えんじゃけん

「告白」感想!その2

まだ感想が書き足らず・・・。


書きながら頭を整頓している感じです。


昨日,本当は映画のあと,髪を切りに行こうと思っていたのですが,
かなり疲れてしまったのか,すっかり寝込んでしまってました。
はい,それで髪は切れずじまいです。

(ネタばれありです。)



さて,この映画。
まずは出だしから驚かされました。
とにかく,学級崩壊な感じのクラスの中で森口先生が生徒がきいていようと
いまいと淡々と話し続ける。
そんな中で自分も騒がしい教室の中の1生徒のような感覚になりました。
先生の言ってることが聞こえない。(汗)
それが続くんですよ,結構な時間。
そんな中にいると,本当気持ちがイライラしてきます。
その映像演出だけでクラスの状態がわかります。
けど,そんな中でたんたんと話し続ける森口先生。
そのアンバランスさが本当に効果的で面白かったです。
よくある映画やドラマのパターンで言葉で状況を解説して入るものって
あるじゃないですか,すごく不自然なセリフ回しだったりして,
それが気になることがあるんですけど,この入りは全く違和感なく,
いろいろな情報を見ている間に与えてくれる,そんな感じでした。

そして,犯人探し的な映画かと思っていたのですが,
最初から犯人は分かっているんですよね。
それもびっくりしました。
もう,犯人が分かっているのに,この先どうすすむんだ?と思っていたのですが,
それぞれの想いと行動をクローズアップしていくんですよね。
それと同時に物語は進展していく。
どの人も切ないんですよ,個々でみると。
どの人も,大切な人への愛であふれているんです。
表現の方法は様々ですけど。

少年Aは母に振り向いて欲しかっただけ。
少年Bは母の期待にこたえたかっただけ。

ただその方法がよくなかっただけ。

あとで分かる真実だけど,

少年Aは森口の子を自分の優秀さを示すために発明品で殺すつもりが失敗した。
少年Bは森口の子を最初は殺すつもりがなかったが,
結局自分のエゴのために殺した。

そして,

少年Aはのちに,原始的な方法(ビンで頭を殴る)で少女を殺す。
動かなくなっても執拗に何度も殴って殺す。
自分が自分以下だと思ってた人間より劣ってないことを証明するかのように。
少年Bは,母を殺す。
でも,なんとなくなんだけど,殺すつもりはこのときはなかったんじゃないかな。
自分から血が流れ,パニックになってしまったのが強いのかなって。
ここはもう一回,見て確かめたいところだけど,
少年のこのときの動きがナイフを振り回して近寄るなって感じに見えたんです。
最後まで,母には自分のエイズをうつしたくない思いがあったんじゃないかと思うので。
けど,母親が息子に近寄っていったため,その振り回したナイフにあたって
死んでしまった。
これは,森口が経験した「失うつもりでなかったのに,失ってしまった」
「自分の不注意で失ってしまった」と通ずるものがある。
だから,少年Bへの復讐はここで終ったのだろう。

そののち,少年Aは母を自らの手で殺すことになる。(これは現実かどうか
あいまいなところだけど)
これも,森口が経験した「失うつもりでなかったのに,失ってしまった」
「自分の不注意で失ってしまった」と通ずる。
ただ,森口と違うのは,二人の少年はその段階で自分の行為を自分のせいだと
悔いている点ではないだろうか?
どうしようもなく自分を責めている。
体全体で苦痛を叫んでいる。

けど,森口は自分が娘をほったらかしにしていたことが原因で起きた事件を
殺そうとしたor殺した少年たちに罪をすべて押しつけているように思えたんです,
自分のことはさしおいて。

そのことにラストになってやっと森口自身も気づけたんじゃないかなと
私は思いました。
だから,あそこから,森口自身も本当の更生が始まるんだと思います。

この映画,話しても話してもまとまんない感じがします。

いろいろな角度から話したくなるような映画です。
登場人物みんなが抱える心の闇は実は同じではないか?とも思えるし,
それが同じであることが,もしかしたら,今現在の私たち全員の心の闇も
同じで,解決の糸口がこの映画の中にあるのではないかとか。

情けない話,私自身もたまにふとですが,このまま死ぬのかなぁと
思うことがあるんですよね。
もし,このまま死ぬなら今だろうが先だろうが変わらないなぁとか。

でも,この映画の登場人物たちは方向性は違ったとしても,
自分の想いを実現しようとして,世界を変えていけたんですよね。
そう,自分が動けば世界は変わるんです。
そして,それは人にへも影響を与える。
自分の存在を無と思っている人はそれは単に思い込みなんですよね。
傷つくのが怖いから無であろうとするだけで,傷つくことを
恐れなければ,いろいろな新しい世界が自分を待っている。
捨て身で生きてみれば,きっと新しい光が見えてくる。

人間,死ぬ気になればなんでもできてしまう生き物なのかも知れません。
だからその力をマイナスな方向に使うのではなく,
多くの人間が幸せに感じる方向へ使えればいいのではないだろうか?

少年Aが言います。
いいことをしたって,世の中は大きく認めてくれない。
悪いことの方が大きく取り上げられてしまう。

たしかに,今,そんな社会です。

でも,そんな社会を変えていけたらどんなに素敵だろうか。
いいことはもっと認められるべきなのだと思う。
私自身もついつい,悪い面に目が行く傾向があるけど。
よい面が大きく受け入れられる社会になれば,
どんなに幸せに感じる人間が増えるだろう。

しかし,今だからそう思うので会って,
実際にそういう世界になれば,また新たな心の闇は生まれるのだろう。
そのときは,またみんなで模索していけばいい。


今現在の私が思いつく答えがこれです。
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