【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

「90億人の食」、食に纏る世界の話題 =009=

2019-07-15 05:57:41 | 浪漫紀行・漫遊之譜

≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡

= 食肉は将来、どんな風に作られるようになるだろうか =

 ここに一つの未来図がある -

【この企画はWebナショジオ_2014年4月~2014年12月期、35回記載に追記・補講した】


◇◆ 開発が進む人造肉、地産地消で支持は得られるか =1/3= ◆◇

 肉は、巨大なバイオリアクター(生物反応装置)で幹細胞を培養して製造される。幹細胞は、この食肉工場の脇でのんびりと暮らすブタから採取したものだ。ときおり技術者がブタに針を挿して検査し、肉好きな村人がブタと触れ合いながら、培養肉を買っていく・・・。

 この未来図は、学術誌『トレンド・イン・バイオテクノロジー』の6月号に掲載された論文に、少々アレンジを加えたものだ。論文の執筆者はオランダ、ワーヘニンゲン大学の哲学者コル・ファン・デル・ウェーレと生体工学者ヨハネス・トランパー。彼らは、現代の食肉生産が、地球や家畜そのものに与える影響を懸念している。

 地球と家畜を守りながら、肉好きな人が食べてくれる代替品を提供する方法として、彼らが提唱するのは、培養肉を地域ごとに小規模生産することだ。
 工場と化した養豚場でブタを育てて食肉処理する今の生産方法のかわりに、「ブタは生きた細胞バンクになる一方で、私たちに動物、つまり食べ物の源と常に触れあう機会を提供してくれるのです」と、ファン・デル・ウェーレは電子メールを通じて説明した。

 ひと言で言うなら、我々は自分たちのブタ(あるいはウシやニワトリ)を飼いながら、同時にその動物たちを食べることができるというわけだ。

各国で進む人造肉開発

 食肉が不評を買う一方で、代替肉には注目が高まっている。世界中で食肉の需要が急増するなか、国連食糧農業機関(FAO)からビル・ゲイツにいたるまで、誰もがこぞって訴えるのは、「食肉はじきに消え去る運命にあり、少なくとも現在の製造方法を続ける限り望みはない」ということだ。

 ゲイツは、米国ミズーリ州の新興企業ビヨンド・ミート社に出資している。同社が作る人造鶏肉は優秀で、ニューヨーク・タイムズ紙の専門記者も本物と間違えたほどだ(鶏肉はブリトーの具として供された)。ビヨンド・ミート社の製品は、大豆とアマランサスを原料に、極秘の特殊加工をほどこすことによって、鶏のむね肉が持つ繊維の感触を再現している。

 同じくミズーリ州の新興企業モダン・メドウ社は、人間の臓器を再生するために開発された医療技術を使って、動物の筋細胞から肉を培養する試みを始めている。この方法は、地上の畜産の替わりになることはもちろんだが、同社が市場として見据えているのは、長期の宇宙ミッションだ(宇宙に家畜を育てる場所はないだろう)。 ・・・・・・・つづく

//////参考資料///////

◎ 参考資料 :人造肉(1/4) ◎

人造肉(じんぞうにく/artificial meat): 

植物などを原料として肉様に加工した食品。土地を用いず,工業の力で水や空気から食料を製造することは人類の長い間の夢であった。とくに,先進工業国の多くは自国で必要とする食料を自給できず,輸入に頼ることが多く,つねに技術開発の対象となってきた。この試みは,2回の世界大戦の主役となったドイツにおいて大きな発展を見た。すなわち,第1次世界大戦の直前に,空気中の窒素を固定しアンモニアにする技術が開発され,第2次世界大戦時には,このアンモニアと廃物であった廃糖蜜に酵母を殖やし,微生物タンパクを得る技術が開発され,人造肉の原料となるタンパク質の製造の目途が開けた。

人造肉は動物質以外の原料からつくられ、肉に似た味・舌ざわり・栄養等をもつ加工食品。大豆,小麦等のタンパク質をアルカリ処理して液状とし噴出させて繊維状としたものなどがあり,歯ごたえは肉に似ている。これに色素,調味料,香料,結着材等を加えて加工,肉類に似た形に仕上げる。多くはハム,ソーセージ,かまぼこ等に混入使用され,栄養価がありコレストロールを含まないことから病人食等によい。

<話題の焦点>=開発進む人造肉は将来の有望テーマか

途上国や新興国の経済成長を背景に、2050年に世界の総人口は現在の76億人から90億人を突破すると予測されている。当然、食糧の需要も増加しているが、特に増えているのがタンパク質の需要だ。

 新興国では、豊かになった消費者が肉の摂取を増やし、子どもにより多くの乳製品を与えている。一方の先進国では消費者の健康志向の高まりで、パンやシリアルなどの炭水化物を減らし肉や卵といった動物性タンパク質を増やす傾向にある。タンパク質の世界需要は50年には現在から倍増するといわれており、これへの対策が急務となっている。

 一方で、こうしたタンパク質の需要拡大に対して、従来の家畜型の食肉生産では対応できないという見方が増えている。飼料の製造・加工過程や家畜の排せつ物などから発生する温室効果ガスは温暖化の主な原因ともなっており、環境意識の高まりから従来型の畜産業を大きく拡大させるのは難しい。また、健康志向の高まりや動物愛護、宗教的要素などからくる逆風も年々厳しさを増している。

 こうしたなか、活発化しているのが「人造肉」への取り組みだ。日本企業ではまだ少ないものの、世界的には植物性食品だけを材料とするハンバーガーや、幹細胞から動物組織を培養する研究室育ちの肉まで、米国を中心にさまざまなスタートアップ企業が存在する。

 例えば、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏傘下のベンチャー・キャピタル(VC)や香港の長江実業創設者の李嘉誠氏傘下のVCが出資する米インポッシブル・フーズは、大豆などに含まれる肉独特の味を再現する成分に着目し、味はもちろん肉独特の匂いや肉汁まで、大豆や小麦、ココナッツオイルなどの植物性食品で再現している。米国では既にこうした人工肉が大手スーパーやハンバーガーショップで販売され、一部ではヒット商品になっているという。

 日本企業では、みそで有名なマルコメ(長野県長野市)などが大豆を使った人工肉を手掛けているが、本格的な取り組みはまだこれからといったところ。ただ、インポッシブル・フーズ同様に植物由来の人工肉を使った「ビヨンド・ミート」を手掛ける米サベージ・リバーには三井物産が出資しており、今後もこうした米ベンチャーへの出資や提携などのケースは増えそう。また、将来的に培養肉の研究が進めば、バイオベンチャーなどの活躍の場も広がろう。

 ・・・・・・つづく

_ The Meat of the Future: How Lab-Grown Meat Is Made _

・・・・・・ https://youtu.be/u468xY1T8fw ・・・・・・

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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1 コメント

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ありがとうございました (yumenonaka)
2019-07-16 17:04:23
フォローしていただきましてありがとうございました。
気ままな撮り歩きを綴るブログですがよろしくお願いいたします。
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