伯父宅のお向かいに、
私より1歳上のお子さんがいて、
何故だか、とても息が合ったから、
互いの家を行き来したりして、
よく遊んでいた。
一輪車の乗り方も、その子に教わった。
大人達も、互いに交流していた。
これは、偶然なんだけど、
ここのお宅の御主人は、
とある会社を大阪で経営されていて、
その場所が、父の職場の2軒隣だった。
なので、
最初から初対面ではなかったらしい。
ここまでの話を聞いていると、
何ら問題も無さそうに思えるのだが。
ところが、夜になると、
この光景は一変するのだ。
お向かいのご主人は、
お酒を一口でも飲めば、豹変するので、
そこの奥様が、着の身着のままで駆け込んで来られるのだ。
最初、どなたか分からなくて、、、。
なにしろ、奥様のお顔が、
「四谷怪談の、お岩さん」の様になっておられて、
痛々しくて、
とてもじゃないけど見ていられない。
奥様は、伯父宅のエントランスに入られると同時に、
「鍵」を閉められる。
3人のお子さん達は、それぞれ散らばって、
必死に外へ逃げてく、、。
その理由は、、、
御主人が、
ものすごい形相で追い掛けて来られるのだ。
お越しになられても、鍵が掛かっているから、
伯父宅のドアをドンドンドンドン!と叩き続けられる。
「お前ら全員、抹消してやるからな!!」と、叫んでおられて。
エントランスからは、ガラス越しに、
御主人のシルエットが見えるので、
とてもとても恐怖で、、、。
ってか、
お向かいの御主人は、
昼間、とても穏やかな方で、
お仕事に対しても、かなり熱心らしい。
その奥様は、元女優さんで、
近寄ったら、
汚れるんじゃないかな?と思うくらい、
メチャ×2、美しい女性だ。
そこのお家は、
ヨーロッパの、お城のような感じなんだけど、
室内にお邪魔させて頂くと、
キャビネットのガラスが割れて倒れているし、
ダイニングテーブルも裏返っているのだ。
とにかく、グチャグチャ!!
で、
こういうことがあると、数日後には、
毎回、必ず家族旅行に行かれるのだ。
うーん、月に1~2回位かな?
海外や日本各地へ。
冒頭に書いたお子さんが言ってた。
「旅行なんて行かなくてもいいから、
2度と暴れないで欲しい!」と。
多分、これが本音だったんだろうなぁ。
まぁ、機嫌が良くなる飲酒なら、
たくさん飲まれても良いけど。