一陽来復~近藤聡彦のファゴットブログ~

ニューヨーク帰りのファゴット奏者が綴る下関音楽日記

ヤスリの探求

2023年08月02日 | リード
「リードを削るのにもっと使い勝手の良いヤスリが欲しいなあ
でもここら辺のホームセンターの品揃えでは全然役不足だし、
ネットだとヤスリの目がどれくらい立ってるかよく分からない。
説明文と販売サイトに載ってる小さな画像を頼りに注文したら、
思ってたよりすごく大きいのが届いたり

でも最近ちょっと役立ちそうなのを見つけた。
これは本来プラモデル用らしいけど、ハートや先端を削るのに良さそう

大体ヤスリの目って荒目、中目、細目、油目って感じらしいけど、これは精密目
こういうのって統一規格とか無いのかな?
片面だけにヤスリが付いている先細背取。
ヤスリ面は平面。

そして仕上げに使えそうな極油目。

目が細かくてほとんど鉄の板みたい

一番上のと下のが今使ってるヤスリで上から下へ目の細かい順。
でも上の二つはあまり変わらないような?
一番上のはニューヨーク時代から使い込んでるやつなので、
長年の間に目が擦れて細かくなってるのかも
上下二つは160ミリ。中二つは140ミリ。

そして粗削りから仕上げていく時に使えそうな三角のヤスリ。

今度のShimonoseki Bassoon Daysで、
みんながリードを作る時に使えそうなので複数購入

しばらく使ってみよう
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過去最高値!

2023年06月30日 | リード
イタリアからケーンが到着。
注文から下関到着まで1週間
ヨーロッパの物流は完全に回復したみたいだな。

あれ?いつもよりオマケが多いような

注文したかまぼこ型ケーン200枚に加えて、
更にかまぼこ型13枚とシェープドが10枚も
在庫がだぶついてるのかな?
まあイタリア人はそこら辺は大まかなんだろう

しかし今回のケーン代は今まで購入した中で一番高かった
戦争のせいもあるけど円安がキツい。
日本は多くの物を輸入に頼ってるのに、
この円安をいつまでほっとくんだ?
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「仕上げ」には時間がかかるよ

2023年05月15日 | リード
以前のブランクリード完成の工程は、
「粗削り」→「ブレークイン(試奏)」→「仕上げと微調整」で、
最後の「仕上げと微調整」の段階ではもう楽器にリードを付けて、
音を出しながらやってたけど、
最近は「仕上げ」と「微調整」は完全に別工程になってきてて、
楽器に付けて吹きながらやるのは「微調整」の時だけになってきた。
まあそれだけ手数が増えてる訳なんだけど

ブレークインの後、しばらく寝かせて一度乾燥させてから、
ダイヤルインジケータで測って、完成サイズより膨れた箇所にマーキング。

マークした箇所をヤスリで削って完成サイズに持って行く。
0.01ミリは誤差の範囲だと思ってるけど、0.02ミリ違ってたら削ってる。

スムーズな発音の為に、両面の角4カ所を紙ヤスリで削る。

ティップがフリーに振動出来るように、ハート先端の形を整える。
見ての通り、耳掻き一杯も削らない。

細かい隆起を面一にしていく。
ニューヨークの恩師ヒンデル先生曰く、
「顕微鏡で見たら小さい凸凹がいっぱい有るに違いないから、
 それを均一にならすつもりで。」

最後に緩んだ2番ワイヤーを締め直す。
あんまりしっかり締めると振動を止めるので、丁度良い加減が難しい

よし、「仕上げ」が出来た。
ここからようやく楽器に付けて吹きながら、
それぞれのリードの材質や個性に合わせて1本ずつ「微調整」。

自分でこれ書いてて思ったけど、時間掛かる訳だわ
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昼までに20本!

2023年04月24日 | リード
この前カンナ掛けしたケーンを丸めますよ~。

先ずは3本のワイヤーを掛ける位置に印を付ける

次に1番ワイヤーから下に縦線を入れる。
僕は丸めた時に中心がズレるのは嫌なので奇数本入れてます。

裏面の両サイド、2番ワイヤーから下を面取り
これでチューブの端が丸くなりやすくなる。

面取りしたらケーンを中心から二つ折り。

割れ防止のたこ糸を巻いてからロングのマンドレルを差し込み、
ペンチでチューブ部分を丸めていく。

丸めながらワイヤーを定位置に3本掛けて締める。

1番ワイヤーと2番ワイヤーの間は7ミリ。
これより短いと音程や響きが高くなってくるし、
長いと真ん中のミやド♯がぶら下がる弱いリードになってくるみたい。
これはニューヨークの先生達と意見が一致

全部締めたら完成
ここまでで大体6分くらい。
だいぶ手早く出来るようになった
さあ、残りも丸めよう。

出来た・・・
1本6分ならそのペースで10本60分かといったらそれは無理。
そんなに集中力もたない~

ここで1日以上放置して乾燥させ、この形に馴染んでもらう。
ニューヨークでは一晩で乾いてたけど、下関ではそうはいかないね

次は糸巻き。
いいリードが出来ると良いなあ
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昼までに20枚!

