竹林亭白房

青森「バスルーム心中」★落語

□本日落語一席。
◆三遊亭青森「バスルーム心中」(BSよしもと『若手創作落語の会』#24)。
東京浅草雷5656会館、令和7(2025)年1月4日収録(「新春!若手噺家寄席~江戸落語と上方落語~」第一部)。
バスルームにあるシャンプーとコンディショナーを中心に、ボディソープなども加わって会話が展開されるというナンセンス落語である。

この人間以外のものを擬人化させて、物語を展開させていくというフォーマットを作ったのは、もしかして桂三枝の「鯛」が嚆矢になるのだろうか。桂小春團治の「冷蔵庫哀詩」というのもあったなと思って、自分の鑑演記録を調べてみた。
したところ、自分が初めて小春團治の「冷蔵庫哀詩」を聴いたのは2006年だったが、もうこの年の時点で、「鯛」は東西の多くの落語家によって手がけられていて、半古典化している様相だ。

むしろ気づいたのは、鑑演記録に三枝自身が演じた「鯛」を聴いたものが出てこないということだった。「鯛」はそれくらい古くから三枝によって創られたものだったということになる。小春團治も、もしかすると、この「鯛」にインスパイアされて「冷蔵庫哀詩」を創っただろうか。

以後、柳家喬太郎の「母恋くらげ」や、三遊亭白鳥の「任侠流山動物園」など、人間以外の生き物を擬人化した落語は次々と創られた。
青森は白鳥の弟子だから、もしかすると、白鳥の「任侠流山動物園」の手法を参考にしたのかもしれない。しかし、シャンプーとコンディショナーは、生き物ではないので、近いと言えば、小春團治の「冷蔵庫哀詩」かもしれない。

いずれにしても、もう源流が曖昧になるくらいに、落語のこの型は、パターン化されているのだ。そのはじめが、三枝の「鯛」だったというなら、やはり三枝はリスペクトされるべき落語家なのかもしれない。

◆月亭希遊「走馬灯株式会社」(BSよしもと『若手創作落語の会』#24)。
東京浅草雷5656会館、令和7(2025)年1月4日収録(「新春!若手噺家寄席~江戸落語と上方落語~」第一部)。
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