今日は、チビクロのお話の続きです。
とても辛い内容かとは思いますが、ワンコを飼っておられる方には長くてもぜひ最後まで読んで頂き、そして考えて頂きたいと思い書きます。
チビクロとは毎日、朝晩2度のお散歩に行きました。(隣の田んぼの稲刈り後は、お昼休みに放して散歩して貰ってもいましたが)
彼にとっては、「お散歩先に在りき」で、お天気は関係ありませんでした。
雨が降っても雪が降っても必ずお散歩に行くのです。(雷は除きますが。)
工場の周りには田畑が多く残っているので、彼とのお散歩で、日々、季節の移ろいや生き物との出会いを肌で感じることが出来ました。
そんなチビクロに変化が訪れたのは2002年の初頭の頃でした。
咳が出始め、それがゆっくりとではありましたが、だんだんひどくなってきたのです。
暖かな春になっても咳は収まりませんでした。
そして、ある日、ひどい咳と共に、発作的に倒れてしまったのです。しばらく落ち着かせると、どうにか立ち上がれるようになりその後は、普通に散歩に行けたのですが。
そこで、近くの動物病院まで、歩いて行く事になりました。
車を使えば5分も掛からないくらいの距離なのですが、チビクロは車に乗るのが大嫌いだったので仕方なく、汗ばむ陽気の中を1時間以上かけてのんびり歩いて行きました。
初めての動物病院で、他の犬猫も居り、喧嘩は大丈夫かと心配をしましたが、どうにかそこまでにはなりませんでした。
診察室に入り、嫌がるチビクロを診察台の上に載せました。
症状を伝えると、まずは採血です。しっかり捕まえているとチビクロも諦めておとなしく採血を受けました。
その後、判定キットと顕微鏡でのチェックです。
判定の結果は疑陽性。チビクロはフィラリアに罹っていました。
呼吸に雑音があるのと、心音も若干怪しいようでした。
フィラリアは蚊を媒介として犬が感染する病気で、フィラリア原虫と言う生き物が、犬の体に住み着くのです。
そして増殖しながら体の中を蝕んでいき、最後には死に至らしめてしまう、犬にとっては恐ろしい病気です。
チビクロはこの病気に罹っていたのです。いつからかは不明ですが、この近所の犬も罹っていたので、長かったのかもしれません。
薬を使えば原虫を殺す事は可能です。しかし原虫が大きくなっていた場合、死んだ原虫が血管を塞いでしまうと犬自身も死んでしまいます。
獣医さん曰く、何匹フィラリアが体内にいるか不明な事とチビクロの年齢とを考えるとフィラリアはこのままにしたほうが良いとのことで、気管を拡張する薬と、血管を拡張する薬を出してくれました。
ちょうどこの年の春、義妹が大学を卒業し獣医としてデビューしました。そこで,彼女に相談したところ、フィラリアがこれ以上増えないようにする薬があるのでそれを飲ませ続けるようにと教えてくれました。
それからの約2年半、チビクロは月に1回のフィラリア薬と毎日の気管支と血管拡張剤の3種類の薬を飲み続けました。
(咳がひどいときには、ステロイド剤や利尿剤も併用しました。)
咳と時々倒れるという症状は変わらないままでしたが、今年の春までは元気でした。
ところがどうした事でしょうか?
