まちづくりはFeel-Do Work!考えるより感じよう、みずから動き、汗をかこう!(旧“まちづくり”便利帳)

まちづくりの支援者から当事者へ。立ち位置の変化に応じて、実践で培った学びの記録。もう一人の自分へのメッセージ。

参加を促す効果的な5つの質問

2008-11-10 01:58:25 | まちづくりのキーワード
文献ではあまり見かけませんが、米国ミシガン湖の東に位置する人口約40,000人の街Muskegon市(ミシガン州)のコミュニティ活動は活発なようです。動画投稿サイトのYoutubeでは、Muskegonのコミュニティ活動が多数投稿されており、とても勉強になります。
Muskegonで活動するNPO/Sacred Sudsが作成した、コミュニティ活動関係者向けの教育ビデオから、「参加を促す効果的な5つの質問(Inviting Neighbors to Participate in Community Development)」をご紹介します(時間:3分11秒)。

Inviting Neighbors to Participate in Community Development
https://vimeo.com/121487830

Inviting Neighbors to Participate in Community Development from Holland Deacons' Conference on Vimeo.



動画で紹介される具体的な質問は次の5つです(多少意訳あり)。

1.この近所に住んでからどの位になりますか?
2.あなたのご近所であなたが好きなものは何ですか?
3.もしあなたが魔法の棒を持っていて、一つだけ変えることができるとしたら、何を変えますか?
4.その変化に、あなたが貢献できること(技能や能力)はありませんか?
5.もし、他にあなたと同じ考えを持つ人がいたら、その人達とパートナーを組んでみませんか?

さらに、この質問のポイントとして、以下の4つを挙げています。

1.ポジティブなことから始めること
2.関心に焦点をあてること
3.解決に貢献してもらうこと
4.近所の人と共に関与してもらうこと

このポイントの重要なところは、地域の好きなモノ・コトというコミュニティの資産と、地域に住む人材が持つ能力という資産、つまり地域の資産(Community Assets, Social Assets)に焦点をあてていることにあります。

これまで、まちづくりの常套手段として、地域の欠点や課題といった「ニーズ」に焦点をあてることが効果的だと、ずっと思われてきました。しかし、「ニーズ」に焦点をあてた地域活動は、地域のマイナスをゼロに戻す取組みに他ならず、また、人間の「ニーズ」には際限がないために、一つ解決しては次の欠点へと、常に欠乏感にさいなまれなければなりません。それだけでなく、欠点ばかりを意識した活動は、そもそも楽しくありません。楽しくないということは、長続きさせることが困難だということです。

一方、地域にある「資産」に焦点をあてた地域活動は、活動を進めるたびに、新しい資産(モノ・コト・ヒト)の発見があり、その発見を重ねることが、活動の喜びへと変わっていきます。そして、その積み重ねが、ゼロからプラス成長を確認する作業となり、地域に自信と誇りを甦らせるのです。
そして何より、地域の人材が持つ様々な能力(人よりちょっと詳しいことや得意なこと)が、地域社会の役に立つのだということを実感してもらえる「場」を提供することにより、個人とコミュニティの信頼関係が生まれ、貢献した本人も地域社会も、双方が幸せになれる道が見つかります。
このような後者のアプローチが、このブログで度々紹介している「Asset-Based Community Development」の基本的な考え方であり、世界各地の数多くのコミュニティで活用される所以なのです。

<参考>
Muskegon市の位置はこちら↓
Muskegon, Michigan
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