷えるのでこれでよかったのですが。
「珊瑚集」から2編、「ましろの月」「暖かき火のほとり」を読みました。ヴェルレエヌの詩を永井荷風が訳したものですが、ほんとうに美しい音です。流れるような日本語ですでにうたになっています。
日本語の音、というものがあって、昔、森鴎外訳の「ファウスト」を上演したとき、舞台空間に響く言葉に耳をすませました。良く響くのです。この作品はルーマニアとドイツで上演しましたが、帰国後に紀伊国屋サザンシアターでも上演して、そのとき、空間に響く音を聞いてあらためてはっとしたのです。もちろん音質はちがいますが、荷風先生のは流麗に良く響きます。2編読んでいて、心地よかったです。
本編へ「濹東奇譚~大江匡とお雪」今年は不思議な感じでした。大江とお雪が、からだを出入りするような感覚でした。ふつうに語っているのですが、登場人物が自然に出入りする。また次に読むときには、何が起きるのかしらと思います。いずれにせよカドカドと立てずに、荷風先生の自然な語り口で語りたいと思います。そうですね…今年は特に客席のお客様がよく見えましたね。
終演後に楽屋に用意して下さったコナ珈琲
ありがとうございます。甘い香りのハワイの豆
そして終了後に満席の文字の貼られたポスターの前で、「言葉を選びつづけるー市川時代の荷風文学」の講演をなさった多田蔵人先生と。多田先生、大変お世話になりました。声で読み伝えることの大切さをお話し下さってとても嬉しかったです。…三味線を背負ったままで失礼しました…
<アリゾナと大黒屋なきあとは…>
さて、浅草「アリゾナ」というと永井荷風では有名なお店。⇒ 浅草路地裏の隠れた名店。永井荷風が愛した洋食屋「アリゾナキッチン」
冒頭で申し上げたとおり、ここはもうありません。
そして、本八幡の「大黒屋さん」が有名ですが、私は数回行ったかしら。お二階の座敷にも2~3回。1回にも数回。
こちらは、mickyさんというかたのブログですが、掲載写真が「荷風セット」です。かつ丼と、お酒1合、お新香とお味噌汁のセット ⇒https://www.sweets-meister.com/?p=3509
ということで両方ともないので、多田先生にお伺いしますと、先生は即答で教えて下さいました。「ハトヤコーヒーと、アンジェラスですね。」…次はこちらでホットケーキなどいただこうと思います。「珈琲ハトヤ」は、浅草の新仲見世通りとのこと。「アンジェラス」はやはり浅草の昭和21年創業の老舗。今年、いこうと思います。おそらく夏までに。皆様も是非
<市川 荷風忌>
日本を代表する文豪・永井荷風(ながいかふう)は、関東大震災や東京大空襲を体験し、戦後、老境の日々を市川で送りました。1959年(昭和34 )4月29日、自宅近くの大黒家で、いつものようにカツ丼と日本酒を取ったのち、翌30日未明、独りで息を引き取りました。享年79。 荷風の終焉の地、市川市では毎年荷風を偲ぶ「荷風忌」が開催されています。
<浄閑寺 荷風忌>
2018年で60回目を迎える、荷風忌。毎年多くの永井荷風ファンが亡き文豪を悼み訪れるお寺さまです。
一期一会。
皆さま、ありがとうございました。
長浜奈津子の公式サイト
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https://www.nappy-cantactriz.com/
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