「彼誰時」
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Blind Lemon Jefferson
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シカゴで謎の死を遂げるのが'29年ですから、~その4~から採りあげた巨人たちと活躍したのはほぼ同時期となりますなぁ。 が、おそらく、モダン・ブルースのスタイルに一番肉薄していたのが(つか、スタイルを築きあげたのが、というべきか)、ブラインド・ウイリー・ジェファーソンちゃいますやろか。 12小節、3コードの法則からいうと、幾分奔放すぎ、まだ「ぶるーす彼誰時」てな感じですが。
ピアノをバックにいなたく歌い上げる『Rising High Water Blues』や『Teddy Bear Blues』なんかは、モダンな香がプンプンしちょります。
あと今のポップ・ソングでも通用しそうな艶っぽい歌詞を書いとるんですよねぇ。
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憂いを帯びたハイトーン・ヴォーカルは、前述の巨人たちと比べ、とてもテクニカルな歌い回しで上手い。 聴き手それぞれの好みがございましょうが、歌の上手さは一番ちゃいますやろか。 泥臭さが無く、洗練されたギター・スタイルと合わせ、商業的な成功を収めた要因でしょう。 なんやこの歌を聴いてると、後ろから追いついてきたロバート・ジョンソンが、ひょっこり顔をのぞかせそーです。 あのヤ●ザ顔が。
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そして、阿呆烏が採りあげたいのが『Match Box Blues』。
靴音が刻むリズムと、低音弦のシンコペーション。それに乗っかる高音弦が発する奔放なフレーズ。 グイグイきます! 『That Crawlin’ Baby Blues』でも聴くことができますが、キース・リチャーズが初めてロバート・ジョンソンを聴いたとき「もうひとり別なギタリストがいるのかと思った...」という、あのスタイルをここでも体験することができまっせ。
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