前回フィルターについて書きましたら多数質問が来ました。
そんな難しい事書いたつもりはないんですが…。
(#^.^#)
一般的に多くの方はレンズにフィルターをつけていると思います。
しかし太陽を撮影する場合にはフィルターは百害あって一利なしです。
これはプロの仲間では常識です。
だいたい僕の知っている限り、
プロと名のつく連中で、
レンズにプロテクトフィルターなどつけている者は一人もいません。
少なくとも僕の仲間にはいません。
それは当然だと思います。
しかしアマチュアの皆さんの半分以上はフィルターをつけています。
しかも特に高級レンズを持っている方の多くは、
何かのフィルタ-をずっとつけたままです。
レンズに傷をつけたくないと思う気持ちが強いのでしょう。
別にこれは個人の嗜好ですから僕は何も言いません。
好きにされたら良いと思います。
ただもし、あなたが太陽を美しく撮影したいなら、
その撮影の時だけでもフィルターを外された方が良いでしょう。
そもそも良く考えて下さい。
レンズを開発する技術者は、
レンズの前にフィルターをつける事を前提に考えていません。
あくまでレンズ単体で最高の光学性能を発揮するよう設計します。
これはとても重要な事です。
僕は普段眼鏡をかけています。
丘で撮影中に時々眼鏡を外しますと、
とても眩しく感じます。
実は眼鏡の表面で光を反射して、
眼に入る光が減光している訳です。
簡単に言えば、
これと同じ事がレンズとフィルターの間でも起きています。
そしてさらに大切な事ですが、
フィルムはあくまで化学反応によって写真を作りました。
しかし今我々が使っているデジタルカメラのセンサーは物理的反応です。
けして化学反応ではないのです。
言い換えるなら、いかにセンサーに光を集めるか?
それも正しくです。それが最も重要な事です。
センサーに当たる光の入射角度さえ重要なんです。
すなわち「精度の高い集光能力」が問われているのです。
高級なレンズはそのために、
自然界に存在する光を限りなく集光出来るよう、
レンズの精度を高めています。
近年になって、
レンズ表面に特殊なコーティングを施すのも、
その集光能力を高めるためです。
ですから昔のフィルム時代のレンズとは全く比較になりません。
太陽を撮影すればレンズの実力は直ぐに分かります。
かつてのツァイスだろうとライカであろうと、
所詮は過去の古い設計によるレンズに過ぎないのです。
昔のマシン(車)で今のF1が戦えますか?
200kmしかでないスピードで300km以上のスピードで戦うレースが出来ますか?
答えははっきりしています。
もちろん趣味で使うなら、何でもOKでしょう。
オールドレンズを楽しむのも大切な趣味ですから。
しかし僕に質問される方は良く考えて下さい。
「・・・の高級レンズをSONYα7Rで使ってみましたが太陽があなたの様に撮れない。
何か特別な撮影方法があるのですか?」
こういう質問を多数受けます。
そして僕は答えます。
「もしあなたが僕の様に太陽を撮りたいなら、
カメラだけではなく、レンズも最新の物を使うべきです。
そしてその高級レンズの性能をわざわざ下げるフィルターを使ってはいけない。」
これが僕の答えの全てです。
またもう一つ最後に書いておきます。
現代の写真撮影はカメラとレンズのシステムが重要です。
言い換えるなら、同じレンズを違うボディにつけた場合違う絵が出ます。
特に太陽の撮影ではそれが顕著です。
SONYはニコンにも3600万画素の同型のセンサーを提供していますが、
実際は同型であるというだけです。
すでにNikonに提供されてから2年近く経過しており、
相当に改良されています。
もちろんセンサー周辺の技術も含めての話です。
僕がNikon D800Eと3ヶ月にわたり太陽の撮影において比較したところ、
カメラの設計上の違いを大きく感じました。
やはりこれは科学技術の日進月歩のおかげでしょう。
これからもそれぞれのメーカーで、
正しい技術競争が為されるものと思います。
まさに素晴らしい時代に突入しました。
過去の懐かしいレンズを楽しむのも、
それはそれで思い出とともに楽しい時間を過ごせます。
僕も40年以上前のレンズを試しに使ってみる事もあります。
それはそれで楽しい時間を過ごせました。
素晴らしい事です。
しかし太陽を撮影するなら、
しかも僕の様に仕事で撮るなら、
もはや選択の余地はありません。
最新のシステムを使わなければクライアントが去っていくだけです。
また逆に最近、
太陽を撮影した写真を海外の写真商に見せる事で仕事の依頼が来ました。
やはりどの世界でも先んずれば人を制すです。
写真は「人とカメラが一体となって創作する芸術です」
人だけが優れていてもダメです。
やはりカメラも優れていなければ…。
もちろん逆もまた真なりですが。
そういう意味では、
カーレースのマシンとドライバーの関係と似ていますね。
僕はそう考えています。
(#^.^#)
下記作品は春が近い今、霞んだ(滲んだ)太陽を撮影しました。
北きつねと野ウサギが跳ねまわった足跡が見れます。
ケント白石
北海道を世界に売り込む侍写真家
Professional & SAMURAI Photographer
Kent Shiraishi
「Kent Shiraishi Photography」
「Google+」
ブログ村「写真講座」ランキングに参加しております。
今回の内容がお役に立ちましたら一票投票お願いします。出来るだけ多くの方に読んで頂ければと思います。
下記「写真講座」ボタンクリックで一日一回だけ投票できます。