春頃から徐々に歩き方がおかしくなってきました。右前足と右後ろ足、左前足と右左後ろ足を同時に出して歩く歩き方をしてみたり、疲れるのか?一寸歩いて立ち止まってみたり、と言った具合で、5月頃からは、散歩の帰り道にはフラフラ、ヨチヨチ歩いて帰るようになってしまいました。
そして5月中頃以降では、ツルツルした床で足を踏ん張って立つのが出来にくくなってきました。
6月に入りました。お散歩に出かけられたのは6月1日が最後だったと思います。2日になると、散歩には行きたいようなのですが、しんどいのか、一寸歩いただけで動けなくなってしまいました。
ドッグフードは少ししか食べなくなっていましたが、まだ、お昼のお弁当のおかずだけは喜んで食べていました。薬はおやつに入れて与えてもおやつごと食べなくなったのはこの日だったかと思います。
そして3日。とうとう自力で起き上がれなくなってきました。お水を飲むのもしんどそうです。もう食べ物は受け付けません。
夜には自分で水を飲めなくなりました。そこで、スプーンで口の所に持って行き飲ませてやりました。
夜も10時を過ぎ、遅い時間ではありましたが、義妹に連絡を取り、工場まで来てもらって診察と治療を施してもらいました。
やはり、かなり弱っており、黄疸症状も出てきているとのことでした。そして、チビクロの頑張りをほめていました。
そうそう、義妹が来る少し前、一度だけチビクロは自分で立ち上がり、おしっこをしようと数歩歩いたのですが、それが限界でした。ふらついて結局へたり込んでしまいました。
長い時間の点滴でしたが、チビクロはおとなしく治療を受けておりました。点滴の甲斐あってか、呼吸も楽になり少し元気になったようです。
チビクロを小屋の前に寝かしてやり、蚊取り線香を炊き、飲みやすいようにとチビクロのすぐ傍に水を置いて、義妹を家へ送る為にその夜は帰りました。
6月4日。大阪はこの日から入梅するとのことで、朝から曇り空でした。自宅の犬の世話をするとすぐに工場に来ました。
7時前後だったと思います。チビクロは小屋の前で眠っているようです。「ちびくろ!」と門を開けながら呼んで見ましたが振り返りません。
すぐに傍に駆け寄ると、ガーガーと大きないびきをかいています。今までこんないびきをかいた事はありませんでした。
揺すって見ましたが起きません。目は半分開いた状態です。<昏睡状態> 覚悟しました。
そしてずっと、チビクロと呼びかけ、声をかけ続けました。時々体をビクンとさせたり、呼吸を弱めたりしましたので、頭を持ち上げてやったり、体の位置を少し変えてやりました。
運命の8時20分・・・私の手の上に頭を乗せた状態でチビクロは静かに息を引き取りました。
ご苦労様でした。チビクロ。みんなの待つ天国へ迎えられたんですね。もうしんどい思いをする事はありません。
向こうで楽しく暮らして待っていて下さいね。
義妹にチビクロの事を伝え御礼を言いました。本当はこの日も診察に来てくれる予定でしたから。
でも妹は昨夜の時点で、本当はもう駄目だと言う事が分かっていたと話してくれました。そしてチビクロは本当に良く頑張っていたと改めてほめてくれました。
この1時間後、雨が降り始め、大阪は入梅しました。
辛いお話を披露しました。でもそれには理由があります。
もし、チビクロが若いうちからきちんとフィラリア対策してもらっていれば、きっともう少し長く生きれたはずでした。
工場の斜め向かいにも犬がおります。その中の1頭がチビクロより少し前に死にました。原因はフィラリアの進行により、お腹に水がたまり、衰弱死したのです。
この犬はもともと別の人が飼っていたのですが、そのときにフィラリアに感染したらしく今の所に貰われて来た時にはかなり進行していたようです。その後は、きちんと薬を与えられていましたが、ある日急変し、見る見るうちにお腹がパンパンに膨らんで、それから1週間しないうちに死んでしまいました。
お腹が膨らみかけた頃すぐに病院に連れて行きましたがもう手遅れだったようです。
そして、ジュディ、この犬にも薬は与えておりますし、蚊取り線香も炊いています。でも、先日、病院に連れて行ったとき検査を受けてみました。
陽性反応が出ていました。昨年、一昨年と、薬を与え始める時期が遅かった事と、与え忘れた月もあったらしいです。
そのわずかの間に、蚊にかまれ感染してしまいました。いいえ、飼い主の不注意が原因で感染させてしまったのです。
蚊取り線香だけで100%蚊を防ぐ事は不可能です。すぐ傍には必ずフィラリア原虫を持った蚊がいるのです。そして、知らずに感染し、体の中に原虫を持った犬達が。彼らの血を吸った蚊はまた、他の犬に原虫を感染させていきます。
この状況から自分の犬を守るには、きちんとフィラリア薬を与え、罹らないように予防してやるしかないのです。
考えてみてください、体の中に別の生き物が入り込み、中で増えて体を蝕んでいく状態を。
それが、自分の体の中で起きるとしたら。耐えられますか?
