・私の名は、リンシエ(謝令)。26歳。
マカオの学者の家系の出身だ。
末っ子の私は、運試しをすべくマラッカに行き、ベレイラ商会の通訳兼会計係となった。
商才を認められ、今回初めて商船団の提督を任されたのだが、
マニラを目指す途上季節はずれの嵐にあい、積荷を失った。
幸い、水夫達は皆無事。積荷は失ったが、水と食料は守り抜くことができた。
風が凪いだ後、波間に漂う一艘の小船を見つけた。
・俺は佐伯杏太郎。杏太郎と書いてキョータローと読む。
九州男児 25歳だ。
オランダ船や明国・朝鮮・琉球から来る商人たちを見て育った。
村のくらしは、異国の商船と取引できる品々の生産や取次ぎのために 日々変わっていく。
あぶく銭をつかんで、その日暮らしを続ける者。
儲けばなしにだまされて一家離散する者。
宣教師に乗せられ、家族を捨ててしまう者。
働き手が、運試しに家を離れ、女子供だけでほそぼそと生計を維持する家。
そんな浮き沈みの激しい毎日でも、なんとか堅実に暮らそうと勤める者がむくわれる村となるよう、
父はあれこれと心を砕いていた。
ある夜、剣戟の音で目覚めた。夜襲だ。
激しい雨脚にまぎれ、完全な不意打ちであった。
目覚めた時すでに遅く、多勢に無勢、
父の命に従い、家宝の着物を羽織って小船で脱出するのが精一杯であった。
おりしも、雨風は強く、進路を南に保つのがやっとのこと、
いつしか俺は疲労のあまり気を失っていた。
画像 :リンシエ
リンはやっぱり本を手にしているのが似合うと思う。
(画像の出典は もちろん コーエーさんです。
ROTA NOVAで遊んでいる皆さん、PORTO ESTADOもよろしく)
マカオの学者の家系の出身だ。
末っ子の私は、運試しをすべくマラッカに行き、ベレイラ商会の通訳兼会計係となった。
商才を認められ、今回初めて商船団の提督を任されたのだが、
マニラを目指す途上季節はずれの嵐にあい、積荷を失った。
幸い、水夫達は皆無事。積荷は失ったが、水と食料は守り抜くことができた。
風が凪いだ後、波間に漂う一艘の小船を見つけた。
・俺は佐伯杏太郎。杏太郎と書いてキョータローと読む。
九州男児 25歳だ。
オランダ船や明国・朝鮮・琉球から来る商人たちを見て育った。
村のくらしは、異国の商船と取引できる品々の生産や取次ぎのために 日々変わっていく。
あぶく銭をつかんで、その日暮らしを続ける者。
儲けばなしにだまされて一家離散する者。
宣教師に乗せられ、家族を捨ててしまう者。
働き手が、運試しに家を離れ、女子供だけでほそぼそと生計を維持する家。
そんな浮き沈みの激しい毎日でも、なんとか堅実に暮らそうと勤める者がむくわれる村となるよう、
父はあれこれと心を砕いていた。
ある夜、剣戟の音で目覚めた。夜襲だ。
激しい雨脚にまぎれ、完全な不意打ちであった。
目覚めた時すでに遅く、多勢に無勢、
父の命に従い、家宝の着物を羽織って小船で脱出するのが精一杯であった。
おりしも、雨風は強く、進路を南に保つのがやっとのこと、
いつしか俺は疲労のあまり気を失っていた。
画像 :リンシエ
リンはやっぱり本を手にしているのが似合うと思う。
(画像の出典は もちろん コーエーさんです。
ROTA NOVAで遊んでいる皆さん、PORTO ESTADOもよろしく)