リンとキョータロー “大航海時代Ⅳ ~PORTO ESTADO~”より

男伊達 恋と友情
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画像:海をわたった日本人

第73章 エンディング (ユキヒサの手記)

2012年07月25日 | 日記
・証を見つけ終わったのだから早く戻って来いとの両親の意向に沿うべく、艦隊はシラクサからセビリアへ急行した。

・メルカード嬢は、まだイスタンブールへは行ったことがないからと不満げであったが、
 両親をあまり心配させるものではないとキョータローがいさめた。

・港まで迎えに来た両親の元へむかうメルカード嬢は幾度となく、キョータロー殿のほうを振り返る。
 提督は、くしけずった髪をたなびかせながらじっと見送っておられた。

 無作法にならぬよう一同に背を向け艦長殿に寄り添うように立っていたリン殿が、気遣わしげに何事かささやいた。
 その言葉に促されたかのようにキョータロー殿がやおら呼びかけた。「セシリア」と。

・メルカード嬢は、髪にさした紫の花にも、服のすそ飾りにあしらった紅い花にも負けぬ笑顔を浮かべて、走り寄ってきた。

それを見たテオベルト殿はエステファニア夫人の肩に腕を回し、娘に祝福の言葉を送った。
夫人も穏やかな笑顔を浮かべて、「たまには帰ってきてね」と送り出された。
やはり若くして熱烈な恋により結ばれたと言うご両親だけあって、娘の結婚には寛容であると感服いたした。

・ひしと抱きあったお二人の耳には、水夫達の歓呼も聞こえぬようであった。

・後日、アルブケルケ殿の仲介により、教会で結婚式をあげることができた。
 拙者とリン殿とで 花婿の介添え人なるものを引き受け、イファとクリスティナが花嫁の付き添いとなった。
 当然の如く シャルルはとっておきの号砲をはなち、マヌエルは祝いの詩を献じた。

・今では 帆桁の上は若夫婦の語らいの場である。


(お・ま・け)
「リン殿、何を読んでおられるのだ?」
「産婆術だ」
「なんと 気の早い。しかし、セシリア殿の出産には、イファ殿が立ち会われたほうがよいのでは?」
「心配せずとも、覇者の証を、クンティワイラスやウッディーン達の元に届け終われば、キョータローのことだ、
 ちゃんとセシリアを母君のところへ送り届けて、和子の誕生を待つであろうよ。」
笑いながら本のページを開いて見せ
「おれが 取り上げようとしているのは、ソクラテスなる男の弁明だ。
 1000年も前のギリシアで、弟子を啓発することを産婆術と称した男がいたのだ。」
                                             完!

      画像 :祝! Felicitaciones en matrimonio! En felicidad!
                  (結婚おめでとう! お幸せに!)

         (大航海時代Ⅳ PORTO ESTADO パワーアップキット より)