Kent Shiraishi Photo Blog

北海道美瑛町の大自然や身近な写真を、
海外へ配信するArtistの呟き。

「ナショジオ」の写真集「Night Vision」世界で発売開始!

2017年10月25日 | 美瑛町の冬を世界に売り出す!
米国の世界的な出版社「ナショナル・ジオグラフィック」が発行する写真集「Night Vision」が世界で発売開始!
今回、この素晴らしい写真集の一枚に、「青い池のライトアップ」が選ばれました。
アマゾンで買えます!
な・な・な・なんと!アマゾン日本で一時的にSold-Out!!一冊4,000円近い写真集ですよ!Kent実力あるな~~~笑
凄過ぎです!!

National Geographic Night Vision: Magical Photographs of Life After Dark
This photo book will be released today in the world!
I appreciate that "National Geographic" published my photograph in this book.
You can buy it at "AMAZON".

前回も書きましたが、
4回目のライトアップ青い池-11月1日より始まります。来年3月31日まで、毎日17時から21時まで、お正月も休まず点灯します。
美瑛町の冬を世界的な観光地にするための大切なイベントです。
The light up illumination blue pond.
Here is an announcement regarding to the “Blue Pond” in Hokkaido Biei-cho. The light up illumination period this year has been published. It is from 1st November 2017 to 31th March 2018.During the period, it lights every day from 17 o'clock to 21 o'clock.

今年もまもなくあと2ヶ月ほどで終わります。
思い出せば3年前の9月、美瑛町長とその当時の町議さんと会談しました。すでに「青い池」はアップル社の広告に採用されて有名になっていて、夏の観光客は数年前と比較して倍増していました。

・・・しかし、相変わらず冬は閑散期状態。
「青い池」は雪で覆われ、除雪もされないので、一般観光客は近づくことすらできない状態でした。

もちろん町長はそんな事は百も承知であり、何とかされたいと考えていらしたようです。
ちょうどそこに僕と町議がライトアップの話を持ち込みました。

『ケントさん、夏の青い池はあなたのおかげで多数の観光客が来るようになって本当に良かったと思ってるんですが…、冬も何とかならないかと私も考えていて、実はライトアップとかしたらどうだろうかと思っていたんですよ!ただ我々行政はそれをどうやって実行するか?それは専門家でないから難しい。それでなかなか話が前に進まなかったんですが…。ケントさん、あなたやってくれますか?…。』

今思えば、当時はこんな会話で話が始まりました。

「町長、僕はこの街が好きで移住しました。冬の閑散期をどうにかしたいと思う気持ちは同じです。僕で良ければやります。」

あっさりそう答えました。
そして続けて次の様にも言いました。

「オリンピックじゃないですが、4年計画でやりましょう。年々レベルアップさせて行くんです。幸い青い池周辺には人家がありません。ですからどなたにも迷惑をかける事はありません。しかもこの一帯は美しい白樺の森です。せっかくその白樺を意味するドイツ語を使い『ビルケの森』と名付けていますし、しかも直ぐそばに、美しい建物インフォメーションセンターまであります。ですから、全てを活かせるように活用しましょう。『ビルケの森』一帯を世界的な情景・景観の観光地にして、冬に観光客を呼べるようにしましょう。今すぐ出来なくても4年後には出来るように頑張りましょう…。」

そんな話をしましたら、町長も、
『私も全く同じ考えだよ…。』
その様に言って下さいました。

結果として、今年はインフォメーションセンターの横に新たな建物を増築し、またこれから本体であるセンターの改修工事も始まり、
いよいよ来年はそれらを活用して、『ビルケの森』として、さらに世界にアピール出来そうです。
僕は大いに期待しています。

しかし…今思いだせば…大変な事も多かったです。

特にプロデュースを引き受けた当初は、予想外の妨害にあいました。

ライトアップは自然破壊だ!、光害だ!!、星が見えなくなる等々、非難中傷を一気に浴びる事になりました。

…しかもそれはどんどんエスカレートして、
役場や観光協会だけでなく、僕の経営する宿にまで電話やメールが殺到して来るようになり、最初は全てに対して丁寧に応対していましたが…。

