銀の河～長浜奈津子のブログ～

＊三つ年上の女優、長谷川泰子と同棲していた中原中也。愛し合っていたものの、泰子は気性の激しく繊細な中也から、中也の友人の小林秀雄のもとへいってしまう。別れても結婚してもなお、心の中に恭子の存在が消えない。お見合いをして、孝子と結婚。文也という男の子を授かり、とても可愛がっていたが、2才で亡くなってしまう。

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　石川啄木

　雨に濡れし　夜汽車の窓に　映りたる　山間の町の　ともしびの色

＊「一握の砂」の「忘れがたき人々」より。函館を去るときにうたったとのこと。函館大火で啄木が働いていた新聞社が焼けてしまい、函館を出ることになった。啄木にとって、函館は良い暮らしがあった街。妹も一緒であった。啄木のお墓が函館山の中腹あたりにあります。夜汽車の窓ガラスに滲んだ、家々の灯りと、函館を離れる心情を雨に重ねた、哀しくも美しい歌。

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　雨の歌　山村暮鳥

　　雨がふる
　　雨がふる

　さびしい雨滴でも聴かうか

　　いや、いや
　　さうだ

　鞭（むちう）つやうに
　蹴（け）るやうに

　　つよく、つよく
　　　　　　はげしく
　　つよく、はげしく
　　　　　　ふつてくれ

＊たたきつける雨、はげしい雨を、もっと、もっと…！有名な「風景純銀もざいく」の山村暮鳥。〜いちめんのなのはな〜というフレーズが、ぎっしり並んだ春の詩がありました。たたき打つ激しい雨の音、もっと聞きたい…もっと！…この「雨の歌」は、躍動的で力強いですね。

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　雨のあと 　金子みすゞ

　日かげの葉つぱは

　泣きむしだ、

　ほろりほろりと

　泣いてゐる。

　日向（ひなた）の葉つぱは

　笑ひ出す、

　なみだの痕が

　もう乾く。

　日かげの葉つぱの

　泣きむしに、

　たれか、ハンカチ

　貸してやれ。

＊雨上がりに、みすゞさん。雨も止んだというのに、お日さまも出てきたというのに、日かげの葉っぱはまだ泣いている。日向の葉っぱはとっくに笑って、涙も乾いている…でも、世の中そんなふうにいられる人ばかりじゃないかもしれません。日かげの葉っぱみたいな人もいるのじゃないかしら。あなたはハンカチを、さしだしますか？

＜おしまいに☂️＞

…ということで、いろいろな雨の詩と短歌を読んでみました。

また季節の詩や歌をテーマにブログでご紹介したいのですが、次は梅雨なのかな？？？また雨ですね (笑)

皆さん、体調を崩さないように気をつけて、気持ちよくお過ごし下さい🌿

長浜奈津子より

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雨の散歩中にみつけた、可愛いらしい紫陽花