えんじゃけん

逆鱗

野田マップの「逆鱗」観てきました。


ネタバレありです。

 

実は今日で2回目です。

以前、今日まで我慢できず、当日券で見に行ったんです。

人魚の話ということで、少しファンタジーを期待していたのですが、

話が進めば進むにつれて、ファンタジーではないことにだんだん気づいていく。

人魚はおとぎ話の人魚ではなく、人間魚雷のことだったのには本当に驚きでした。

一回目は最初はお気楽に見ていたのですが、二回目見た時、最初からそれを匂わすものが

ちゃんとあって、やはり野田は少なくとも二回は見たいなぁと思いました。

人間魚雷についての記事がありました。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~t-senoo/Sensou/ningen_gyorai/ningen_gyorai.htm

冒頭文より~

 山口県周南市大津島。太平洋戦争の末期、海軍が開発したある秘密兵器が次々と運び込まれた。その兵器に乗るために、全国から400人の若者たちがやってきた。秘密兵器の搭乗員を募集するとだけ聞いて志願してきたという。
 秘密兵器人間魚雷回天。人間もろともに体当たりし、命と引き換えに敵艦を沈める極限の兵器である。搭載された爆薬は、空母をも沈められる破壊力を持つといわれた。出撃すると二度と生きては帰れない。終戦までに、104人もの搭乗員が海に散っていった。
 太平洋戦争末期に行われた、海の中の特攻人間魚雷回天の真相に迫る

結構、ここに書かれていることに忠実に台本が書かれていたように思います。

劇中にKAITENって出てきて、どういうことなんだろうと思っていたんだけど、

この人間魚雷の名前が回天(KAITEN)だったんだなと上の記事を読んで分かりました。

人間魚雷の話はなんとなく知っていて、そう考えると、自分は幼いときに結構戦争の話を聞く

機会があった方なのかなぁと思いました。

そして、この人間魚雷の訓練基地があったのは、瀬戸内海ということでそれには驚きました。

その基地が今も残っているらしく、回天記念館という名でその当時の資料が展示されているようです。

■回天記念館(水曜日休館)山口県周南市

回天訓練基地跡

人間魚雷「回天」 

太平洋戦争の末期、“天を回らし、戦局を逆転させる”という願いを込めて、人間魚雷「回天」は誕生した。
 
 これは、魚雷に大量の爆薬を搭載し、隊員自らが操縦して敵艦に体当たりするという特攻兵器で、隊員の訓練基地が置かれたここ大津島には、全国から20歳前後の精鋭たちが集まり、毎日厳しい訓練を繰り返していた。そして、窮地に立つ祖国を守るため、多くの若者がここから出撃していったのである。
 
 今を生きる私たちは、人間魚雷「回天」の史実をここに記し、祖国と愛する者たちのために自らの命をかけた彼らの後世への想いを、永く語り継いでゆかなければならない。
 人類多年の悲願である永遠の世界平和実現のために。

 交 通
JR徳山駅(南口)から徳山港まで徒歩2分
 ↓
徳山港から馬島港までフェリー44分・高速船18分                                        
 ↓
馬島港から回天記念館まで徒歩10分

周南市回天記念館(水曜休館)
〒745-0057  周南市大津島1960 
TEL・FAX:0834-85-2310

機会があったら行きたいなぁと思います。

入館料300円だそうです。

とにかく戦争という集団心理によってはむかうわけにいかない状況下で、

命を落とさざる終えなかった、抵抗できなかった。

人間魚雷は敵の艦隊に当たる成功率が低い、無駄と分かっていても出撃しなければならなかった。

それも、身動きとれない狭く暗い魚雷の中で。

ものすごい孤独感だったろうと想像の域をはるかに超え。

爆破する時間になても爆破せず、どこに進んでいるのかさえ確認できず、

空気はだんだんと薄くなり、意識が消えていく。

回天の資料に載っていたのだけど、意識がなくなって前かがみになると自爆装置が発動するんだそうです。

成功しようが失敗しようが死は確実ということです。

 

芝居を観ながら思うのは、もう2度とこのような理不尽なことは行われてほしくないということ。

野田さんは最近ずっと戦争に関係する作品を作り続けているけれど、

それはとても意味のあることだと思います。

観ててつらく、重くはあるのだけど、大切なことのように思います。

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