ものが言えない犬にとって、これはSF映画ではない現実なのです。
犬を飼っていらっしゃる皆さん、この日本では「うちの犬に限って・・・」はありません。今からでも遅くありません。大事な家族の一員の為、フィラリア薬を与えてない方はすぐに動物病院で検査を受け、薬を貰ってあげて下さい。
チビクロ、そしてジュディのような、不幸な運命を背負う犬をもうこれ以上増やして欲しくは無いのです。
お願いします、大切な家族の一員を守れるのはあなただけなのですから。
とても辛い内容かとは思いますが、ワンコを飼っておられる方には長くてもぜひ最後まで読んで頂き、そして考えて頂きたいと思い書きます。
チビクロとは毎日、朝晩2度のお散歩に行きました。(隣の田んぼの稲刈り後は、お昼休みに放して散歩して貰ってもいましたが)
彼にとっては、「お散歩先に在りき」で、お天気は関係ありませんでした。
雨が降っても雪が降っても必ずお散歩に行くのです。(雷は除きますが。)
工場の周りには田畑が多く残っているので、彼とのお散歩で、日々、季節の移ろいや生き物との出会いを肌で感じることが出来ました。
そんなチビクロに変化が訪れたのは2002年の初頭の頃でした。
咳が出始め、それがゆっくりとではありましたが、だんだんひどくなってきたのです。
暖かな春になっても咳は収まりませんでした。
そして、ある日、ひどい咳と共に、発作的に倒れてしまったのです。しばらく落ち着かせると、どうにか立ち上がれるようになりその後は、普通に散歩に行けたのですが。
そこで、近くの動物病院まで、歩いて行く事になりました。
車を使えば5分も掛からないくらいの距離なのですが、チビクロは車に乗るのが大嫌いだったので仕方なく、汗ばむ陽気の中を1時間以上かけてのんびり歩いて行きました。
初めての動物病院で、他の犬猫も居り、喧嘩は大丈夫かと心配をしましたが、どうにかそこまでにはなりませんでした。
診察室に入り、嫌がるチビクロを診察台の上に載せました。
症状を伝えると、まずは採血です。しっかり捕まえているとチビクロも諦めておとなしく採血を受けました。
その後、判定キットと顕微鏡でのチェックです。
判定の結果は疑陽性。チビクロはフィラリアに罹っていました。
呼吸に雑音があるのと、心音も若干怪しいようでした。
フィラリアは蚊を媒介として犬が感染する病気で、フィラリア原虫と言う生き物が、犬の体に住み着くのです。
そして増殖しながら体の中を蝕んでいき、最後には死に至らしめてしまう、犬にとっては恐ろしい病気です。
チビクロはこの病気に罹っていたのです。いつからかは不明ですが、この近所の犬も罹っていたので、長かったのかもしれません。
薬を使えば原虫を殺す事は可能です。しかし原虫が大きくなっていた場合、死んだ原虫が血管を塞いでしまうと犬自身も死んでしまいます。
獣医さん曰く、何匹フィラリアが体内にいるか不明な事とチビクロの年齢とを考えるとフィラリアはこのままにしたほうが良いとのことで、気管を拡張する薬と、血管を拡張する薬を出してくれました。
ちょうどこの年の春、義妹が大学を卒業し獣医としてデビューしました。そこで,彼女に相談したところ、フィラリアがこれ以上増えないようにする薬があるのでそれを飲ませ続けるようにと教えてくれました。
それからの約2年半、チビクロは月に1回のフィラリア薬と毎日の気管支と血管拡張剤の3種類の薬を飲み続けました。
(咳がひどいときには、ステロイド剤や利尿剤も併用しました。)
咳と時々倒れるという症状は変わらないままでしたが、今年の春までは元気でした。
ところがどうした事でしょうか?