2023年04月21日 | リード
最近ブログはサボり気味ですが、リードは毎日作っています
一晩水に浸けておいたケーン20枚。

先ずはシェーパー掛け。
シェーパーにはケーンを二つ折りにして型を取るフォールディング式と、
折らずにそのまま型を取るフラット式の二種類があります。
上が僕が今使っているフラット式、下が昔使っていたフォールディング式。
フラット式はカンナ掛けの前に、フォールディング式はカンナ掛けの後に型を取ります。

シェーパーの間にケーンを挟んで、はみ出ている部分を削ります

「横からも見て、ちゃんと中心に来ているか慎重にチェックするように。
 もうここから正確なリード作りは始まっている。」とは、
ニューヨークの恩師であるキムの教え

真ん中に挟めたのを確認したら、型に沿ってカッターナイフで削ります。
カッターの刃がよく切れる方が横の線がきれいに削れるので、
頻繁に刃を折りながらやってます。
ナイフを研ぐより簡単なので長年カッター派

さあ、シェーパー掛けも終わったから、20枚カンナ掛けるぞ

出来た・・・
20枚削って削り屑はこれくらい。

ここまで大体2時間半くらいかな。

ファゴット吹きの日常でした
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硬さ計測

2023年03月22日 | リード
しばらく放置していたこのケーン達を、
そろそろ何とかしなきゃ

先ずは硬さを測る。硬度計の出番

今回測るのは204枚。時間も結構掛かる

測り終えたら1枚ずつ硬さと日付を書き込む。

今回は柔らかいのが多くて硬いのが少ないみたい。
僕は柔らかめのケーンを主に使っているからこの方が助かる。
硬いケーンが好きな人もいるけど、
硬いケーンでどうやって柔らかい音を出すんだ?

結果発表
149勝55敗で柔らかいケーンが圧勝
半分くらいダメな時もあるから今回は結構良い方

これで硬さは分かったけど、材質は作ってみないと分からない。
いいケーンだと良いなあ
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ケーンがまた値上がり

2023年02月07日 | リード
イタリアのメーカーに注文したケーンが、
下関の我が家に今朝到着
いつも思うけどよくこんな簡易な包装で、
ヨーロッパからポンと届くよなあ。

いつもの「thank yuo」

開封の儀。
前回買ったのは去年の夏だから半年でまた値上がり。
円はちょっと落ち着いてるけどユーロが強い

だからって安易にリード値上げって訳にもいかないし苦しいところ。
おまけのプロファイルドも枚数減ってる

これでまた硬すぎたり柔らかすぎたりして、
半分くらいは使えないだろうからなあ。
良質なケーンであることを祈るのみ
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春の新色が入荷

2023年02月05日 | リード
リード糸がだいぶ減ってきたのでまとめて購入。
赤とピンクは今まで通りとして、
ラインナップに久しぶりに紫色を追加。
紫といってもパープルじゃなくてラベンダー

粗削りの在庫がしばらくあるので、
みんなの手に届くのはまだ何ヵ月か先だけどね
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スロートリーマー導入!

2022年12月26日 | リード
リードの2番ワイヤーはしっかり締まってないと、
ブレードの振動がちゃんと楽器に伝わらないので、
音のフォーカスがボケたり、レガートが途中で途切れたりしやすい。
リード完成までには何度も緩むので、その度に締めるんだけど、
何度も締めてると2番ワイヤー周辺のチューブ径がどんどん細くなる。
チューブ内の容積が狭くなるし、何か良い手はないものか

これはニューヨーク在住時に入手したスロートオープナー。
チューブに差し込んで、狭くなったチューブ内を押し広げる道具。

狭くなり過ぎたチューブの径を戻すには良いんだけど、
内側から押し広げるのは結構力がいるし、
ワイヤーのバランスも変わるので吹奏感がだいぶ変わってしまう。
という訳でだんだん使わなくなって・・・
みたいな道具が他にもいっぱいあるんだけど

そこで見つけたスロートリーマー
説明を読むと良さそうなので、
この円安ながらも待ちきれずアメリカの楽器屋さんに注文。
そして2週間後、下関に無事到着

直ぐに開封の儀。久々の新兵器投入
おーこれか~

説明書によると1番ワイヤーと2番ワイヤーの間を掘って広くすると、
低音が発音しやすくなったり、高音域の抵抗が減るらしい。
今使ってるリーマーと比べると確かに細い。

「じゃあ早速試してみるかな」
「チューブの長さ28~30ミリのリードはそのままリーマーを全部差し込む」と、
説明書に書いてあるので、差し込んでゴリゴリ削って吹いてみたら、
確かに低音は出やすくなったけど、何だかリードが弱くなったような?
あれ?内側からブレードをえぐって光が透けてるよ
青い円の中が内側から削れた部分。

リードはいろんな形があるんだから説明書を真に受けたらダメだな
ストッパーを作って、それ以上削れないようにしなきゃ。
というわけでシリコンチューブでストッパーを作る。
残りはキャップに

