三代目権太楼「幽霊蕎麦」★落語

□本日落語三席。
◆三代目柳家権太楼「幽霊蕎麦」※作:本田久作(NHK総合『立川志らくの演芸図鑑』)。
東京渋谷NHK放送センター、令和5(2023)年11月19日OA。
権太楼にはめずらしい新作落語である。ネットで検索したところによると、落語協会台本募集で2006年に優秀賞を獲得した作品らしい。で、翌2007年の圓朝祭りで奉納落語に選ばれて上演された由。

腐ったはんぺんを食って死んだ男が、女房のもとへ幽霊として出てきて、法事を営んでくれないから成仏できないと訴える。女房は、金がないから法事ができないので、法事をやってほしければ自分で稼げと言われて幽霊の男が蕎麦屋をやるという噺。

幽霊のやる蕎麦屋は、客とのやりとりで「時そば」のような噺にしたり、「お菊の皿」のような噺を取りこんだりするという展開。
落げは、「時そば」そのものの噺にもちこんで、これがやりたかったという幽霊の言葉で落げである。

ただ、ネット検索によって知った落げは、女房が鰻や天丼のような食い道楽に走っていっこうに法事の金を貯めようとしないので、客に「ゲテモノ食いだ」と言われ、「鰻・天丼がゲテモノか」という幽霊に、客が「お前という人を食っている」と言った落げだったらしい。
これは確かになんだかわかるようなわからないような落げだ。けれど、権太楼が拵えたらしい落げもどうも今ひとつキレがない。この作品が優秀賞なのかという思いは残る。

◆『笑点』若手大喜利：林家木久扇(司会)/蝶花楼桃花・柳亭小痴楽・立川晴の輔・林家つる子・鈴々舎馬るこ※座布団運び:林家けい木(日本テレビ『笑点』第2886回)。
後楽園ホール、令和5(2023)年11月19日OA。

◆『笑点』大喜利：春風亭昇太(司会)/三遊亭小遊三・春風亭一之輔・林家たい平・林家木久扇・三遊亭好楽・桂宮治(日本テレビ『笑点』第2886回)。
後楽園ホール、令和5(2023)年11月19日OA。