遠雷が鳴り響いて、激しかった雨はやがて鳴りを潜め青空が顔を出し始めた。
太陽が顔を出し、雨雲に虹が架かる。
懐かしい思い出に耽っていたXANXUSの手元で、グラスの氷が溶け、カランッと音を立てた。
窓辺に立っているのXANXUSに唐突に声がかかる。
「う゛おおい、ボス、そんなとこで何見てんだぁ?」
そう言って近づいてきたスクアーロがXANXUSの見ている方向を覗き見る。
「へぇ、虹だなぁ。綺麗なもんだ。」
感心したように傍らで虹を眺めるスクアーロの髪は以前のように長くは無かったが、毛先の少し撥ねる銀糸は、つい先ほどまで降っていた雨を思わせた。
隣に並ぶ自分の羽根飾りがその髪に重なり、まるで今見上げている虹のようだなとふと思う。
「スクアーロ、お前なんで俺についてくるんだ?」
「そんなの、最初に出会った日にお前についてくって決めたからだぁ。
俺は一度決めたことは絶対に曲げねぇんだぁ。」
「ふんっ、好きにしろ。お前とは腐れ縁らしいからな。」
ニヤリと口の端を曲げて言うスクアーロにあの日の少年の顔が重なった。
自分が父親の実子でない事を知ったばかり頃、スクアーロと街でであった時、XANXUSはすぐにあのときの少年だとわかったが、スクアーロには偽名を使っていたし、自分のことは女だと思っていただろうから、本当はアレが始めての出会いじゃなかったことは知らないのだ。
人の縁というものは、おかしなものだとXANXUSは思う。
空にかかった虹はやがて薄らいで消えて行き、XANXUSは空になったグラスをスクアーロに押し付ける。
「片付けておけ、カス。」
「う゛おおい!俺は家政婦じゃねぇぞぉっ!」
背中からだみ声で講義をしてきたスクアーロの声を無視して、扉を閉める。
これからもスクアーロは自分についてくるのだろう、きっとどちらかが死ぬまでずっと。
いや、もしかしたら死んでもついてくるかもしれない。
そんなことをふと思いながら、執務室へ向かって歩き出した。
太陽が顔を出し、雨雲に虹が架かる。
懐かしい思い出に耽っていたXANXUSの手元で、グラスの氷が溶け、カランッと音を立てた。
窓辺に立っているのXANXUSに唐突に声がかかる。
「う゛おおい、ボス、そんなとこで何見てんだぁ?」
そう言って近づいてきたスクアーロがXANXUSの見ている方向を覗き見る。
「へぇ、虹だなぁ。綺麗なもんだ。」
感心したように傍らで虹を眺めるスクアーロの髪は以前のように長くは無かったが、毛先の少し撥ねる銀糸は、つい先ほどまで降っていた雨を思わせた。
隣に並ぶ自分の羽根飾りがその髪に重なり、まるで今見上げている虹のようだなとふと思う。
「スクアーロ、お前なんで俺についてくるんだ?」
「そんなの、最初に出会った日にお前についてくって決めたからだぁ。
俺は一度決めたことは絶対に曲げねぇんだぁ。」
「ふんっ、好きにしろ。お前とは腐れ縁らしいからな。」
ニヤリと口の端を曲げて言うスクアーロにあの日の少年の顔が重なった。
自分が父親の実子でない事を知ったばかり頃、スクアーロと街でであった時、XANXUSはすぐにあのときの少年だとわかったが、スクアーロには偽名を使っていたし、自分のことは女だと思っていただろうから、本当はアレが始めての出会いじゃなかったことは知らないのだ。
人の縁というものは、おかしなものだとXANXUSは思う。
空にかかった虹はやがて薄らいで消えて行き、XANXUSは空になったグラスをスクアーロに押し付ける。
「片付けておけ、カス。」
「う゛おおい!俺は家政婦じゃねぇぞぉっ!」
背中からだみ声で講義をしてきたスクアーロの声を無視して、扉を閉める。
これからもスクアーロは自分についてくるのだろう、きっとどちらかが死ぬまでずっと。
いや、もしかしたら死んでもついてくるかもしれない。
そんなことをふと思いながら、執務室へ向かって歩き出した。
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