私が子供の頃のこと。
母方の伯父達が、
祖父との親子で言い争いをしていたことがあった。
その場に同席していた父は、
伯父達へ言った。
「親父が生きてくれてるから、
意見のぶつけ合いが出来る。
でも俺は、
3歳で親父を亡くしたから、
親父の声すら知らないし、
反発することも、怒られることもない。
親父は、俺が迷った時とかに、
何と言ってくれるかな?とも何度も思った。
俺の子供達を見せることも出来なかったし、
父親として、どのように接したら良いのか、
その見本がないから、手探りでするしかない。
だから、反論したり意見を言える息子と、
その返答として、
アドバイスをくれる親父がいる姿が羨ましく思う」
すると、
伯父達と祖父の言い争いは止まった。
伯父達は、自分たちの人生なんだから!
という思いがあるし、
祖父は、親の思い描いたようになって欲しい。
こうなると、互いの言い分が交わることなく、
ずっと平行線を辿ることになってしまう。
詳細は控えるが、大まかに言うと、
こんな感じで揉めてた。
父と息子、別人格なんだから、
意見が違うのも当然のことだと思う。
でも父には、
それさえも出来なかったから、
揉めてる姿も輝いて見えていたのだろう。
父と兄では、どういう感じだろう?
父は、私にも同じだけど、子供達に対して、
買って欲しい物がある場合、
正当な理由が無ければ絶対に許さなかったけど、
それ以外は、威張ることも一切なく、
子供達の意思を押さえ付けることもしない。
フレンドリーだったと思う。
兄の友達にも、私の友達にも、
「めっちゃフレンドリーな親子やなぁ」
と言われてた。
兄の友達が、
兄と遊ぶためにいらしたのかな?と思ったら、
「親父さん、居てる?
ちょっと相談したいことがあるから」と。
この友達のお家は、
お父様がとても厳しく、不仲なんだけど。
父とは、息が合うらしく、、。
息子の友達からも頼られる!って、
日頃から、
よほど理解を示していないとダメだろうし。
今、振り返ると、
父は、父親を知らないから、
自身が、
父親としての理想像を追求していくうちに、
いつの間にか、
友達のような親子関係が築けたのかも知れない。