釜山‘旧都心ストーリーツアー’③イバグキルは話題がいっぱい

イバグキルを歩く

01　旧百済病院-02　南鮮倉庫跡-03　草梁教会-04　168階段-05　金敏夫展望台-06　堂山-07　イバグ工作所

様々な人生を送る人々がこの地に共に暮らし、生きていく話が聞ける。イバグキルはこうした話の宝庫と言える。特に最初の近代式個人総合病院である百済病院、最初の倉庫の南鮮倉庫など、最初という形容詞が付く場所が多くあるが、これは広い海のように豊かで様々な文化を受け入れる港が近くにあったためと解釈できる。韓国は日本の統治時代や韓国戦争を経験しながら、山腹道路にバラック小屋を建て、貧しい避難生活を互いに助け合い忍んできた。こうして港は、人々にとって生活の基盤になった。目眩がしそうなくらい長く続く168階段を、何度も上り下りしながら、現在の釜山の街を築いてきた。汗の浸み込んだ波乱万丈の人生話がたくさんある、この地域の住民の暮らしが最も身近に見られるイバグキルで、私たちの未来を探してみよう。

 

集合場所：釜山外国人サービスセンター-釜山広域市東区大瀛路243番路38（草梁1洞569-1）

アクセス：釜山都市鉄道1号線釜山駅1番出口を出て、目の前の上海門をくぐって歩くと、中国的なアーチ(牌楼)があり、その十字路を右に曲がって2番目の建物。

01旧百済病院

釜山に残っている近代建築物の中で、現在まで絶えず変化しながら保存されている建物だ。1922年、鳴旨出身の崔海氏が建てた最初の近代式個人総合病院で、当時1、2階の建物が大部分であった時代に、5階建ての煉瓦建築として建てられ、西洋からの医療スタッフを雇うなど栄えていたが、悪いうわさや経営難になり、崔海が日本へ夜逃げしたことにより管理権が中国人に渡った。その後、蓬莱閣という中華料理屋、結婚式場に変わりながら、現在も賃貸が行われている。

住所：釜山広域市東区中央大路209番路16(草梁洞467番地)

02南鮮倉庫跡

1900年に、咸鏡道から船で物資を運搬し、保管していた最初の物流倉庫で、初期には北鮮倉庫と呼ばれ、京釜線でソウルに物流を運搬する前に保管するところであった。その後、京元線ができて北の地方に北鮮倉庫ができたことから、南鮮倉庫と呼ばれるようになった。主にスケトウダラを保管していたことから、別名明太庫房とも言う。冷凍庫がなかった時代、床に水路をつくって水気を取り除き、涼しくする方法を用いていた。すぐ隣の旧百済病院とは異なり2009年に壊され、今は赤い煉瓦の壁だけが残っている。

住所：釜山広域市東区草梁路13番路53(草梁洞393-1)

03草梁教会

1893年に宣教師のアダムソンが建てた、釜山で最初の教会。抗日民族独立運動と密接な関係があり、神社参拝反対運動の中心的役割を担った点からも歴史的に大きな意義がある。

住所： 釜山広域市東区草梁上路53(草梁1洞1005)/051-465-0533

05金敏夫展望台

「待つ心」で有名な詩人金敏夫氏を称えるため、釜山港がきれいに見渡せる168階段の隣につくられた展望台。金敏夫は高校1年生の時に登壇した天才詩人であり、韓国の人々には「チャガルチアジメ」というラジオ番組のPDとして広く知られている。展望台から海を眺めると、自然と誰かを待つ心境が感じられる場所だ。

住所： 釜山広域市東区ヨンチョウィキル26番キル14(草梁洞994-520)

 

04　168階段

山腹道路から釜山港まで最も早く降りることができる近道。山腹道路の代表的な特徴の一つである、建物でいえば、6階から真っ直ぐ降りるような、とても急な階段で全部で168段あった。階段の下には3つの井戸があったとされ、現在は飲み水に使われた井戸がひとつだけ残っている。水が足りなかった当時、ここに水背負い子や水瓶を手にした人々が長蛇の列を作った光景が眼に浮かぶ。この井戸にに様々な人が集まり、様々なうわさが広まる根源地でもあった。

住所：釜山広域市東区ヨンチョ路191番路(草梁洞)

06　堂山

韓国の伝統信仰で、村の守り神である堂山神(堂山爺と堂山嫗)が祀られている。このお堂で執り行われる祭祀は、村が平和で豊かに暮らせるよう祈る地域共同体的な儀礼であり、年2回、旧暦の3月と9月15日に祭祀を行っている。祭官に選ばれたら、身なりや行動を謹み、祭日が近づくと堂山の樹木の周囲などを掃除し、禁紐を巡らし黄土を置いて清める。

住所： 釜山広域市東区望洋路478番路13(草梁洞　山67-15)

07　イバグ工作所

山腹道路を中心とした都市再生事業である「山腹道路ルネサンス」地域の拠点として建てられた。この地域に住む人々の話を収集するアーカイブセンターであり、2か月ごとに新しい企画展示が行われて、開館時には尿瓶展が開かれた。地域のお年寄りから寄贈を受けたもので、それぞれのストーリーと共に展示された。事情があって山腹道路に住むようになった個人の歴史を収集・保管し、今後も様々な文化コンテンツとして2次加工されていく資源の倉庫と言える。

住所： 釜山広域市東区望洋路486番路14-13(草梁洞875-2)/051-442-0289