ご一緒させていただきました!
TOHOシネマズ12時の回です。
その日,舞台挨拶が3回あったそうですが,その中の一番最後の回です。
さて,映画「告白」の感想ですが・・・。
こっからネタばれありですので注意!!
いろいろな人の告白によって物語がつながっていく感じです。
もし,仮に,この世の中に映画の中ほど自分あるいは他人の「死」をもってしか,
自分を表現できない人間,あるいは,生きることに価値を見いだせない
人がたくさんいるなら・・・・。
少年A,少年Bは確かに,人を殺しました,殺そうとしました。
そして,それに対してのクラスメイトたちの行動。
少年A,Bを裁きだといじめるのですが,それは罪ではないのだろうか?
そして,それ以前から行われているいじめ。
そのいじめと殺人との差はなんなんだろうか?
根本的なところでは,同じなのではないかと思いました。
そう,あのクラスの子たちも,少年AもBも,そして復讐をする森口先生も。
どの人間も何かしら大切だと思えるものは持っていたんじゃないかと思います。
だからこその殺人,だからこそのいじめ,だからこその復讐。
どの人もひとりひとりクローズアップしてみていけば,
誰が悪人で誰が善人なんてないように思います。
けど,でも,だからって自分の思いを願わせるために,
または歴史を守るために,他人の想い(命)を踏みにじるのは
それは自分勝手なのだと思う。
自分と同じように,人それぞれに思いがあり,歴史があるのだから。
自分だけが悲劇のヒロインではない。
あと少年の母に対する思いっていうのにも強いものを感じました。
もちろん,母の子に対する強い思いも。
その思いを大切にするがあまり,自分を守るがあまり,
結局は何かがくるっていってしまう。
森口先生の復讐は少年Aと少年Bを精神的に追い詰めていきます。
二人の少年を追い詰める森口も,また,その子たちの命を軽んじてるんですよね。
一番最後の松さんのアップのシーンですが,
あの表情,なんていうのかなぁ。
短いシーンなんだけど,表情を微妙に変えるんですよね。
あの瞬間,何かがはじけたような感じをうけました。
きっと森口先生の中でなにかがはじけた。
何かを失った。
大切なものを失うときの音・・・「パチン」「ドッカーン」
あの瞬間,音はしなかったけど,何かが壊れた気がしました。
彼女の中の憎しみが壊れた瞬間かなぁ・・・。
すごく複雑な表情を表現してますよね。
この映画,とにかく出だしが松さんの莫大なセリフから始まるのですが,
最後も電話での長いやりとりがあるのですが,そのあとのこの
松さんのアップの表情。
どんなたくさんの言葉よりも気をひかれるシーンでした。
あの表情の中に一体,何があるのか気になってしまう。
んで,最後のセリフ「なんてね」。
この「なんてね」も結構,いろいろ考えさせられてしまいます。
「これが私の復讐です。本当の地獄・・・ここから,あなたの
更生の第一歩が始まるんです」
このあとの「なんてね」。
自分がそんなことの言える立場じゃないって感じの「なんてね」
なのかなって私は思いました。
あと,森口先生は自分の子供が死んでしまったことに対して,
認めたくないけど自分の中でどこか自分のせいだと思ってた
ところもあると思うんです。
子供を保健室におきっぱなしにして,自分の子がその時間どんな時間の
過ごし方をしていたかを全く知らなかったというセリフがあるんですよね。
そのせいで死んでしまったってこともあると思うんです。
自分の監督不届きのゆえ,子どもを死なせてしまった。
その思いのやり場をこの復讐にもってきた部分もあるのかなぁって。
大切なものを失ったとき,それを自分のせいだと受け止めるのは
容易なことではありません。
しかし,ラストの少年Aに森口はそれをつきつける。
そしてその絶望に陥る少年Aをみて自分をふりかえったのかなって。
人につきつけながら,自分はそれから逃げていたっていうのかな。
その自分の思いから逃げるために復讐という名のもとに動いてた自分。
そんな自分に笑ってしまったのかな。
だからあんな悲しいようなでも慈悲溢れる目だったのかなって。
大切なものを自らのせいで失った辛さというのは,経験がないと
わからないものだろうと思う。
少年法で罪にならない少年たちに命の重さを教えるには,
実際にそれに値する経験をさせる必要があるのかもしれないが・・・
でも,彼女は実際に復讐していく中で,それが正しかったとは
最後思えなかったんじゃないかなと。
結局は自分自身も自分のエゴで生きているんですよね。
実際,自分の復讐のせいで,何人か失わなくていい命を
失う結果になってしまったのだから。
やっていることは少年A,Bとそんな大差ないんですよね・・・。
舞台挨拶の様子については,また別記事で。
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