これでよし。
しばらく自分のリードで実験してみよう

テーパーが違うリーマーを2本使う事になるので、
中に段差が出来ると困るなあと思ったけど取りあえず大丈夫みたい。
上手く使えるといいなあ
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作れば気づく

2022年10月13日 | リード
最近あまり頻繁にブログ記事にはしてないけど、
相変わらずリードは毎日製作。
予定が朝から無い日は、
朝食を食べたらそのままリード机の前に座る。

20枚カンナ掛けすると、これくらい削り屑。
そろそろまた刃を研がないと

どうすればもっといいリードが作れるのか、
まだまだ試行錯誤の日々。
結局気付きの蓄積が大切なんだなあ

10本丸めた直後。
最近は全部硬さの背番号を付けて追跡調査。

ニューヨークに居た頃は、自分の吹く分だけあれば良かったから、
今ほどたくさん作ってなかったけど、たくさん作ると見えてくる事がいろいろある。

乾燥中。

ニューヨークの先生達のリードの感じにもっと近づきたい。

糸巻き完了。

さあ粗削りやるか
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ナイフシャープナー購入

2022年09月27日 | リード
リード削りに使ってるビクトリノックスのナイフ。
刃が鈍ってきたら、いつも大きな砥石で研いでたんだけど、
刃物研ぎはなかなか難しくて、時間をかけて研いでも割りと直ぐ鈍ってくるので、
何か良い手はないものかと思っていたら、アマゾンでナイフシャープナーを発見
早速購入

早速開封
ナイフみたいな見た目。

大きな鞘の方には砥石があるので軽くシャカシャカ研いでから、

小さい鞘の方のセラミックで仕上げると、

切れ味復活してる。
リードを削る時の刃先の感触が全然違うなあ
心なしかリードもきれいに削れてるみたい。
よく研げてると引っ掛かって刀傷が出来ることも無さそう。
これでいつもナイフを良い状態で維持したらストレスちょっと減りそう(笑)。

気に入ったさすが「餅は餅屋」だな。
これでカンナの刃も研げないかな?
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アメリカから取り寄せ

2022年09月06日 | リード
今使ってるケーンがどうも気にいらないので、
悩んだ末、久々にアメリカの楽器店にケーン注文。

時々トラッキングチェックしつつ、
「今回は届くの遅いなあ」と思ったら、
FedExじゃなくてUSPSでの発送だった。
送料高いからてっきりFedExと思い込んでたけど、
高いのは円が弱いからか

という訳で無事下関に到着

大量の梱包材の中から出てきたケーン。
楽器店それぞれで梱包の仕方が違って面白い。
国民性も出てるし。

今回は3種類を20枚ずつ購入。
ケーンのこの書き込み見てどこから買ったか分かる人は、
かなりリード作ってる人だな

良いのがあると良いなあ。
それにしても円安が痛い
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たくさん作る

2022年08月28日 | リード
今使ってるケーンがいまいち気に入らなくて命中率が低いので、
たくさん作って良いのだけ使うようにしている。
糸巻き完成

硬度計で硬さを測って選別してから作ってるんだけど、
数値的には合格なのに、形にするとダメなやつがいつも以上に何本も混ざる
最近は総背番号制。

1本作るのに結構時間が掛かるので、
出来るだけ命中率を上げたいんだけど、
材質が良くないといくら頑張ってもなあ。
こんなところは和食と似てて、いかに素材を生かすかなんだよね。
材質が悪いといくら頑張っても
震えやすい材料を吹きやすい形に整えていくと良いリードが出来る。
震えにくい材料を削って震えるようにするのはとても大変。
先端をティップカッターでカット。

まあこれも経験値上げだと思って頑張るか
ティップマシーンで先端を削る。

何だか今年は夏の間中リード作ってたような?
いや、まあ夏だけじゃないんだけどね

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フランスより

2022年08月09日 | リード
「湧き上がる音楽祭」をやってる最中に、
フランスからの荷物が下関に到着

中身はケーン。
ここは今回初めて注文してみたけど、4月に注文して8月に到着。
「急病の為、業務ができない期間がございました為、業務が大幅に遅れており、
発送が遅くなり大変申し訳ございませんでした。」との事。コロナかな?

2種類注文したけど、もう1種類はまだ入荷待ち。

向こうも今はバケーションシーズンだから、
届くのはもっと遅くなりそうだな
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硬さチェック!

2022年07月19日 | リード
先日イタリアから届いて、
ほったらかしになっているケーンの硬さを測ろう

今回は209枚あるから時間も結構かかる
まあこの天気じゃ、完成リードは弄らない方が良いね

というわけで夜までかかって硬度計で全部測って結果発表
硬くて不合格40枚VS柔らかいの169枚で圧勝

でも測りながら感じてたんだけど、
今回はどうも全体的に柔らか過ぎる方に振ってるみたい。
使えるリードがどれくらい出来るかな?
それにしても最近どうも材質が安定してないなあ。
まあいずれにせよたくさん作るしかないが
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