(有)河野工務店

破風板が無い

昨日はお寺の修繕に使用する破風板(はふいた)の元になる原木を見に行ってきました。



破風板とはこの部分。
お寺の修繕に使うのですが最近は真っ直ぐな原木しかなく、写真のように反っている原木がほとんどありません。
松なら反った原木があるのですが歪みが激しいので破風板には使用できません。
せめて桧、無ければ杉、という感じですが・・・もし反った桧や杉の原木があったとしても反った部分から切り飛ばし、真っ直ぐにして市場やプレカット工場へと運搬されます。
真っ直ぐな方が原木を大量に積むことが出来て業者にとっては効率がいいですよね。
それにプレカット工場は加工しますから曲がっていたら加工などできません。
昔のように曲がった梁や瓦屋根の隅が反った隅木、入母屋で使用する反った破風板などは運搬効率が悪く需要も減少したため利益に繋がらないので論外です。
木材市場に行っても原木の数が減って来ました。
木材市場に原木を卸さずそのままプレカット工場へ直通という流れができたのです。
数百年以上実績を積み重ねてきた日本建築の流れでしたが、様式が変わってしまい、ここ数年で流通がガラッと変わってしまいました。
プレカット工場が主流になって来たので製材所もお役御免となってきました。
これからプレカットの実績が積み重ねられていきますが、お寺や神社の伝統的建築が廃れていくことは免れないでしょう。
建て替えている神社仏閣を町ナカで見ますが「ん?これって集会所?」と思う本堂をよく見掛けます。
お寺等の破風板の修繕もこれからは集成材で直すことになるんでしょうか。

とにかく反った原木を求め、知り合いを通じて国道から山へ入って行ってみました。


案内人の後を追って10分ぐらい走ったでしょうか。
・・・ん?
工事?
4~5台の車が停まっています。
・・・え?
10分待ち??
どうやら四国電力が電気工事をしとるみたい。
山はこういうことがあるんやねえ。
警備員に時間割を見せてもらいました。

今は13時40分やから・・・え~・・・と・・・


後、10分待ちみたい。
・・・ん、ん~!?
でも帰りの時間も制限されとるぅ~??
・・・仕方が無い・・・か。

・・・あ、通れるみたい。
5分待ちでいけた。

それから走ること約1時間。
・・・こんなに奥まで入らないと無いのぉ~!?



すっげぇ~山奥。


ようやく停まったところに桧が並んで生えていました。
曲がった木が欲しいという人のために置いてたみたい。
そのうちの1本。
・・・この中ではこれがマシかなぁ~。
でも・・・スグい(まっすぐ)なあ・・・。
元口(根元)は曲がっとるけど腹がスグい・・・。
もうちょっと腹が出とったらなあ・・・。
でも太いなあ。
末口(先の細い方)が30cm程度あればええけどこれは40cmからあるなあ。
いい原木なのは確か。
・・・でもやっぱりスグい。

ダメなのがわかると案内人が更に奥へと案内してくれました。

ちょっと待ってちょっと待って!・・・雪道やん!!

薄く雪が積もっています。
マイカーはフリード。
スタッドレスなど履いていません。
滑ったら終わり。
恐る恐る後を付いて行って次のポイントへ到着。

ウヒョーッ!
左上のところにポツンと一軒家?

車を降りて歩いて伐採ポイントへ。

あ、原木が並んでる。


・・・ん~、反っとるやつが無いねぇ。


ん~、無いぞぉ・・・。


今回は諦めるかなぁ・・・。

仕方ないので次回ということにします。

次世代に向けてたくさん植樹してますねぇ。
網を被せて保護しているので白い棒にしか見えません。

次回は立派な破風板が取れるように曲がった原木が見つかりますように・・・。




 
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