celtis

日々思うことを

やって来たのは、ガスコン兵

2022-02-03 16:16:00 | 日記
借りた本に
太宰治のことばが曳いてあり

「やって来たのは、ガスコン兵。」という、なんとも意味の知れない、
 不思議すぎて、ばからしい言葉が、全く思いがけず、
 ひょいと口をついて出たのである。それも、一度や二度ではない。
 むやみ矢鱈に、場所をはばからず、ひょいひょいと発するのである。
 「やって来たのは、ガスコン兵。」

そう、そうなんです、太宰君 という感じ
ひょい、と口をついてでたことば
なにかの必然性はあるのだろうけれど
なぜ今その言葉が出て来たのかわからない
そんなことが稀にあります
稀にあるのだけれど
それが続くと何やら気持ち悪い

それがある日ふとわかる時もあるけれど
ふとした言葉は
概ね暖かい記憶につながっているようです

ところで
このガスコン兵を曳いているのは
北村薫さんの「中野のお父さん」
素晴らしい構成力です

ガスコン兵に関しては
少しばかり曰く因縁があって
中学生のとき読書グループがあって
ある日「ガスコン兵って知っている?」と聞かれ
「あら、シラノに出てくるの」と言われ鼻白んだことを
思いだしたのです
ちょいと苦い思い出


少し駄文を続けると
このガスコン兵のキーワードの一つが
一つ前の短編の「水源地」
フィールドや時代性を共有する人たちが持つ
コモンセンスのようなものでしょうか

言葉を使うときには
使い方も注意しなければならないですね
このブログなどは
わかる人だけに書いているつもりだけれど


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