再会

もう会うこともないと思っていた彼と再会した。
互いに笑顔はない。

「どうなのかな？」
彼は力なく言った。
「やっぱりだめみたい・・・」
私も力なくつぶやく。

「全然変わらず？予兆はないの？」
「多分、ムリだと思う。間違いないと思う。」

重苦しい空気が二人を包む。

「あれから1ヶ月ぐらいだよね？」の私の言葉に
「7月1日だったから、1ヶ月半かな・・・」と彼が言う。
覚えていたんだ。

「ごめんなさい。あんなに気を付けていたんだけど」
「こっちも注意したんだけど」

見つめ合い、そのまま言葉に詰まってしまった。
どうしたらいいのか、二人ともわからない。

・・・・

なんや？？？この意味深な会話？？？
真夏の夜の妄想？？
いやいや、いたって現実の話だ。

・・・・

って、誤解のないよう、UEPY、いたってまじめな普通の主婦ですから。


朝9時頃、電話が鳴った。
ヘルパーさんからだった。
「今来たら、トイレが詰まっていて・・・
　何度がぱっこんしてみたんですけど、直らなくて・・・」

5時過ぎに寝た頭が、げげーーっと思い切り目が覚めた！
また？またやってしまったのか？？

あわてて実家へ行き、状況確認して、
今度は、自力でなどと無謀なことは考えず、すぐ電話した。
「すみません～　トイレが詰まってて・・・すぐ来てもらえません？」
とは言ってもお盆のこと、しかも帰省帰りの渋滞が始まっている。
やっと3時頃来てくれたのが、前回のイケメンお兄ちゃんだった。
そして、上の意味深な会話だった。

状況から見て、母がパットをまたも流してしもたのは間違いない。
「ほんま、ごめんなさい。
　こんなすぐ、また来てもらうことになってしもて・・・」
謝るしかない状況だ。

結局、またもプロのぱっこんでもどうにもならない状態で、
またも、トイレを外す羽目に・・・
でもって、配管から思い切り詰まってることが判明した。
何枚もパットが詰まっているという。
つまり、昨日や今日、パットを流してしもた・・・ってわけじゃなく、
何度もやってて、ついにトイレが根を上げたってことらしい。

実家のトイレは、配管が下水へ垂直につながっていて、
その部分でどうしても詰まりやすいらしい。
もう築40年は経過しているので、配管も劣化しているし、
配管の口径も昔の細いもの。
何より詰まり過ぎてて、高圧洗浄機もかけられないとのこと。

・・・・はあ・・・
ため息つきながら、配管交換を決意した。
〆て14万・・・　作業は8時までかかった。

「せつないですわ・・・」
おにいちゃんが言う。
「この間きれいに設置したばかりのトイレを壊すのは・・・」

ほんま、おにいちゃん、こっちもせつないですわ・・・
もう会うことはないだろうと思ってたおにいちゃんに会えた代償が、14万とは。
せつな過ぎですわ・・・

「網でもつけといたろか・・・」と言ったら、
おにいちゃん、「いやいや、そうしたら、ブツが流れませんって」
「！！　ですよねーー！！」と、二人して思いっきり笑った。
やっぱ、おにいちゃん、笑顔ええでー
ほんま、今度こそ再会しないで済むよう、重々注意します(-_-;)