「銀河鉄道の夜」を読んだ50年ぶりの再読である。「雨にも負けず」や「グスコウブドリの伝記」等はそのつど、ひもといていたのだが、「風の又三郎」しかり「セロ弾きのゴウシェ」「オッペル団長」等は50数年前に読んだきりであった。登場人物の鳥を捕る人や氷山と衝突して船とともにしずんだ姉弟なんぞは記憶の端にすら残っていなかった。賢治は法華経の熱心な信者であったからか、此岸と彼岸が混然一体となった物語である。童話と言う範疇に入れるとしたら、かなり難解で骨のある作品だ。難解といえば「毒もみの好きな所長さん」だ。
賢治は色彩感覚の優れた人だと思う。この際、賢治の作品すべてを熟読してみよう。
賢治は色彩感覚の優れた人だと思う。この際、賢治の作品すべてを熟読してみよう。