僕が宿を留守にしている時は、スタッフが応対する訳ですが、あまりにも礼儀を知らない無礼な者達が多く、時にはスタッフも怒りを僕に向けて、
「お金を一円も貰わずに、しかも頼まれて引き受けているのに、何故こんな事を我慢する必要があるんですか???」
そう言われたことさえありました。

・・・そして、
そのうちに有る事が分かりました。

こうやって僕に嫌がらせの様な電話をかけてくる連中、あるいはメールを書いて来る者達は、ただPCの前に座って何もせず、キーボードを叩いて他人を非難し、それで愉快になって喜んでる連中だ。
僕が相手にする連中ではない。
自分がすべき事は引き受けた仕事をやり抜く事だ。

そう思うようになり、そのたぐいの電話やメールは全て無視するようにしました。

…そして、
わずか人口一万人足らずのこの町を、どうやったら世界的に有名に出来るか?
どうやって「青い池のライトアップ」を世界に紹介するか?

ただただその事だけを考えるようにしました。

それは結果を出す事が全てに優先するからです!

最も大切な事は、結果を出す事です。
途中で何をどう言われようが関係ない。

結果を出せば、必ず応援してくれる人達が生れる。
世の中は口先だけで大阪城建ててる男が多い、だから有言実行すれば必ず協力者は増える。

そう信じる事にしました。

そして毎朝、
「Kent、お前は出来る!必ずおまえは出来る!!」
そう呪文の様に唱えたのです。

その努力の甲斐あって、
宣伝も無く、いきなり始めた一年目の開催で、目標集客1万人を超えて、15,000人も来て下さいました。

正直に言いまして、5000人さえも突破出来ないかもしれない…そんな感じでスタートしました。

しかも開催期間中、
氷結した池の中に降りる者がいて、いつか事故が起きて、イベントそのものが中止になるかもしれない、
そんな不安を毎日抱いていました。

「今年は宣伝無く始めたからとか…1年目はこんなもんだよとか…。」言い訳ならいくらでも用意出来ます。

でもそれは、僕には許されませんでした。
どうしても結果を出さなければいけなかったのです。
ですから1年目が本当に辛く厳しかったです。

…でもそれを乗越え結果を出しました。
有言実行しました。
その瞬間、大きな自信を持ちました。

「…出来る!」
自分の中にエネルギーが湧いてきたのがハッキリ分かりました。

それから2回目の開催で約3万人、つまり倍の集客となり役場の担当者は喜んでいましたが、僕は驚きませんでした。それまでに国内は勿論、世界に発信して来た事を考えるなら、僕には当然、当たり前の事に思えたからです。

ちょうどその頃、上記「ナショジオ」から新しい写真集の発売が発表され、連絡が来ました。
その前に世界で発売された写真集では、僕が撮った「初雪の降った青い池」が掲載されました。

今度は、もしかすると、「ライトアップされた青い池」が掲載されるんではないか?
きっとそうだ、そうに違いない!
そう楽しみにしていたんですが…

編集者から来たメールを読みがっかりしました。
いえ、正確に言うなら、とても複雑な気持ちになりました。

選ばれたのは、緑色の池でした。
「青い池の水は色が一定ではなく、時々美しいエメラルドグリーンの色にも変化する。」
ナショジオの編集部では、その事を表現している写真を高く評価して下さったようです。

それはそれで大変ありがたい嬉しい事です。
数名しか選ばれなかった日本人の一人になったんですから、
とても光栄な話なんですが…
嬉しい半面、もう一人の自分が、
「やっぱり人工的な照明を使った情景では、どんなに美しくても採用されないのか???」
そういう気持ちが心の中に渦巻いていました。

しかし…いつまでも悶々としていても仕方が無いです。
納得するまで行動しないと…そう考えて、
過去に発売されて、今でも手に入る「ナショジオ」の写真集を全て買いました。

・・・そして掲載作品を全て見ていくと…
ありますあります、人工照明の写真があります、例えば美しい工場夜景の写真、夜の遊園地の写真、さらにはモノクロで撮られた夜のカーニバル!

