ダニエル・ラドクリフ主演。アメリカで最も成功した詩人のひとり、アレン・ギンズバーグが大学時代に巻きこまれた殺人事件の顛末。
実話をもとにした作品。わたしは主人公である詩人のこともまったく知らなかったし、当時のアメリカの時代背景もあまりわからないし、文学についても疎いので、そのあたりを知っていればもっと楽しめたのかもしれません。しかしこれが実話というのもすごいな…人間関係も事件もあまりにフィクションじみていて、本当にあったことだなんてちょっとビックリです。もちろん脚色はあるんだろうけど。
ルシアンは青い瞳がきれいで印象的。しかしただ顔がいいだけのような…知的な雰囲気ではあるけど、正統なものに幼稚に反抗していきがっているだけで信念はなさそう。そんなに大学に反発するなら自主退学すればいいだけなのに、他人に課題をやらせてまでしがみついてるあたりダサい。才能もないし、魔性というほどの魅力は感じられなかった。物語が進むにつれて残念さが露わになっていく感じ。でもそういう儚げなところに惹かれるひともいるんだろうな。デヴィッドもそうだったのかも。
アレンはルシアンの殺人事件がきっかけで目が覚めた感じなのかな。あのままずっとルシアンと一緒にいたら、もしかしたら狂っていたかもしれない。
個人的には教授が課題の小説にコメントをつけて送り返したシーンがよかった。大学教授としては認められる内容ではなかったけど、確かな才能を感じたんだろうね。わざわざ後押しするようなコメントをしたあたりに心情が察せられる。