原題は「Persuasion」。
そのまま「説得」と訳している邦題の方が広く使われているみたいですが、私はこの岩波の富田彬さん訳の「説きふせられて」が素敵と思う♪
可愛いし、説得したのではなくてされたっていうのが分かるしね^^
「説きふせられて」 岩波文庫
ジェイン・オースティン作
富田彬訳
『愛しながらも周囲に説得されて婚約者と別れたアン。
八年の後、思いがけない出会いが彼女を待ち受けていた・・
興趣ゆたかな南イングランドの自然を舞台に、人生の移ろいと繊細な心の
ゆらぎがしみじみと描かれる。オースティン最後の作品。
(文庫表紙より。)』
オースティン作品の特徴なのかなぁ?まだ言い切れませんが・・
ヒロインと結ばれるであろう人はわかるんだけど、それとは別に脇役で、最初は感じがよくて、あわやこの人がヒロインの相手になるのかと思いきや、実はすごくダメな奴だったり嫌な奴だったりする人が出てきます。笑
「高慢と偏見」も「エマ」もまた然り。
この「説き伏せられて」はオースティンの40年ほどの人生の晩年に書かれました。
「ビカミング・ジェイン・オースティン」という評伝に書いてあったのですが、
ジェイン・オースティンの時代は、子だくさん家族は多いけれど子供を産むことが命がけだったそうです。
すごく大変なことなのに、結婚するとあとは女性は子供を産み続けるばかり、といった感じで、ジェインの親族でも何度目かのお産で命を落とした人がいました。産んだと思ったら妊娠、の繰り返しでした。
ジェインは、それはおかしいと思っていました。
愛し合って結婚したはずなのに、結婚後なぜ夫は妻の体を全く気遣わないで子供を産ませ続けるのか、と。
オースティン作品のヒロインたちはどれも、今後結婚し、子供を産むであろう運命にあります。
そこでオースティンは最後に書いたこの「説きふせられて」のアンの年齢を27だか8だかに設定し、とても10人ほどの子を産むことはできないようにしたのだと考えられるそうです。
そして体の安全と結婚後の生活の平穏を、アンに贈ってあげたのでしょう、と。
物語後のアンの気がかりは、夫が軍人であるため、戦争が起こらないことを祈るばかりなのです。
物語は、簡単に言うと、財産家のウォールター・エリオットがお金に困ってきて邸を貸家にし、自分たち家族(ウォールター氏、エリザベス(長女)、アン(次女))は違う場所へ引っ越さねばならなくなった、というところから始まります。
他に三女のメアリ(既婚)がいます。
主人公のアンは以前フレデリック・ウェントワースと恋仲になったけれど、「フレデリックは十分な資産も無く、アンの身分に相応しくない」という周囲の反対にあい離れていきました。
それから8年半の月日が流れ、二人は再会します。
再会後の二人の様子、まだ愛しているのかそうでないのか、そうでないと思い込もうとしているのか、そんな様子や心理描写が細かく描かれていて面白いです。
大きな魚を逃がした側は、ウェントワース大佐の方ですね。
アンも、彼ほど自分が愛することのできる男性はいない、と断言するほど恋しているのですが、
物語後半のウェントワース大佐の動揺の仕方はアンのそれより凄くて、彼が可愛く見えちゃうぐらいなんです
それぐらいアンが素晴らしい女性だということです。
アンは最強のヒロインですよ。
美しくて聡明という点は前に読んだ2作品のリジーやエマと同じなのですが・・
それに加えて性格が良すぎ。笑
アンは家族に恵まれていない(みんな自己ちゅー。)点で孤独なのですが、若い頃より衰えたといえども人が振り返るような上品な美しさを持っています。
そしてすぐれた教養があり、優しい!!
大きな魚ですね
最強です。笑
ところでね、
古い海外文学の翻訳(もしくは古い日本文学)はやっぱり可愛いですよ!
アンがいとこのエリオット氏(アンに一目惚れした。)にこれでもかと褒められたときに
「まあ、いやですわ! いやですわ! そんなにお持ち上げになって。」
と返すんですけども!
思いつきますか!「お持ち上げになって。」などと!!
