「Get Rhythm!」
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Blind Blake
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ラグ・タイム・ギターの第一人者ブラインド・ブレイクです。 いやぁ~このひとも凄い。 このひとの音楽には全く”闇”が無い。 ひたすら”陽”なんですな。 そして、同時代のブルースの巨人たちが持前の強烈な”個”によって孤高であるのに対して、このひとの場合は、磨き上げた”テクニック”によって他の追随を許さんのですな。
変幻自在なコードワークと、超絶フィンガー・ピッキングによって湧き出す、洗練されたフレーズは、まるでひとつひとつの音符が踊っているのが、そこに見えるよう。 決して聴衆を平伏せされるようなテクニックではなく、人柄同様とっても朗らかでオープンなんですなぁ。 なもんで、シンコペーションに乗って体は自然とリズムを刻みますがな。
基本ギター一本の伴奏と歌のみ。 似たような調子の曲が多いんで、フツーのブルース・アルバムだと「うん?さっき聴いたやんけ、この曲・・・」てなこともありますが、このひとの場合、心配無用。 底なしの引出しを持っておられるようで、ギター・フレーズの豊富なこと、豊富なこと。 なかには『C.C. Pill Blues』のような、クラリネットらしき管楽器と、ノコギリ(?)をバックに、「ちょいとブルースでもやってみるか」みたいな調子はずれな奇曲もありますが。
あとギターの音がめっちゃいいんですわ。 アコースティック・ギターの音は、あんまり阿呆烏の好物ちゃうんですが、このひとと、内田勘太郎の音は、いつ聴いてもよい!
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最後に、このアルバムのなかでは異色の小唄調『You Gonna Quit Me Blues』は時代を超えた名曲!