竹林亭白房

昇也「藪入り」★落語

□本日落語一席。
◆春風亭昇也「藪入り」(寄席チャンネル『夢 寄席』)。
新宿道楽亭、令和5(2023)年1月24日(春風亭昇也・笑福亭べ瓶二人会「どんなことになりますか」)。
つい最近、林家たい平でも聞いた「藪入り」。鼠を捕まえてもらった懸賞金の話をマクラで振って、落げの「忠のおかげ」につなげるという定型だが、上方落語ではめっきり聞かれなくなった型だ。ちなみに、2011年以後、上方落語で「藪入り」を聞いたのは十席で、すべて桂福團治による高座である。
さらに、2005~2010年ではどうだったんだろうと思って調べてみると、ここでも、やはり桂福團治のみ五席だった。

してみると、自分は、落語を聞き出してから、桂福團治以外では、上方落語の「藪入り」を聞いていないのだろうか。さだかな記憶がない。
いずれにしても、福團治の「藪入り」は、落げをつけない、純粋な人情噺として語るものである。ずっと昔はつけていたが、だんだん噺を洗練させていって、いつのまにか今のような型になった。

そして、上方で他の落語家が「藪入り」を演らないというのは、桂福團治に遠慮しているということだろうか。今後、もし上方落語で誰かが「藪入り」を演ることになっても、それは桂福團治型を継承していくのだろうか。興味深いところだ。
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