もーー言ってみたいですよね「お持ち上げになって。」!!笑
>画像 馬車 模写
gooツール
オースティンは馬車の時代です。
「プライドと偏見」の映画の一場面から、模写というかスケッチというか
何というか
乗り物+動物という世にも難しいお絵かきの対象ですね。笑
そのまま「説得」と訳している邦題の方が広く使われているみたいですが、私はこの岩波の富田彬さん訳の「説きふせられて」が素敵と思う♪
可愛いし、説得したのではなくてされたっていうのが分かるしね^^
「説きふせられて」 岩波文庫
ジェイン・オースティン作
富田彬訳
『愛しながらも周囲に説得されて婚約者と別れたアン。
八年の後、思いがけない出会いが彼女を待ち受けていた・・
興趣ゆたかな南イングランドの自然を舞台に、人生の移ろいと繊細な心の
ゆらぎがしみじみと描かれる。オースティン最後の作品。
(文庫表紙より。)』
オースティン作品の特徴なのかなぁ?まだ言い切れませんが・・
ヒロインと結ばれるであろう人はわかるんだけど、それとは別に脇役で、最初は感じがよくて、あわやこの人がヒロインの相手になるのかと思いきや、実はすごくダメな奴だったり嫌な奴だったりする人が出てきます。笑
「高慢と偏見」も「エマ」もまた然り。
この「説き伏せられて」はオースティンの40年ほどの人生の晩年に書かれました。
「ビカミング・ジェイン・オースティン」という評伝に書いてあったのですが、
ジェイン・オースティンの時代は、子だくさん家族は多いけれど子供を産むことが命がけだったそうです。
すごく大変なことなのに、結婚するとあとは女性は子供を産み続けるばかり、といった感じで、ジェインの親族でも何度目かのお産で命を落とした人がいました。産んだと思ったら妊娠、の繰り返しでした。
ジェインは、それはおかしいと思っていました。
愛し合って結婚したはずなのに、結婚後なぜ夫は妻の体を全く気遣わないで子供を産ませ続けるのか、と。
オースティン作品のヒロインたちはどれも、今後結婚し、子供を産むであろう運命にあります。
そこでオースティンは最後に書いたこの「説きふせられて」のアンの年齢を27だか8だかに設定し、とても10人ほどの子を産むことはできないようにしたのだと考えられるそうです。
そして体の安全と結婚後の生活の平穏を、アンに贈ってあげたのでしょう、と。
物語後のアンの気がかりは、夫が軍人であるため、戦争が起こらないことを祈るばかりなのです。
物語は、簡単に言うと、財産家のウォールター・エリオットがお金に困ってきて邸を貸家にし、自分たち家族(ウォールター氏、エリザベス(長女)、アン(次女))は違う場所へ引っ越さねばならなくなった、というところから始まります。
他に三女のメアリ(既婚)がいます。
主人公のアンは以前フレデリック・ウェントワースと恋仲になったけれど、「フレデリックは十分な資産も無く、アンの身分に相応しくない」という周囲の反対にあい離れていきました。
それから8年半の月日が流れ、二人は再会します。
再会後の二人の様子、まだ愛しているのかそうでないのか、そうでないと思い込もうとしているのか、そんな様子や心理描写が細かく描かれていて面白いです。
大きな魚を逃がした側は、ウェントワース大佐の方ですね。
アンも、彼ほど自分が愛することのできる男性はいない、と断言するほど恋しているのですが、
物語後半のウェントワース大佐の動揺の仕方はアンのそれより凄くて、彼が可愛く見えちゃうぐらいなんです
それぐらいアンが素晴らしい女性だということです。
アンは最強のヒロインですよ。
美しくて聡明という点は前に読んだ2作品のリジーやエマと同じなのですが・・
それに加えて性格が良すぎ。笑
アンは家族に恵まれていない(みんな自己ちゅー。)点で孤独なのですが、若い頃より衰えたといえども人が振り返るような上品な美しさを持っています。
そしてすぐれた教養があり、優しい!!
大きな魚ですね
最強です。笑
ところでね、
古い海外文学の翻訳(もしくは古い日本文学)はやっぱり可愛いですよ!
アンがいとこのエリオット氏(アンに一目惚れした。)にこれでもかと褒められたときに
「まあ、いやですわ! いやですわ! そんなにお持ち上げになって。」
と返すんですけども!
思いつきますか!「お持ち上げになって。」などと!!
もーー言ってみたいですよね「お持ち上げになって。」!!笑
>画像 馬車 模写
gooツール
オースティンは馬車の時代です。
「プライドと偏見」の映画の一場面から、模写というかスケッチというか
何というか
乗り物+動物という世にも難しいお絵かきの対象ですね。笑
minacoさんのブログ見てると本が読みたくなります><
そう!そう!「いやだわ」でなくて「いやですわ」
そう言っていただけると嬉しいです^^
レビュー書くのは苦手で、面白さもなかなか伝えられず、文章イミわかんなくなってるとこ多いと思いますが・・
オースティン作品のレビュー書くは少し慣れたかもww
ドロドロとか全然してないですけど、特に「高慢と偏見」は絶対面白いと思います!
お時間があるときにでもお手にとってみていただければ、
わたしとってもうれしゅうございますわ←