今年最初に購入した小説。
前からタイトルは気になっていたのだが、なんとなく手は伸びなかった。
新刊売り場に「3」が置いてあるのを見て思った。
「第3弾まで出ているってことは、面白いんだろうな」
1巻と2巻も探し出して3冊お買い上げ~。
1巻はそうでもないが、2巻と3巻は400ページ超で、なかなかの厚さ。
テレビドラマにもなっていたらしいが、残念ながら知らなかった。
タイトルを見ただけのイメージは、
・定時で帰るためには、なりふり構わず、仕事も選り好みする…
という感じだった。
見事に欺された。
・自分は定時で帰る。部下も定時で帰す。同僚も定時で帰す。出来れば上司も…。
そういう「信念」が貫かれていて、読み応えがあって楽しかった。
そんな主人公だが、第1巻で「残業地獄」に巻き込まれ、「定時」が1時間、さらに1時間と後ろ倒しになっていく。
その結果として消えることのない傷(物理的な物)を負う。
その傷は、2巻、3巻と出てくる。
第3巻では、「そもそもなぜ残業をするのか」という問題にも切り込む。
「残業代を盛り込んだ給与提示」は明らかにおかしいと思うのだが、実際にそういうところもあるのだろうな。
主人公が目指した「1の仕事を10時間(残業2時間)でやる人より、8時間(残業ゼロ)でやった人が評価されるべき」というのは、その通りだと思った。
残業しなきゃ生活できない、という問題にも切り込んでいて、ヒヤヒヤする面もあった。
読後感は良かったので、まだシリーズとして続くのなら読んでみたい。
文庫として出るのは、1と2、2と3の刊行年を見る限り再来年になりそうだが…。
自己評価の低すぎる主人公。彼女の頑張りに対して給料が低すぎるというのも一因だったか。
「在社時間」だけでなく、「業務内容」も評価されるような世の中になるといいな~。