ブッダ全12巻漫画文庫手塚 治虫潮出版社このアイテムの詳細を見る |
<第6巻>
怪力しか取り柄のない醜い大男。
身寄りがなく、世間からバケモノ扱いされる人生をおくる中、唯一優しい心で接してくれた人を母のように慕っていた。しかし、その人も理不尽な理由で失ってしまう。
そんな自分を「一番不幸だ」と嘆く大男にブッダは語る。
「この世に幸福な人間なぞありはしない!」
「ずっとたどっていくがよい 誰もかれも 一人残らず みんな不幸なのだ」
この言葉に衝撃を受けた大男は、皆不幸なら、何故人間はこの世にいるのか、と問いただす。その問いにブッダはこう続ける。
「木や草や山や川がそこにあるように 人間もこの自然の中にあるからには ちゃんと意味があって生きているのだ あらゆるものとつながりを持って…」
「そのつながりの中で おまえは大事な役目を果たしているのだよ」
役に立たないと信じていた自分に、役目があると聞かされた大男は耳を疑う。
「もしおまえがこの世にいないならば 何かが狂ってしまうだろう」
手塚治虫さんが残してくれたこの素晴らしい作品の中で、最も心に響くワンシーンでした。
自分にも与えられた役目があると信じ、その役目を見つけ、その役目を果たすことが『生きる意味』なのかもしれません。
”はたして自分は「己の役目」を果たしているだろうか?”
自分を見失いそうになった時、自問自答したいと思います。
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