「ゆりかご」・・・9代目がそう名付けたクーデター。
ボンゴレ最大の禁忌とされたそれは、詳細を明かされることも無く終わった。
一生付いていくと誓った彼の人は、今や冷たい氷に閉ざされ分厚い鋼鉄の板で囲われて、暗いあの部屋に死ぬことも許されず繋がれている。
このことを知っているのは、9代目と自分を含めた極々一部の関係者のみだ。
あの時やりあったボンゴレの幹部にさえ、表向きXANXUSはボンゴレを離れて監視されることになったとしか伝えられていなかった。
XANXUSを失った自分達への処分は、全てをなかったこととして振舞うこととボンゴレへの絶対の忠誠を誓うことだった。
スクアーロを始とするヴァリアーの面々も、表向きはこの処分を受け入れた。
あれから半年。
スクアーロは立ち入ることを禁じられたボンゴレ本部のあの部屋へ忍び込んでいた。
柱の立ち並ぶその部屋は、クーデター当時のままで修復されることも無く傷をさらし、中央に分厚い鋼鉄の板を鎖で雁字搦めに囲まれたそれがポツンと措かれていた。
冷たい箱に手を当てていると、あのシーンがまざまざと脳裏に甦る。
傷を負い、柱の影で聞いたXANXUSの最後の叫び。
何も出来ずにただ凍らされていくのを見ているしか出来なかった自分。
様々な重いが渦を巻いてドロドロと自分の中を満たしていく。
涙が零れた。
「・・・XANXUS。」
名を呼ぶと余計に嗚咽がこみ上げてきた。
何も出来なかった不甲斐無い自分が許せない。
眠らされているその顔を見ることすら許してくれない鋼鉄を拳で叩きながらひとしきり泣いた。
不思議なもので、泣き喚いたら感情の高ぶりが収まって冷静に物事を考えられるようになった。
分厚い鋼鉄に背を預け座り込んだスクアーロは、今は眠るXANXUSに語りかけた。
「なぁ御曹司。お前本当はどうして欲しかったんだぁ?」
「俺なぁ、あの時お前が泣いているようにしか見えなかったんだぁ。」
「可笑しいよなぁ、お前怒ってたのに。」
自嘲気味に笑いながら、スクアーロはなおも語りかけた。
「今思うとなぁ、俺お前の怒りがなんだったのかよくわかってなかったんだよなぁ。」
「単純だからさぁ、本気でドンを殺したいのかと思ってたんだぁ。」
「お前もしかしてドンに殺されたかったのかぁ?」
「まさかなぁ。だとしても俺はそんなこと認めねぇぞぉ。」
背中に冷たい冷気を感じながら、スクアーロは拳を握り締める。
「なぁ、あの後も俺髪切ってないんだぜぇ。誓ったからなぁ、豪いだろう。でもよぉ、最近前髪がうざくてなぁ・・・だから早く戻って来いよぉ。」
「じゃねぇと女みてぇに長く伸びちまうぜぇ。」
「それによぉ、左手が疼くんだよ。お前がいねぇと疼くんだよ。俺の左手はお前だけに捧げた俺の覚悟だからなぁ。お前がいなきゃ始まらねぇんだXANXUS。」
スクアーロは身を捩ると、作り物の左手を鋼鉄の壁に押し当てた。
しばしの沈黙の後、おもむろに立ち上がったスクアーロは、それまでと違った強い口調で宣言した。
「決めたぜぇ。」
「俺はお前をもっと知りてぇ、お前の怒りが何だったのかちゃんと知りてぇ。だからお前を調べるぜぇ。」
「お前が誰にも話せなかった何かをよぉ。ワリィが調べさせてもらうぜぇ。」
「お前が戻って来た時に、誰よりもお前を理解するためになぁ。」
「安心しろぉ、何があっても俺はお前についていくし、お前を捨てねぇ。お前が俺を捨てない限りはなぁ。」
冷たい鋼鉄にキスをして、スクアーロは別れを告げた。
「じゃぁなボス。俺達はいつまでもお前の帰りを待ってるぜぇ。」
スクアーロは振り返ることなくその部屋を立ち去った。
それから間もなくしてスクアーロはXANXUSの過去を知ることになる。
反省文:
グルグルしすぎて、ウザイスクアーロになってしまいました。
もう少しまともな文が書けぬものか。
