Charme de France

小さなフランス語教室の主宰者の個人的なブログです。(*^-^*)

フランス映画☆サスペンスの秀作「譜めくりの女」

2011年02月12日 | 映画・ドラマ

昨日は久しぶりに大阪でも雪が降りました。寒い日が続いているので、春が待ち遠しいです。最近はもっぱら、録画撮りしている映画を余暇に観ているのですが、仲間由紀恵さん主演の「美しい隣人」を観ていて、何故か、フランス映画の「譜めくりの女」を思い出しました。

「美しい隣人」は、アメリカ映画「揺りかごを揺らす手」を連想させると最初はそう思っていたのですが、ゆっくり静かに話が進み、美しい音楽と映像に彩られているドラマを観ているうちに、フランス映画のサスペンスのテイストを感じ始めました。

「譜めくりの女」も女性の復讐の物語なのですが、クラシック音楽が随所に響くスタイリッシュな心理ドラマで、あざとい演出のない秀作です。フランス映画のサスペンスの名作「死刑台のエレベーター」が最近、日本でリメイクされましたが、アメリカ映画だけでなく、フランス映画も再評価されているのが嬉しいです。寒い冬の夜、古き良き時代の映画に浸って、時の過ぎゆくのを忘れるのも良いですね。それでは寒さがまだまだ厳しい折り、皆さん、風邪に気をつけて元気に過ごして下さい。

「美しい隣人」の第六話、渡部篤郎さんの「驚愕のへたれこみ」を観終わって、いよいよドラマが佳境に入ってきて、来週が待ち遠しいです。「美しい隣人」は主演の仲間さんだけではなく、脇役、とりわけ渡部さんがいい味を出していて、素晴らしいです。いやいや~、あの最後のへたれこむ姿はなかなかのものでした。昨日今日の役者さんでは出来ないナチュラルな名演技でした。

「女性の復讐物語」では、「死刑台のエレベーター」に主演したジャンヌ・モローさんの「黒衣の花嫁」も忘れ難いです。でも、「美しい隣人」をここまで観て、今、思うのは、これは復讐物語であると同時に、沙希という女性の「内面の崩壊のドラマ」のような気がしてきて、もうこうなると、19世紀フランス文学の「ボバリー夫人」の「心の崩壊ドラマ」と重なってしまいます。そして私の関心は、沙希の心の葛藤とその描写に移っています。それに巻き込まれていく人達も勿論、どうなるか興味はありますが、檀さん演じる主婦の行動は紋切り型で、むしろ沙希を見つめる青年の鋭い眼光の方がインパクトがあって、この青年はいったい何を考えているのだろうと気になります。因みに、ボバリー夫人は最後は服毒自殺を遂げますが、沙希は自分の人生にどのような決着をつけるのでしょうか。それにしても荒れ狂う暴力的な沙希とエプロン姿の可愛い沙希さん、そのものすごいギャップに仲間さんの女優としての力技と長いキャリアを感じます。やっぱり私は仲間由紀恵さんから目が離せません。


最新の画像もっと見る