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Twitterで感想が流れていて、それを読んでいるうちに自分も読んでみたくなった。
手に取るまで、まさか上下で1000ページ近い作品だとは思わなかったけど(笑)
書店で上巻の中盤付近をパラパラと読んでみたら、自分でも読めそうだったので、購入。
第一章は「ちょっと失敗だったか…?」と思ったときもあった。
「飛びナメ」という生物の描写が凄く気持ち悪く、何度も鳥肌が立った。
これが食料…というのもぞっとしたが、「いや、こいつは食料なんかじゃない!」と思い込むことにした。
舞台は宇宙。
日本から海外に出るくらいの感覚で惑星間を移動出来るという世界。
「地球の古語」という言葉が何度か出てきたので、かなり未来の話になる。
出てくる人物、特に主人公の静香に味方する人間たちが魅力的で「飛びナメパニック」のところ以外では引き込まれた。
静香の覚悟と努力には頭が下がる思いだった。
それを見守る周りの人間たちの優しさがいい。
その静香が、自分が選択したとはいえ、どんどん記憶をなくしていく過程は辛かった。
戦いの中で次々に死んでいく仲間たち。
まさかこの人は死ぬことはないだろうと思った人物の死は衝撃だった。
ラストでは「良かった」と思うのと同時に「やっぱり人間って愚かだよな」と思わされた。
何度同じことを繰り返すのだろう。
彼らのやったことって、結局は「自己満足」だったんだろうか。
ハッピーエンドになるのかと思っていたから、ラストはちょっと寂しかったけど、生き残って欲しかった人たちは無事だったから良かった。
いや、「無事」と言っていいのか微妙なところもあるが、「生きていた」という点では「無事」と言っていいだろう。
読み終わった後、達成感があるかと思ったのだが、思っていた以上にアンハッピーエンドに近い結末だったから、
達成感というよりは、寂寥感の方が大きかった。
近頃は短編集を読むことが多かったのもあって、こういう長編に挑戦出来たのは良かったと思う。
もう一作品読んでみたい作品があるので、それも探してみよう。
そして、2月末には「黄泉がえりagain」が発売されるので、それも楽しみだ。