ボンゴレ最大の禁忌とされたそれは、詳細を明かされることも無く終わった。
一生付いていくと誓った彼の人は、今や冷たい氷に閉ざされ分厚い鋼鉄の板で囲われて、暗いあの部屋に死ぬことも許されず繋がれている。
このことを知っているのは、9代目と自分を含めた極々一部の関係者のみだ。
あの時やりあったボンゴレの幹部にさえ、表向きXANXUSはボンゴレを離れて監視されることになったとしか伝えられていなかった。
XANXUSを失った自分達への処分は、全てをなかったこととして振舞うこととボンゴレへの絶対の忠誠を誓うことだった。
スクアーロを始とするヴァリアーの面々も、表向きはこの処分を受け入れた。
あれから半年。
スクアーロは立ち入ることを禁じられたボンゴレ本部のあの部屋へ忍び込んでいた。
柱の立ち並ぶその部屋は、クーデター当時のままで修復されることも無く傷をさらし、中央に分厚い鋼鉄の板を鎖で雁字搦めに囲まれたそれがポツンと措かれていた。
冷たい箱に手を当てていると、あのシーンがまざまざと脳裏に甦る。
傷を負い、柱の影で聞いたXANXUSの最後の叫び。
何も出来ずにただ凍らされていくのを見ているしか出来なかった自分。
様々な重いが渦を巻いてドロドロと自分の中を満たしていく。
涙が零れた。
「・・・XANXUS。」
名を呼ぶと余計に嗚咽がこみ上げてきた。
何も出来なかった不甲斐無い自分が許せない。
眠らされているその顔を見ることすら許してくれない鋼鉄を拳で叩きながらひとしきり泣いた。
不思議なもので、泣き喚いたら感情の高ぶりが収まって冷静に物事を考えられるようになった。
分厚い鋼鉄に背を預け座り込んだスクアーロは、今は眠るXANXUSに語りかけた。
「なぁ御曹司。お前本当はどうして欲しかったんだぁ?」
「俺なぁ、あの時お前が泣いているようにしか見えなかったんだぁ。」
「可笑しいよなぁ、お前怒ってたのに。」
自嘲気味に笑いながら、スクアーロはなおも語りかけた。
「今思うとなぁ、俺お前の怒りがなんだったのかよくわかってなかったんだよなぁ。」
「単純だからさぁ、本気でドンを殺したいのかと思ってたんだぁ。」
「お前もしかしてドンに殺されたかったのかぁ?」
「まさかなぁ。だとしても俺はそんなこと認めねぇぞぉ。」
背中に冷たい冷気を感じながら、スクアーロは拳を握り締める。
「なぁ、あの後も俺髪切ってないんだぜぇ。誓ったからなぁ、豪いだろう。でもよぉ、最近前髪がうざくてなぁ・・・だから早く戻って来いよぉ。」
「じゃねぇと女みてぇに長く伸びちまうぜぇ。」
「それによぉ、左手が疼くんだよ。お前がいねぇと疼くんだよ。俺の左手はお前だけに捧げた俺の覚悟だからなぁ。お前がいなきゃ始まらねぇんだXANXUS。」
スクアーロは身を捩ると、作り物の左手を鋼鉄の壁に押し当てた。
しばしの沈黙の後、おもむろに立ち上がったスクアーロは、それまでと違った強い口調で宣言した。
「決めたぜぇ。」
「俺はお前をもっと知りてぇ、お前の怒りが何だったのかちゃんと知りてぇ。だからお前を調べるぜぇ。」
「お前が誰にも話せなかった何かをよぉ。ワリィが調べさせてもらうぜぇ。」
「お前が戻って来た時に、誰よりもお前を理解するためになぁ。」
「安心しろぉ、何があっても俺はお前についていくし、お前を捨てねぇ。お前が俺を捨てない限りはなぁ。」
冷たい鋼鉄にキスをして、スクアーロは別れを告げた。
「じゃぁなボス。俺達はいつまでもお前の帰りを待ってるぜぇ。」
スクアーロは振り返ることなくその部屋を立ち去った。
それから間もなくしてスクアーロはXANXUSの過去を知ることになる。
反省文:
グルグルしすぎて、ウザイスクアーロになってしまいました。
もう少しまともな文が書けぬものか。
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