太陽系の外にある惑星はどんなところなのか そして、生命は存在するのだろうか
私たちは孤独なのか それとも、地球外に仲間はいるのだろうか
国立天文台のすばる望遠鏡を使って挑む
太陽系外惑星探査プロジェクト室 田村元秀
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=藤谷清美(国立天文台) & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 田村元秀 : 第三回 かつて太陽は連星だった!? =1/2= ◆◇
すばる望遠鏡では、コロナグラフと補償光学装置を使って、太陽系外の惑星を直接観測できるようになった。このことの凄みは、初回に説明した。なにしろ、きちんとした像として、惑星を捉えるわけだから、引き出せる情報量が増すし、あらゆる意味で説得力が違う。
それに加えて、もうひとつ直接観測のメリットがある。主星を見るだけの間接的な観測法では絶対に分からないこと。つまり、惑星のあるなしに関わらず、主星の周囲の状態を観察できるということだ。
と書くとなんだかややこしいが、要するに、これまで観察されたことがなかった「恒星のまわり」には、興味深いものがたくさんある、のである
とりわけ、まだ惑星ができる前の状態、つまり、いわゆる“原始惑星系円盤” の観測は、田村さんの研究チームの主なテーマのひとつになっている。これも、すばる望遠鏡が、世界に先んじて、成果をあげている分野だ。
「ほかの望遠鏡ではこんな画像は撮れないというのが撮れるようになってきています。以前のCIAOやこれまでのコロナグラフでは、主星のまわりに“原始惑星系円盤”があって、その外側に模様があるという程度は見えていたんです。HiCIAOでは、いろいろな恒星のまわりの円盤で、隙間があったりとか、濃いところ、薄いところがあるとわかってきています」
“原始惑星系円盤”とは、若い恒星の周囲を取り巻く濃いガスが回転してできるもので、そこから惑星が生まれてくると考えられている。
ぎょしゃ座AB星と呼ばれる年齢100万年程度の若い恒星のまわりの画像を見せてもらった。
2004年に前代のCIAOで撮影したものと、現在のHiCIAOで撮影されたものでは、まったくディテールが違う。内リングと外リングと二重のリングがあり、その間にギャップがあるのも見て取れる。ギャップの位置に巨大な惑星ができているかもしれない、というのが田村さんのチームの見立てだ。100万年の若さの星にすでに惑星が出来ているとしたら、これまで1000万年以上はかかるとされていた惑星形成モデルに新たな課題が出されたことになる。
・・・・・・明日に続く・・・・
■□参考資料: 系外惑星とは何か?(1/2) □■
系外惑星とは何か?
太陽系の外にある恒星を周回する惑星を、太陽系外惑星(系外惑星)と呼びます。
確実な系外惑星は1995年にペガスス座51番星の周りで初めて発見されました。中心星をわずか4日程度で一周する、木星の半分ほどの重さの系外惑星でした。中心星との距離が近いため表面温度は1000度を超える灼熱の惑星で「ホットジュピター」と呼ばれます。
ホットジュピターの他にも、楕円を描きながら恒星を周回する「エキセントリックプラネット」や、地球の数倍程度の大きさの「スーパーアース」など、太陽系のどの惑星とも似ても似つかないものも数多くあり、発見された個性的な系外惑星たちは、私たちに多様な姿を見せてくれています。
当プロジェクト室で進めている直接観測(後述)もまた、太陽系の惑星とは異なった姿をもつ惑星を発見しています。これらは、木星の数倍〜十数倍もある巨大惑星が海王星よりも遠くにある惑星系です。
系外惑星探査の意義
この広い宇宙の中で、で私たち人類は特別な存在なのでしょうか? それとも、生命が育まれているような第2の地球は存在するのでしょうか?
◆ ハワイ・マウナケアから見た宇宙 2/3 ◆
・・・https://youtu.be/WTgvmev3am4・・・
これは、天文学者の興味だけでなく、多くの方々が広く抱かれる疑問だと思います。事実、地球以外の惑星・生命の探査は古くはギリシャ時代の哲学論争から始まる人類の夢でした。そして、1930年代以降から系外惑星探査の試みがなされましたが、そのことごとくが失敗に終わっていました。
SF小説や映画の世界では様々な宇宙人が想像たくましく描かれましたが、科学の世界では逆に、地球外生命に対して悲観的な見方が支配的になっていたと言えるでしょう。
しかし、生命の母体と言える惑星を太陽系外に求めるプラネットハンティングは1970年代以降、観測技術が飛躍的に向上し、成功への機は熟しつつありました。太陽から地球までは光の速さで約8分ですが、最も近い恒星までは約4年もかかるので、太陽系内の8つの惑星と比べるとはるか彼方にある天体です。
そのような遠方にある系外惑星の検出は、従来の天文観測手法と比べるとはるかに高い性能を要求します。とりわけ、惑星による恒星のふらつきをとらえる分光観測は、間接的な方法ながら最初に惑星検出が可能なレベルまで到達しました。そしてついに、1995年の確実な系外惑星の発見により、宇宙における生命の研究につながるパンドラの箱が開かれました。
◆ 原始惑星の巨大衝突 ◆
・・・https://youtu.be/Y9aN59dsUUc・・・
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