おはようございます。
テキストで『なるほど~~~』とおもった文章を見つけたのでそれを紹介します。
『オグゾンの物語』
ある日、本部上層の営業部長が、営業課長全員に対して、ある通達を出しました。
そこには、『今期のノルマは1億円だ。きみたちなら必ずできるはずだ!
売って、売って、売りまくれ‼』
と書いてありました。
この通達を受け、各地の課長たちは営業マンたちを集め、
動機づけの為のミーティングを開きました。
そうしてこう言いました。『今期のノルマは1億円だ!君たちは我が社の創立以来、
かつて見ることがなかったほど優秀なセールスマンたちではないか。
さあ、行ってこい、売って、売って、売りまくれ、君たちならできる!!』
さらに、各セールスマンに対して、こうアドバイスしました。
『今期の終わりまでに、何か手に入れたいものの写真を一つ切り抜いて、
それを机の上に貼っておけ。そうすれば、君たちが何のために働いているのか、
毎日、毎日思い出すことができる。さあ、行ってこい!!』
オグゾンはすっかりその気になっていました。『俺は優れた営業マンだ。たくさんお金を稼ぐぞ』
彼は自分自身にこういい聞かせました。
そして、高級車の写真を切り抜き、その写真を彼の机の上に貼り、
こう言い聞かせました。『俺は、これの為に働いているんだ。』
オグゾンは、一番いいアタッシュケースの中に営業道具を入れ、
彼がもっているスーツの中でも、一番良いスーツを着て、
会社で一番早く走る自転車を選び、営業に出かけました。
オグゾンは曲がりくねった道を、走行するのには慣れていませんでしたが、
それでも、全力でペダルを踏みました。しかし、霧の立ち込めた道に差し掛かると、
避ける間もなく、自転車が溝にはまって転倒してしまいました。
オグゾンはどうしょうもない姿で転倒している自転車のそばを、
悲しく離れていくことしかできません。
そうして、ほんの数歩進んでいったところにで、オグゾンは、半分ぐらい地面に
埋まっている何かにつまづきました。よく見ると、それは、古い真鍮のビンでした。
そのビンの栓を抜いてみると、ビンの中から煙が出てきました。
そして、その煙は精霊の姿に変わり、オグゾンにこう尋ねたのです。
『どこに行くのですか?』
『たくさんのお金を稼ぎに行こうとしているんだ。』
オグゾンは自信たっぷりにこう言いました。
『あなたは、幸運の持ち主だ』精霊は答えました。
『私をこのビンから出しくれたお礼に、羽の生えた馬を差し上げます。
この馬があれば、目的地にもっと早くつけますよ。』
『それは、素晴らしい』そう言うと、さっそく羽の生えた馬にまたがり、
前よりもずっと早く飛んでいきました。
しかし、その馬は昔、サーカスの舞台でぐるぐる回っていた経験があるので、
ぐるぐると回って、とぶことしかできません。
これでは、使い物にならないので、オグゾンはもう一度、精霊を呼び出しました。
精霊はいくぶん面倒くさそうに言いました。
『私をビンから出してくれたお礼に、魔法のじゅうたんをあげます。これがあれば、
もっと速く行くことができますよ。』
オグゾンは今までにない速さで飛んでいきました。
しかし、どこに飛んでいってしまうのか。
魔法のカーペットは突然方向を変えたりします。
まるでジェットコースターに乗っているみたいです。
これでは、使い物にならず、また、精霊を呼び出しました。
すると、精霊はまた、面倒くさそうにこう言います。
『私のビンの中に入ってください。そうすれば、どこにでも一瞬で行くことができますよ。』
『それはいいですね。』
オグゾンはこう言って、すぐにビンの中に入っていきました。
しかし、オグゾンがビンの中に入ると精霊はビンに栓をしたのです。
それ以来、オグゾンの姿を見たものはなく、風の便りもありません。
この寓話には、いくつかの教訓が含まれています。
例えば、こんなことなのかもしれません。
『もし、あなたが、どこに行こうとしているのかはっきりしていない、
あるいは、そこに到達するための一番よい方法が何なのかが、
はっきりしていなければ、どこか全く違ったところに行きついてしまうのも、無理はない。』
方向性を明確に示すことができなければ、人々は霧にまかれたり、空回りしたり、
ぐるぐると同じところを回ったり、ジェットコースターに乗るような状況に陥ってしまいます。
あなたは、今、あなたのゴールにどうやって向かっていますか?