2018年 4月29日のブログですが、2021年4月30日、再投稿いたします。
この頃は2年後に世の中にコロナが蔓延することなど想像だにしませんでしたね。
毎年荷風ファンが楽しみで集っていた、浄閑寺の荷風忌。来年には穏やかな春が迎えられますように。
お天気に恵まれた今日、永井荷風先生の命日でした。
六十回目を迎えるという「荷風忌」に市川市文学ミュージアムの皆さんと行ってきました。
こちらの「浄閑寺」は、遊女の投げ込み寺として知られていて、吉原遊郭の近くにあります。
最寄駅は三ノ輪。
浄閑寺さんのホームページ⇒http://www.jyokanji.com/
これは永井荷風先生の、詩碑です。「偏奇舘吟草」の中の「震災」という詩です。
こちらのブログに本文が掲載されています⇒ http://www.midnightpress.co.jp/poem/2007/08/post_4.html
こちらは永井荷風先生の「筆と歯」が収められている「筆塚」
第六十回 浄閑寺「荷風忌」
浄閑寺煎餅を頂きました。さっくりして軽いお煎餅はとても美味しかったです。
会場にはびっしりの荷風ファンで溢れておりました。おそらく毎年来られておられる方たちなのでしょう。熱心に手を合わせていらっしゃいました。毎年、こちらの荷風忌が気になっていましたので、私も今年来られて嬉しかったです。
たくさんの遊女が投げ込まれたとのお寺さん。なんとも言えない気持ちになり、境内をみまわす。樹齢の重ねた木々は、その様子を見ていたのだろうか。私は碑に手を合わせ、しばらくその場に立っておりました。安政の大地震(1855年)多くの遊女が亡くなり、ここにたくさんのご遺体が運ばれた(投げ込まれた)ことから「投げ込み寺」と呼ばれるようになったのだそうです。
ウィキペディア「浄閑寺」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%84%E9%96%91%E5%AF%BA
川本三郎氏の講演「荷風の描いた老人」
大変興味深く、あっという間の1時間半でした。
「すみだ川」「腕くらべ」「つゆのあとさき」「濹東綺譚」「勲章」など、具体的な作品をあげて、わかりやすく、荷風の描いた老人たちのお話を聞かせて下さった。青春小説を書く作家が多い中、その時代に荷風は老人に興味を持ち自分より年を重ねた老人に興味を持ち、作品の中で老人たちをそれぞれ魅力的に書いてきたお話や、当時蔑まれていた、娼婦や踊り子や女給などの女性たちへの優しいまなざしを老人の視点でみて描いていたお話など。作家と文人の違い、永井荷風の文学的特色や魅力を時間いっぱいお話しくださって、とても豊かな時間でした。荷風作品についていつも心惹かれる部分が何であったかよく理解できました。お話の最後に「濹東綺譚」の最後の結び文を読んで下さったのが素敵で、帰りに川本先生に、握手を求めました。
第10回 荷風忌 市川市文学ミュージアム
日本を代表する文豪・永井荷風(ながいかふう)は、関東大震災や東京大空襲を体験し、戦後、老境の日々を市川で送りました。1959年(昭和34 )4月29日、自宅近くの大黒家で、いつものようにカツ丼と日本酒を取ったのち、翌30日未明、独りで息を引き取りました。享年79。 荷風の終焉の地において、今年も荷風を偲ぶ 「第10回 市川・荷風忌」が開催されます。
=長浜奈津子は、ひとり語りにて 「濹東奇譚」を出演させて頂きます=
時間 13:30~15:45 (語りは後半から)
開場 13:00 (整理券配布 12:30)
無料 当日先着220名 (申し込み不要)
会場 市川市生涯学習センター2階グリーンスタジオ
講 演 「言葉を選びつづける市川時代の荷風文学」
多田蔵人氏 (鹿児島大学 准教授)
ひとり語り 「濹東奇譚」 長浜奈津子(俳優座女優)
市川市文学ミュージアム アクセス
市川市文学ミュージアム (市川市 文化スポーツ部 文化振興課)
〒272-0015 市川市生涯学習センター(メディアパーク市川)2階
電話:047-320-3334 FAX:047-320-3356
最後までお読み頂きましてありがとうございました。