Retina Photo創作にとって
ホワイトバランス・ブラケット撮影は重要です。
これまで何度もカメラまかせで撮影した写真と
多少なりとも僕が見ていた情景に近づけた作品とを
それぞれ見比べて頂きました。
実は先日遠くからいらしたお客様に
「色撮り」と題して
「科学的写真術講座」を開講しました。
自分がその場で見ていた風景に
少しでも近づけた作品創りをしましょうという講座です。
要は「Retina Photo」を創作してみましょう
そんな感じの第一回公開講座でした。
皆様の真剣さにこちらも少々緊張致しました…笑
でも最後は皆笑顔で
「とても勉強になりました…。」
「凄く楽しかったです…。」
などと感想を述べて頂きまして僕もホットしました…(#^.^#)
遠くから来て頂きまして
ほんとにありがとうございました!
皆様のこれからの写真ライフにとって
今回の講座が少しでもお役に立ったなら嬉しいですね!
・・・・・・・・・・・・
さて、自分の眼で見ている風景に
少しでも近づけようという「Retina Photo」の創作。
今日はその重要ポイントを書きます。
「撮影と現像」
大きくこの二つに分かれる訳ですが
もちろんどちらも大切です。
言うまでもありません。
しかし後から撮り直しが出来ない。
また人間の色に関する記憶は曖昧である。
その事を考えますと
撮影時にいかに多くの「色」を正確に撮れるかどうか
実はこの事が最も重要であると気がつくはずです。
もっと具体的に書くならば
撮影現場において
色のパーツ
例えば空の色、雲の色、雪の色等
出来るだけ多くの色をカメラに
しかも可能な限り自分が見ている色に近づけて記録させるのです。
フィルム時代と違い
現代のデジタルカメラではそれが可能です。
では早速次の写真をご覧下さい。
カメラでオート撮影したそのままです。

Retina Photo の創作において
カメラまかせで撮ったこの写真で役立つのは
何でしょうか?
答えは構図です。
要するにこの写真がフレーミングした元画像であり土台です。
色に関しては全くダメです。
役立つのは明暗のコントラスト。
そして階調表現等の情報です。
実際にはこの場面でホワイトバランスを変えて
上記の写真とは別に5枚撮影しました。
まず空の色を確認するために一枚。
オレンジ色の雲の正確な色を知るために一枚。
そして当然雪丘の色を記録するために一枚。
さらに部分的に拡大して撮影し
もっと正確な色と階調を測定記録させるのに2枚。
結局上の写真も含めて合計6枚撮影しています。
フィルム時代では絶対に出来なかった撮影現場での色合わせ。
要するに撮影された色と自分がその場で見ている色との整合性
それをその場で確認記録できる時代なのです。
人間の記憶という曖昧な部分に出来るだけ頼らないようにする。
これが今後も考えていかなければいけない重要ポイントです。
その6枚の写真から1時間ほど現像して創作した作品が次です。

★Kent Captures a Color for Spring - 北海道美瑛町
もはや言葉は必要ないと思います。
また6枚の写真を使うといっても
合成したわけではありません。
あくまでも一枚の写真を「現像」して創作します。
カメラはOLYMPUS OM-D E-M5
レンズはセット販売の標準ズーム12-50mm使用。
使うカメラなど一眼なら何でもOKです。
大切な事は新しい発想で撮る。
新しい技術で現像する。
それだけです。
今回はホワイトバランスのブラケット撮影
その重要さについて書きました。
ケント白石
「Kent Shiraishi Photography」
追伸:
質問が予想通り多数来ましたが
僕には時間がなくお答えできません。
申し訳ないですが・・・。
ただ次の質問には簡単に答えさせて頂きます。
「…Retina Photoを追い求めるのなら
合成も可であると私は判断しています・・・。
確かに合成も不自然さが出るのかもしれません。
以前のHDRと同じかも知れませんが・・・
Kent氏も一枚からの現像にこだわっているのでしょうか?」
僕の考えは明白です。
写真は結果で判断すべきである。
僕が受けた海外からの最近の依頼は
「貴方が見た美しい風景を限りなく再現して欲しい・・・。」
そういう作品創作です。
創作過程に注文はありません。
出来上がりが全てです!
ここで現状について書きますと、
もう少し改良されたHDRであるならば
露出に関しては合成がベターになる日は近いでしょう。
劣化が少なく肉眼で見ている光りに近づける事が出来るはずです。
しかし色に関しては
すでに現在のカメラはRAWデータ撮影において
自然界に存在する色を撮っています。
ただそれを僕達が使いこなしていないだけです。
よって現時点において合成など必要ないですし、
むしろ不自然な色になり易いです。
現在のカメラで撮った豊富な色情報を使い
一枚の写真からより自然で美しい作品に創作出来ます。
また今後どんどん現像ソフトが進化すれば
さらにもっと記録されている情報(データ)を使えるようになるはずです。
以上簡単ですが答えさせて頂きました。
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