ネタバレでいきます。
この舞台には彼岸花が出てきます。
曼珠沙華ともいいますね。
結構、この華がキーポイントになっているのかなぁって。
この花については以前に調べたことがあるのですが、
いろいろな呼び名があるんですね。
死人花(しびとばな)、地獄花(じごくばな)、
幽霊花(ゆうれいばな)、剃刀花(かみそりばな)、
狐花(きつねばな)など。
舞台の中でも「死人花」という言い方で出てきます。
この彼岸花は猛毒を持っているんだけど、
昔、戦争中は非常食として使われていたんだそうですよ。
だから、実は悪いイメージだけのものではないんですよね。
そして、この猛毒は害虫、害動物から畑や墓場を守る役割をも
担っているんですよね。
あと、韓国では彼岸花のことを「相思華」いい、
これは彼岸花が花と葉が同時に出ることはないから
「葉は花を思い、花は葉を思う」という意味なんだそうですが、
この相思華としての説明も台詞で出てきます。
さいごのシーンでは、彼岸花の華だけが落ちたものが、
沢山、出てきます。
最後のシーンでの父親が華、カオルが葉って感じなんでしょうね。
でも、思うのですが、相思相愛が同時にって実はあんましありえなくて、
結構、この彼岸花状態なことが世の中多いような気がします。
って話が少しそれましたが、
あの最後のシーンの花の赤が死や血をも連想させ、不気味でもあるけど、
でも、美しくも感じさせ、結構好きなシーンだったりします。
心の傷からあふれ出す感情、感情は形がないもので、水のようなもの。
その水、つまりは感情がが赤く染まるかのごとく、
沢山の彼岸花で覆いつくされる。
それは、華である父親を好きだったと受け入れたことをも意味するし、
同時にそれに対する感情の死(区切り)をも意味しているのかなぁって。
そんな風に思いました。
前も書いたけど、受け入れたくないことに目を背けずに受け入れる事は、
それへの区切りをつけること、つまりは、それを乗り越えての
新たな出発点に立つことだと私は思っています。
それが、この芝居のラストのように思います。
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