やはりまだまだ美しさが足りないんだ!
そこら辺に転がってる風景写真のレベルでは無理だ。

誰もが出来ない、つまり撮れない美!
それが必要だ。

発想を変えよう。
逆に考えてみよう。

自然界では、オーロラさえも今ではたいして珍しく無い。
つまり天候等条件さえそろっていて、運良くそこにいれば撮れる。
もちろんそこにいることが難しい訳だが、それでも確率的には可能だ。

だったら…
逆に、光が無ければ、そこに光が当たって無ければ絶対に撮れない情景、それを考えよう。

逆転の発想でその事を毎日考えるようになりました。

つまり自然界の中ではありえない光を考えて、それを生み出し当てる事で、これまでに誰も見た事が無い情景(被写体)を自分で創作するのです。

世界の連中を驚かす様な「驚がく的な美!」
それを創作して撮って絵にしないとダメだ!!

僕は意識を改めました。

そして昨年末、そんな思いの中で創作した1枚、「青い池」なのにあえて色の無い、夜のモノクロ作品を世界に発表しました。
そうしましたらまたたく間に人気が出て、とても高い評価を頂きました。この事も僕に大きな自信を与えてくれました。

ただ残念ながら良い事ばかり続かないです。よしこれからだと思った矢先、今年に入って直ぐに目の手術を受ける事になり、その後数度手術を繰り返して入院生活を余儀なくされ、思うように行かなくなりました。

3月下旬に手術後すぐ、札幌で写真講評会を成功させ、4月には銀座SONYストアと六本木DMM本社ビルで同様に講評会を行うと意気込んでいた矢先、またもや手術する羽目になりました。
予約していた飛行機は眼圧を上げるので乗れず、急きょ新幹線で上京する事になりました。

またもや病室のベットの中で、一人悶々としていた時に、一通のメールが来ました。
米国ナショジオ出版の編集主幹からでした。

そこには、まだ発売は決定ではないので、とりあえず確認のためのメールであると前置きされていましたが、
『10月に発売を考えている(ナショジオの写真集は10月発売が多い)、新しいテーマの写真集、「夜景」だけの作品集を世界で発売したい…つきましては、あなたの次の作品は、もしわれわれがそれを選んだなら掲載可能ですか?お知らせください…。』
そう書かれており、続いてファイルが貼付されているのですが、病室内ではWiFi環境が無かったのと、もう何度も手術を受けていて精神的に疲れており、その時点ではネットの準備をしておらず、画像を開くのにものすごい時間がかかりました。

…でも、少しづつ見えてきた画像で、その写真が「青い池をライトアップ」した写真だと分かりました。
そこから先は、僕の眼の方が潤んで全く見えなくなりました。

これまでの色々な事が思い出されて来て、涙が止まらなくなりました。
事実はいつも小説より凄い。ドラマチックだ!

看護師さんが目薬さしに入ってきて、驚いて、
『どうしたんですか? 何か大変な事ありましたか???』
そう訊かれたんですが・・・

「ハイ、とてもとても大変な事が起きました。いえ、いや、違います、大丈夫です。そういう意味で大変なのではなく、感動して涙が出ているんです。」

『ええ!どう言う事ですか???』

「あ~~~、これを説明するのはとてもとても時間が必要です。申し訳ないですが、少しの間一人にさせて下さい。」
そう言うのが精一杯でした。

その後退院したあとで、本の出版が正式に決まり、改めて正式な掲載依頼のメールが来ました。

僕の人生はいつもこんな感じです。
だから最後まで、けして諦めてはいけない、そう思います。

明日掲載された写真集が送られてくるはずですが…
それを見ると、また目が潤みそうで、キーボードが打てなくなると困るので今日書く事にしました。

ここまで長々と書きまして申し訳ありません。
そしてお読み頂きありがとうございました。

最後になりますが、次の写真をご覧下さい。


この写真は昨日の朝撮りました。
「青い池をライトアップする今年の秘密兵器です!」
HaHaHa

昨年までは池の横にもっとずっと低いライトを設置しました。
今年はこの高さのライトが左右に離れてあります。
つまり高さを持たせた事で、影を長く表現出来、今までより立体的な絵が創作出来るでしょう。
さらには降雪時、特に吹雪の際にその威力が発揮されるはずです。