春頃から徐々に歩き方がおかしくなってきました。右前足と右後ろ足、左前足と右左後ろ足を同時に出して歩く歩き方をしてみたり、疲れるのか?一寸歩いて立ち止まってみたり、と言った具合で、5月頃からは、散歩の帰り道にはフラフラ、ヨチヨチ歩いて帰るようになってしまいました。
そして5月中頃以降では、ツルツルした床で足を踏ん張って立つのが出来にくくなってきました。
6月に入りました。お散歩に出かけられたのは6月1日が最後だったと思います。2日になると、散歩には行きたいようなのですが、しんどいのか、一寸歩いただけで動けなくなってしまいました。
ドッグフードは少ししか食べなくなっていましたが、まだ、お昼のお弁当のおかずだけは喜んで食べていました。薬はおやつに入れて与えてもおやつごと食べなくなったのはこの日だったかと思います。
そして3日。とうとう自力で起き上がれなくなってきました。お水を飲むのもしんどそうです。もう食べ物は受け付けません。
夜には自分で水を飲めなくなりました。そこで、スプーンで口の所に持って行き飲ませてやりました。
夜も10時を過ぎ、遅い時間ではありましたが、義妹に連絡を取り、工場まで来てもらって診察と治療を施してもらいました。
やはり、かなり弱っており、黄疸症状も出てきているとのことでした。そして、チビクロの頑張りをほめていました。
そうそう、義妹が来る少し前、一度だけチビクロは自分で立ち上がり、おしっこをしようと数歩歩いたのですが、それが限界でした。ふらついて結局へたり込んでしまいました。
長い時間の点滴でしたが、チビクロはおとなしく治療を受けておりました。点滴の甲斐あってか、呼吸も楽になり少し元気になったようです。
チビクロを小屋の前に寝かしてやり、蚊取り線香を炊き、飲みやすいようにとチビクロのすぐ傍に水を置いて、義妹を家へ送る為にその夜は帰りました。
6月4日。大阪はこの日から入梅するとのことで、朝から曇り空でした。自宅の犬の世話をするとすぐに工場に来ました。
7時前後だったと思います。チビクロは小屋の前で眠っているようです。「ちびくろ!」と門を開けながら呼んで見ましたが振り返りません。
すぐに傍に駆け寄ると、ガーガーと大きないびきをかいています。今までこんないびきをかいた事はありませんでした。
揺すって見ましたが起きません。目は半分開いた状態です。<昏睡状態> 覚悟しました。
そしてずっと、チビクロと呼びかけ、声をかけ続けました。時々体をビクンとさせたり、呼吸を弱めたりしましたので、頭を持ち上げてやったり、体の位置を少し変えてやりました。
運命の8時20分・・・私の手の上に頭を乗せた状態でチビクロは静かに息を引き取りました。
ご苦労様でした。チビクロ。みんなの待つ天国へ迎えられたんですね。もうしんどい思いをする事はありません。
向こうで楽しく暮らして待っていて下さいね。
義妹にチビクロの事を伝え御礼を言いました。本当はこの日も診察に来てくれる予定でしたから。
でも妹は昨夜の時点で、本当はもう駄目だと言う事が分かっていたと話してくれました。そしてチビクロは本当に良く頑張っていたと改めてほめてくれました。
この1時間後、雨が降り始め、大阪は入梅しました。
辛いお話を披露しました。でもそれには理由があります。
もし、チビクロが若いうちからきちんとフィラリア対策してもらっていれば、きっともう少し長く生きれたはずでした。
工場の斜め向かいにも犬がおります。その中の1頭がチビクロより少し前に死にました。原因はフィラリアの進行により、お腹に水がたまり、衰弱死したのです。
この犬はもともと別の人が飼っていたのですが、そのときにフィラリアに感染したらしく今の所に貰われて来た時にはかなり進行していたようです。その後は、きちんと薬を与えられていましたが、ある日急変し、見る見るうちにお腹がパンパンに膨らんで、それから1週間しないうちに死んでしまいました。
お腹が膨らみかけた頃すぐに病院に連れて行きましたがもう手遅れだったようです。
そして、ジュディ、この犬にも薬は与えておりますし、蚊取り線香も炊いています。でも、先日、病院に連れて行ったとき検査を受けてみました。
陽性反応が出ていました。昨年、一昨年と、薬を与え始める時期が遅かった事と、与え忘れた月もあったらしいです。
そのわずかの間に、蚊にかまれ感染してしまいました。いいえ、飼い主の不注意が原因で感染させてしまったのです。
蚊取り線香だけで100%蚊を防ぐ事は不可能です。すぐ傍には必ずフィラリア原虫を持った蚊がいるのです。そして、知らずに感染し、体の中に原虫を持った犬達が。彼らの血を吸った蚊はまた、他の犬に原虫を感染させていきます。
この状況から自分の犬を守るには、きちんとフィラリア薬を与え、罹らないように予防してやるしかないのです。
考えてみてください、体の中に別の生き物が入り込み、中で増えて体を蝕んでいく状態を。
それが、自分の体の中で起きるとしたら。耐えられますか?
ものが言えない犬にとって、これはSF映画ではない現実なのです。
犬を飼っていらっしゃる皆さん、この日本では「うちの犬に限って・・・」はありません。今からでも遅くありません。大事な家族の一員の為、フィラリア薬を与えてない方はすぐに動物病院で検査を受け、薬を貰ってあげて下さい。
チビクロ、そしてジュディのような、不幸な運命を背負う犬をもうこれ以上増やして欲しくは無いのです。
お願いします、大切な家族の一員を守れるのはあなただけなのですから。