1/俺sec

我撮る 故に我在り

二年目の真実

2016-04-21 18:46:21 | 撮影<機材>


細かい好みの問題は撮影者各々あると思いますが、
とかく鉄道写真には有利に働く時が多いAPS-C・7D2のピント精度をチェックしました。
マスターレンズのみの場合はまだしもエクステンダーを付けると途端におかしくなる傾向があり、
弱点を潰して使いこなすより少ない長所を把握してそれに頼った撮り方の方が好結果になる気がしたわけですよ。


因みに使用機材は見出し写真の通り、EF70-200mmF2.8L IS2 USMにEXTENDER*EF1.4の3型。
最終的な狙いがピント斑を失くす事だったので絞り込んだり開けたりで露出セットはバラバラです。
AFモードもONE-SHOTの単発合焦やAI-SERVOの場合は二種類の領域拡大とゾーンAFを試しました。


で、サンプルとして火曜・水曜と二日間撮った1093列車で検証してみますとね、、、



1:122号機牽引の火曜日

AFモード:AI-SERVO
測距エリア:ゾーンAF(何となく)
詳細設定:CASE1(最も鉄道系向きだから)
追従特性:マイナス2(粘ってほしいから)
AFアジャスト:+20(目一杯後ピン方向)
露出:1/320sec f7.1(テストでもピンぼけは嫌なのでパンフォーカス気味に)





2:121号機牽引の水曜日

AFモード:AI-SERVO
測距エリア:ゾーンAF(同じモードじゃないと分からない)
詳細設定:CASE1
追従特性:マイナス2
AFアジャスト:+7(アジャスト量+20で如実に変化した為ヤマ感とおまじない程度に)
露出:1/500sec f5.6(そうそう絞れる状況など無いかもしれないという想定で)


上の縮小画像だと分かり難いでしょうが、121号機のナンバーに比べて122号機のそれはボケ気味で、
下の等倍画像の通りホイッスルや統一無線アンテナがボケて後ろの架線柱にピントの芯が来ています。
それでも普通っぽく見えるのは自連やパンタ等、一つ一つが大きいからピントが来ているように見えるだけです。

両日で違うのはピントアジャスト量と絞り値で、それ以外は同じなわけですが、
ただでさえ少ないボケのAPS-Cで尚且つ開放から2段近くも絞ったf7.1でパンフォーカス気味にも関わらず、
ピントの芯は機関車の顔より実は後方の貨車との連結部分辺りにシフトしています。





まず下の122号機の写真を見ると機関車の顔を見るまでもなく明らかに架線柱にピントが来てます。
これはマイクロピントアジャストメントの効果の割合を探るために意図的に+20まで振っただけで、
ちんたらぽんたらシフトするよりも思い切って両極端にシフトすれば傾向が分かり易いから。









121号機担当の水曜日はと言うと、架線柱も陽炎で害されている事もあるけど
パンタのディティールに関しては火曜日の写真よりも明らかに描写できています。
列車接近時が等速度である事を踏まえると、この場合はAFアジャスト効果が現れたと言えるし、
レンズとのセットで個体差はあっても全体的にはデフォルトで前ピン気味だったんでしょう。





ナンバー部分では、やっぱり火曜日のAFアジャスト量+20だと後ピン過ぎて鮮鋭度が低くエッジが立ってない。
単なる動体ブレ?とも思いましたが80km/h位でフルサイズ換算450mm弱である事を踏まえると考え難いわけ。









一方、水曜日はと言うと後方のベージュ色の建物のサッシ部のボケ量が火曜日に比べて大きいので、
間違いなくマイクロピントアジャストメントはこんな遠距離や焦点距離でも効果はあるし、
しかも全般的にワタクシの7D2に限って言えばデフォルトで前ピン気味だったと言えるわけです。







で・・・・




前ピン前ピンってお前さっきからうるさいけどどれくらい狂ってたの?って話ですが



もう等倍にするまでもなく、この時点で大変誠に非常にスーパーウルトラおかしい。
シャープネスは3で通常のバチピン画像と同じ量を掛けてますが、それでも尚この見え具合です。




念のため等倍にするとこんな具合です。



一番手前側でこの有様なので、構図の角度上多少遠景になる列車側の線路はもっと酷い事態に。
ウンチングスタイルで撮ったので陽炎が出てるからとか、そうゆう問題じゃなさそうです。




で、何故こんなに前ピンなのか、それこそ下衆の勘繰りという奴で考えたんですけど、
列車の速度が100km/hだろうが新幹線クラスの200km/h超だろうが然程の問題ではなく(多少は関係する)、
要するに7D2が遅いと感じたか速いと感じたかで追従度が変わってくるのではないかという事。
だから文字通り、動体を予測し過ぎてAFが先走り、まだ居ない位置に居ると判断したのではないか。





まぁそれにはレンズの焦点距離や列車に対する光軸の角度の関係も絡んでくるので、
まだそこに居ると判断させるにはゾーンAFで情報量を増やしたり(実際、領域拡大より好結果だった)、
ONE-SHOTで半押し連発でタイミングを計り、ここ!という位置の全押し撮影も役立つと個人的には思います。









これもヘッドマーク部分の反射したレールに引っ張られずによくぞ合焦したなぁという。
ガラスに写ったレールに反応すれば、理屈的には途方も無いほどの前ピンになるわけですから。

この頃はAI-SERVOを疑っていたわけではなくEOS5QD(←クオーツデートの略。銀塩ねw)時代から常用していた、
先に述べた半押し連打でタイミングを計る撮影方法で撮ったのがこの一枚で、こんなにピントが来てます。









この時、白い砂嵐とも粉塵とも言えるレベルの降雪で、前玉に付着した粉雪を綺麗に落とすのも時間が掛かるし、
ならば、けがの功名あるいは災い転じて福となすでソフトフォーカスを掛けた画を咄嗟に目論んでみたわけ。
編成番号数字の3102と快速エアポートの幕、その上のホイッスルを見てもらえば分かりますが
このそれぞれのエッジが立った描写の通り、ONE-SHOTでこんな環境下でもこれだけ合焦が可能なわけ。

加えて、この列車の前に来た「スーパー北斗」がAI-SERVOで結果が芳しくなかったので、
「ホニャララとハサミは使いよう」とやらでAI-SERVOを捨てての撮影に至ったわけです。





ただ、7D2に限らずAPS-Cの弱点というか特徴でボケ量が少ない事があげられます。
一番最後の721系のようなコントラストの低い状況では目立ちませんが、
その上のキハ283系や今回AFアジャストメントのまな板に乗ってもらった1093列車等は、

・天候晴れ
・背景が建造物でメリハリ強
・絞り気味でパンフォーカス

以上の項目が留めを指したようで、パッと見には非常にウザい画となってしまいました。
この辺のサジ加減を次回から踏まえて「北斗」のリベンジに挑戦したいと思います。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。