もちろん、吹雪の日は運転が大変です。
安全運転で、交通事故にはくれぐれも気をつけて、また防寒対策もしっかりされていらしてください。

そうやって来て下さったお客様には、
きっと今まで見た事が無い様な情景が見れるはずです。

僕達は素晴らしい情景(被写体)を創作しています。
皆さんでそれを観賞してお楽しみください。

そして写真を撮られる方は、
世界でまだ誰も見た事が無い情景を撮影して、どんどん発信して下さい。

『世界的なフォトコンテストに入賞出来る様な被写体を創作する。』
Photo Producerとして、僕達は素晴らしい被写体を皆さんに提供します。

そのつもりでライティングしていますし、必ず世界の人達を驚かす様な「驚がく的な美」を撮影出来るはずだと確信しています。
あとはPhotographerである皆さんが、僕の予想を超える様な素晴らしい作品を撮って下さる事に期待しています。

前回も書きましたがもう一度詳しく書いておきます。

一つのLighting Story(ライティング・ストーリー)は約10分間のプログラムで構成されています。
それを17時から21時まで繰り返します。
その10分間の間で、晴天の日は、肉眼で星空と青い池が美しく見れる設定があり、その後直ぐに水面のライトが弱くなり暗くなって、長秒撮影に向いた設定が約1分間続きます。
また雪が降っている日は、何度も雪当てライトが天空を照らし、素晴らしい撮影チャンスが何度も出現します。

どんどん撮影して、
どんどん発信して下さい!

訪れる皆さんが楽しめるように期待しております。

11月1日夜5時から今年の開催がスタートします!
多くの方が美瑛町に来て下さるよう期待しています。

どうぞお楽しみに!



追伸:
世界のレベルで評価され、認められた事は、このイベントをプロデュースした自分へのご褒美です。
そしてこのイベントを一緒に支えてきた同志の皆さんはもちろんの事、ご協力頂きました多数の皆様に、この場で感謝申し上げます。
本当にありがとうございました!
これからも頑張ります!!

さらに追伸:
今回「青い池のライトアップ」が掲載された上記写真集は「学び」がとても多いです。
僕自身、色々な写真を見ていて、撮影時の新しいアイディアが色々浮かんできました。
素晴らしいです!

また米国の「ナショジオ」編集部に掲載のお礼をメールしましたが、
その際にある質問をしました。

これまで「ナショジオ」が世界で発売した同様な写真集に、3度連続で「青い池」、つまり同じ被写体が掲載されました。しかも3度とも撮影者は僕です。

「…同じ被写体を同じ写真家が撮って、三度も掲載された者は他にいますか?」
そう尋ねましたら…

『私の知る範囲ではあなたしかいない!』

そう回答が来ました。

正直に言いますが、どんな言葉よりも、これが一番嬉しい言葉です。
それがどれほど難しい事か…僕には十分想像できるからです。

…そして、
4度目を狙っている自分が今ここにいます。
HaHaHa

僕は出来ないと思った事は無いのです。
(#^.^#)


以前書いた関連記事

★第4回「青い池」のライトアップが11月1日より始まります。
★美瑛町の冬を世界に売り出す! - 青い池のライトアップ!!
★「青い池のライトアップ」 - 早くも世界の写真サイトで人気Top1になりました!

・・・・・・・・

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Kent Shiraishi is a Photo Producer and SAMURAI Photographer.
When it comes to art and design, the hottest thing out of chilly Hokkaido is photographer Kent Shiraishi. Mac enthusiasts working on the latest Apple operating system probably already have one of his simple yet arresting photographs – “Blue Pond and First Snow” – as wallpaper on their laptop screens. The Blue Pond, which Shiraishi has captured in every season, is fed from a volcanic hot spring, so its hyper-natural turquoise color can be partially explained by the presence of minerals.



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