瑞原唯子のひとりごと

わたしを離さないで

2018年10月5日
わたしを離さないで。2010年のイギリス映画。臓器提供のためだけに存在する子供たちの話。大きな事件が起こるわけではなく、変えられない運命の中でたゆたうような切ない物語。臓器提供のための子供とか近未来SF的な設定だけど、時代としては過去から現在。提供者たちはコピーとか言ってたのでクローンなのでしょうか。だから人権がないという理屈なんですかね。どうやら闇組織とかではなく国の事業みたいですし。キャシー、ルース、トミーの三角関係はごくありがちなことで、ルースは懺悔していたけど、卑怯な手段を使ったわけでもないしそう悪くはないと思うの。ちょっと意地悪だっただけで。このあたりの普通のことを丁寧に描いてきたので、提供者にも魂があるという言葉が活きてきたように思う。普通の人間と何ら変わらないのだと。トミーは大人になってもピュアというか何というか、真剣に愛し合っていることを証明するために絵から魂を探るとか…キャシーは信じてなかったような気がする。トミーに合わせて気のすむようにさせていただけで。みんないつしか提供者であることを受け入れてしまっているけれど、やっぱりできれば逃れたいとは思ってるんだよね。必死に提供猶予を求めようとしているし。子供のころは寄宿学校で物理的に囲われていたし、心理的な枷もあって逃げ出せなかっただろうけど、大人になって自由に外出できるようになったらいくらでも逃げ出せそうな…うーん、でも逃げ出しても国民としての身分がないし普通に生活はできないか。ただ、提供で悲惨な終了を迎えると知ったら、それよりは自殺したいと考える人もいるんじゃないかなと思ったり。

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