雪の精を見つけた

帰宅時
電車に乗り本を読んでいた

前の座席に人が座った気配がした
ふと、視線を上げて見ると

ん、白い
そう感じた

顔が真っ白で頬紅が少し赤く
髪が金色っぽい

まつ毛も黒く厚く
たまったホコリっぽい

あっ、ピエロ
なんて思った

でも、ヤング
学生さん？

服も白黒モノトーン
トランプのジョーカー？にも見えてきた

チラット見て
そう感じた

再び視線を本に落としたが
なんとなく気になる

窓からの景色を見るようにして
また彼女をみる

外は真っ暗
スクリーンに白く浮き出ている

ピエロ、ジョーカー・・・
そうですね雪の精にしちゃおう

手にした携帯をふると
雪の結晶が舞い上がる

ん、雪女？・・・
恐いですね

そこは　やはり
かわいく雪の精でゆきましょう

電車を降りると
そこは雑踏の中

イルミネイションがきれい
寒そうにみんな足早に歩いている

雪が舞えば・・・
クリスマスに雪が舞えば・・・

雪の精か・・・
雪の精ねぇ・・・

ふと、そんな事を思いながら
乗り継ぎの駅へと急いだ